1日、都内で「2023 ユーキャン新語・流行語大賞」発表・表彰式が実施。トップ10(順不同)が発表され、新しい学校のリーダーズ/首振りダンスや生成AI、地球沸騰化などが選ばれると共に、年間大賞には、今年38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガース・岡田彰布監督の「アレ(A.R.E.)」が選ばれた。



【写真】年間大賞を受賞して笑顔を見せる岡田監督

 「ユーキャン新語・流行語大賞」は、その年に流行した言葉を表彰する。「現代用語の基礎知識」編集部の調査をもとにノミネート30語を選出し、さらに選考委員会が10語を選定する。大賞に選ばれた「アレ(A.R.E)」は、岡田監督が、選手に優勝を意識させないために、優勝の隠語として「アレ」と表現した言葉が、大きな話題になった。

 18年ぶりのリーグ優勝、そして38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガースを指揮した岡田監督。2023年の阪神タイガースのスローガンでもある「A.R.E.(エー・アール・イー)」は、目標、尊敬、力の意味を表す。岡田監督は「この阪神のスローガンは、最終的に嫁さんが考えたものを、ちょっとアレンジしたんです」と驚きの事実を明かすと「阪神のOBからは、リスペクトの“R”が入っていることを喜んでいました」と語っていた。

 岡田監督は、2009年から2012年までオリックスの監督を務めたが「実はオリックス時代にも『アレ』と言っていたのですが、オリックスではインパクトがなかったのかな」と笑うと「関西エリアでは、新聞やマスコミが毎日“アレ”と発してくれたことで、想像以上の反響をいただきました。そして阪神の38年ぶりの日本一という結果が、この賞に結びついたと思います。大いに盛り上がったスポーツ界に少しでも貢献できてよかった」と受賞を喜んでいた。

 年間大賞の受賞について「勝利監督インタビューより嬉しい」と語ると「こんな素晴らしい賞、嬉しいけれど来年から大変になるかも」と苦笑い。また座右の銘を「道一筋」としていた岡田監督は、今年日本一になったことから、来年から憧れだったという元阪神タイガースの名選手だった村山実さんの「球道一筋」に変更することを明かしていた。

 「生成AI」の受賞者として登場した落合陽一は「2016年末にAIの研究を始めた」と語ると「当時は画像生成、最初はファッションの研究から始まった。
そこから文章生成などを経て、さまざまな方向に広がっていった」と状況を説明。さらに落合は「我々が2017年からやってきたのは、AIを、障害を持つ方にどうやって役立てるのか。それできれば、本当の意味での多様性に対応できると思います」と未来に思いを馳せていた。

 また「2023 ユーキャン新語・流行語大賞」の「選考委員特別賞」を「I'm wearing pants!(アイム・ウェアリング・パンツ)」のとにかく明るい安村が受賞した。

 選考委員のやくみつるは、トップ10に「増税メガネ」が選ばれなかったことについて、「30語が発表されたときに入っていなくて、ネットでざわつきましたが」と切り出すと「僕も新聞の一コマでネタにしたことがあったのですが、その際も注意を払いました。それは弱視や、やむを得ずメガネをかけているお子さんもいる。岸田総理大臣はメガネをかけることを引け目に思っているわけではないので、そこまで……と思う方もいるかもしれませんが、そういう方への気遣いが込められているんです」と決して日本のトップへの忖度ではないことを明かしていた。

■「2023 ユーキャン新語・流行語大賞」トップ10一覧(順不同)

・年間大賞「アレ(A.R.E)」岡田彰布(阪神タイガース監督)
・「新しい学校のリーダーズ/首振りダンス」新しい学校のリーダーズ(歌手)
・「OSO18/アーバンベア」日本クマネットワーク代表 酪農学園大学教授・佐藤嘉和
・「蛙化現象」瀬間琴美(学生)、板倉香音(学生)
・「生成AI」落合陽一(メディアアーティスト)
・「地球沸騰化」田烏水産株式会社・代表取締役・横山拓也
・「ペッパーミル・パフォーマンス」キッチンワールドTDI
・「観る将」公益社団法人日本将棋連盟
・「闇バイト」受賞者なし
・「4年ぶり/声出し応援」公益財団法人日本バスケットボール協会

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