サンドラ・ブロックがアカデミー賞主演女優賞を受賞した2009年の映画『しあわせの隠れ場所』。モデルとなった元NFL選手と彼を引き取った家族との間に訴訟問題が発生した。
【写真】利益の支払い問題勃発 名作『しあわせの隠れ場所』
『しあわせの隠れ場所』は、マイケル・ルイスによるノンフィクション小説『ブラインド・サイド アメフトがもたらした奇蹟』を原作に、ストリートチルドレンのような暮らしをしていた少年マイケル・オアーが、ショーンとリー・アン・テューイ夫妻の家庭に引き取られ、アメリカン・フットボールの選手としての才能を開花させていく姿を描いた映画。アカデミー賞では、サンドラの主演女優賞受賞のほか、作品賞にもノミネートされた。
Varietyによると、この映画のモデルで、後にNFLのスター選手となったオアーが、テューイ夫妻に対し、夫妻が彼を養子縁組したことはなく、代わりに後見制度を受けるよう仕組んだと主張。映画の利益を受けられないようにしたと訴えているそうだ。
これに対し、原作者のマイケルがThe Washington Postのインタビューでテューイ夫妻を擁護。
テューイ家はロイヤリティをオアーを含む家族で分配すると言ったが、オアーはロイヤリティの受け取りを拒否。テューイ家では、オアーの取り分をオアーの息子のための信託基金に預けたそうだ。
マイケルは「全てのやり取りを近くで見ていたのでとても悲しいです。一家は彼に援助と愛情を注いでいました。それなのに彼が一家に疑念を抱いているとは、驚きです。そうさせる心理的状況におかれているのでしょう。彼を思うと悲しいです」と述べているという。
オアーは、テューイ夫妻と2人の実子がそれぞれ、『しあわせの隠れ場所』の映画化で22万5000ドルと2.5%のロイヤリティを取得したと主張。
なお、20世紀フォックスは最終的に本作を製作せず、アルコン・エンターテイメントが製作、ワーナーブラザースが配給した。