1997年から25年間続いたサトシとピカチュウの冒険は幕を下ろし、不思議なペンダントを持つパルデア出身の少女・リコと、謎のモンスターボールを持つカントー出身の少年・ロイをW主人公とした、新たなアニメ『ポケットモンスター』が4月より始まった。放送も1クールを超えたところで、今回は新しくなったアニポケの魅力的なキャラや物語など、注目ポイントを紹介していく。



【写真】主人公・リコ&ロイの設定画が公開 ゲームフリークの杉森建描き下ろし

新主人公リコ&ロイのコンビが個性的

 リコは「自分でもわからない何かを知りたい」と思い、親元を離れてカントー地方に進学してきた少女。少し思慮深いところはあるが、パートナーポケモンのニャオハがピンチのときは勇ましく敵陣に突入したり、山火事で焼野原になった森で苦しむポケモンたちを目の前にしたら「森を作ろう」と仲間に呼びかけたり、ここ一番では主人公らしく抜群の行動力を見せる。ちなみに、彼女は作中に登場する動画配信者・ぐるみんの大ファンで、配信内でコメントが読まれたときに赤面して絶叫するというオタクな一面もある。

 ロイはカントー地方の離島で暮らしていた元気いっぱいな少年で、祖父から譲り受けた「いにしえのモンスターボール」を宝物にしている。パートナーはホゲータとカイデン。明朗快活な彼はどことなくサトシと似た一面が随所で見られる。初対面の人ともすぐに打ち解けられる社交性の高さを持ち、ポケモンをゲットするときも「君がいいってきめたんだ」「友だちになりたいんだ」と自分の感情を真っすぐぶつけるところが王道主人公といった感じ。さらに、自然豊かな離島育ちだからか高い身体能力を有している。

 今作では、この「不思議なペンダント」と「いにしえのモンスターボール」がキーアイテムとなっており、ふたりは空飛ぶ冒険家集団「ライジングボルテッカーズ」と仲間になって謎を解き明かす冒険へ旅立つ。

■謎多きふたつのキーアイテムを巡る物語から目が離せない

 現在は第16話まで放送され、ふたつのキーアイテムについても少しづつ詳細が判明してきている。「いにしえのモンスターボール」は、100年前にいた古の冒険者ルシアスが持っていたもので、ルシアスと深い絆を結んだ6匹のポケモンたちは「六英雄」と呼ばれている。ロイがゲットを狙う黒いレックウザと、第12話に登場した巨大なオリーヴァもその一匹で、残り4匹の英雄がどんなポケモンなのか気になるところ。


 「不思議なペンダント」も、黒いレックウザ&オリーヴァと共鳴して光ったことから、ルシアスに所縁のある品と思われる。しかも、このペンダントはリコがピンチになったりすると謎のポケモンに変身してしまうのだ。この謎を解明するにはペンダントをお守りとしてリコに渡した彼女の祖母に会う必要があるようで、今後はガラル地方への冒険が始まる。

■ラブリーチャーミー…じゃない!? 「エクスプローラーズ」の徹底された悪者っぷり

 「エクスプローラーズ」はリコの「不思議なペンダント」を狙う悪役組織で、構成員のアメジオとスピネルは執拗にリコたちを追いかけている。これまでのアニポケで敵役だったムサシ&コジロウ以上に、彼らは狡猾に悪事を働く。

 アメジオは、第1話で長期休暇によって生徒たちがほとんどいなくなったタイミングを見計らい作戦を開始。自身の身分を「リコの祖母の代理人」だと偽って寮母さんを騙し、学園寮に侵入してリコを襲撃した。だが、作戦は失敗に終わり現在はスピネルに任務を奪われて単独行動中。組織の意向には従わず部下と一緒に黒いレックウザを追っている。

 もう一方のスピネルもかなりのやり手。14話ではリコのスマホに偽広告を送って人気のない路地裏におびき出し、オーベムのサイコパワーで記憶を改ざんしてペンダントを早々に奪って見せた。しかも、奪ったときにリコのスマホの通話機能・位置情報機能を停止させたり、ネット上に「リコらしき少女を別の場所で見つけた」とフェイク情報を流してリコを捜索するロイたちを妨害たりと用意周到。
第16話ではペンダントを取り返されてしまうも、ペンダントが持つ謎の鍵がリコであることを見抜き、何かを企んで組織には全容を報告しなかった。

 アメジオの単独行動とスピネルの画策。「エクスプローラーズ」が悪の組織らしく一枚岩ではないことが見られてとても興味深い。第16話で新たに登場した幹部・オニキス、アゲート、サンゴなども含め、彼らの動向にも目が離せない。

■アニポケの醍醐味 ゲーム版キャラの登場やBGMが熱い

 第10話では、ゲーム『ポケットモンスタースカーレット・バイオレット(以下、ポケモンSV)』からチャンピオンのネモ(CV:喜多村英梨)とボウルタウンのジムリーダー・コルサ(CV:中井和哉)、第14話ではハッコウシティのジムリーダー・ナンジャモ(CV:本渡楓)が登場し、ゲームとはまた違った一面が見られた。さらに、先日公開されたスペシャルビジュアルにはゲーム『ポケットモンスターソード・シールド』のエンジンシティジムリーダー・カブも描かれており、アニメ『ポケットモンスター』(2019年)では登場しなかったほかのガラル地方ジムリーダーたちの出演にも期待が高まる。

 そして、忘れてはならないBGMもアニポケの醍醐味のひとつだ。第10話ではロイがコルサとバトルした際に、『ポケモンSV』のジムリーダー戦BGMのアレンジがかかりバトルを大いに盛り上げた。今後の物語でもどんなゲームBGMのアレンジが流れるか楽しみだ。

 アニメ『ポケットモンスター』は、テレビ東京系にて毎週金曜18時55分放送(一部地域で放送日時が異なる)。ポケモン公式YouTubeチャンネルにて、第1話から第12話を8月25日まで無料配信中。

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