吉永小百合が大泉洋と親子役で初共演する山田洋次監督最新作『こんにちは、母さん』より、恋する母・福江に戸惑いを隠せない息子・昭夫(大泉)と、祖母の恋にときめく娘・舞(永野芽郁)の姿を収めた本編映像と場面写真が解禁された。

【動画】大泉洋、恋する吉永小百合に“ボヤキ”さく裂 『こんにちは、母さん』本編映像

 山田監督にとって90本目となる本作は、東京の下町でいまこの令和を生きる等身大の家族を描く。

『母べえ』『母と暮せば』に続く『母』3部作として吉永の集大成ともいえる作品だ。

 大企業の人事部長として神経をすり減らす毎日を送る神崎昭夫(大泉)。妻との離婚問題や家出した娘・舞(永野)との関係にも頭を悩ませる中、久しぶりに母・福江(吉永)が暮らす東京下町の実家を尋ねると、そこには艶やかなファッションに身を包み、イキイキと暮らす母の姿が…。おまけに母の恋愛事情まで耳にし、久々の実家にも居場所がなく戸惑う昭夫だったが、お節介が過ぎるほどに温かい下町の住民や、これまでとは違う“母”と新たに出会い、次第に見失っていたことに気づかされていく。

 今回解禁された映像の冒頭では、福江にデリカシーのない態度を取る昭夫に対し、舞が「おばあちゃんの前で牧師さんの悪口を言わないで」と真剣な様子で釘を刺す。昭夫が「何が言いたいんだよ」ととぼけると、舞は呆れながらも福江が牧師・荻生に想いを寄せていることを伝えるが、昭夫は聞く耳を持たない。
畳み掛けるように舞が福江の荻生に対する“本気の想い”を告げると、昭夫は目を丸くし思わず言葉を失う。

 「もしかして結婚するかもしれない! 素敵!」と無邪気にはしゃぐ舞とは対照的に、思わず顔を歪めて「やめてくれよぉもう…」とぼやく昭夫。「いい加減にしろ!」と布団に八つ当たりをするしかない昭夫のどこか情けない姿が映し出されるところで、映像は締めくくられている。

 さらに、福江と荻生のデートシーンや、神崎家を取り巻く下町の人々の姿を捉えた場面写真も一挙公開。食卓を囲む神崎家の姿をはじめ、昭夫の同僚・木部(宮藤官九郎)や下町の住民たちがただならぬ剣幕で昭夫を見つめる様子を切り取ったものなど計7点となる。

 かれんな着物に身を包む福江と牧師・荻生(寺尾聰)が隅田川を散歩する“デートシーン”をとらえたものや、荻生に優しく微笑む福江の姿もあり、“恋する母”の表情が印象的な一方、そんな幸せいっぱいの母とは対照的に、散らかった部屋で1人カップ麺をすする昭夫の切ない生活ぶりが感じられるカットも…。


 歳を重ねても気高くイキイキと暮らす福江の姿に、やがて自らを見つめ直し、再出発していく昭夫の姿が描かれる本作。そんな親子の姿はもちろん、人情味あふれる下町の住民たちとの触れ合い、そしてどこか懐かしい風景の数々は、不況や不安が取り巻くこの時代だからこそ、観る人を元気にし、明るく前向きな気持ちを与えてくれるはず。

 映画『こんにちは、母さん』は、9月1日より全国公開。