大人気コミックスの原作物からオリジナルまで、今年も地上波あるいは動画配信サービスでたくさんのアニメが放送された。そんな作品たちの中から、SNSなどで大きな反響を巻き起こした7作品をピックアップ。

動画配信サービスで見られる作品も多いので、未見の人は冬休みにまとめて鑑賞してみては?

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■『機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2』、毎話SNSが話題騒然

 2023年上半期のアニメ界を大いに賑わせたのは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女 Season2』(MBS・TBS系)。本作は2022年10月より放送されたガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のシーズン2。モビルスーツ産業最大手「ベネリットグループ」が運営する「アスティカシア高等専門学園」を舞台に、水星から編入してきた1人の少女スレッタ・マーキュリーを中心とした物語を描いていく。

 昨年放送のシーズン1に続き、放送後には劇中のセリフやキャラ名ががエックス(旧ツイッター)でトレンド入りするなどリアルタイム視聴が盛り上がりを見せた本作。

 シリーズ初の女性主人公を筆頭に、社会の多様性を反映したような設定にも注目が集まり、多幸感あふれる最終回も視聴者から高い評価を得た。

■『ポケットモンスター』、W主人公が紡ぐ新たな「アニポケ」

 2023年のアニメを語る上で避けて通れないトピックがあるとすれば、それはテレビアニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系)シリーズで主人公を務めたサトシの“卒業”だ。

 1997年4月の放送開始から相棒のピカチュウとともに大冒険を繰り広げたサトシが2023年3月24日の放送で26年間の冒険に幕を下ろすと、SNS上では「子どもの頃から今まで沢山の想い出をありがとう」「感慨深い…サトシ26年間お疲れさまでした!」などの声が集まった。

 そして4月14日から始まった『ポケットモンスター』の新シリーズは、不思議なペンダントを持つ少女・リコと謎のモンスターボールを持つ少年・ロイの2人が主人公。ゲーム最新作『ポケットモンスタースカーレット・バイオレット』のポケモンたちも登場し、ペンダントの謎や黒いレックウザを追う物語が描かれた。

■『鬼滅の刃 刀鍛冶の里編』、恋柱と霞柱が待望の登場

 2019年からアニメ化されてきた『鬼滅の刃』の最新シリーズとして4月期にフジテレビ系で放送されたのが「刀鍛冶の里編」。

 本作では、音柱の宇髄天元とともに、竈門炭治郎、我妻善逸、嘴平伊之助が、突然音沙汰がなくなった宇髄の3人の嫁を探す遊郭潜入任務を描いた「遊郭編」に続く物語が描かれる。新たな“柱”として原作でも人気のキャラクターの時透無一郎と甘露寺蜜璃も登場した。


 「刀鍛冶の里編」終了後も『鬼滅の刃』シリーズの勢いは止まるところを知らず、2024年4月からは「柱稽古編」の放送がスタート。それに先立つ2024年2月からは、刀鍛冶の里編」最終話と「柱稽古編」第1話が、世界各国で劇場公開される予定だ。

■『【推しの子】』、「ネット流行語 100」大賞にもなった話題作

 4月期に放送され、社会現象とも言える注目を集めたのが、赤坂アカと横槍メンゴによる漫画をアニメ化した『【推しの子】』(TOKYO MXほか)。本作は欲望うずまく芸能界を舞台に、転生モノや復讐劇、サクセスストーリーを盛り込みながら主人公たちの宿命をミステリータッチで活写した異色作だ。

 アニメでは原作を忠実に映像化しつつも、クオリティの高い劇中曲と見事な演出で登場人物たちのステージを表現。さらにYOASOBIによる主題歌「アイドル」は日本だけでなく海外でも大きな反響を集め全世界的に大ヒットを記録。

 SNSには大量のファンアートが投稿されるなど、放送後も盛り上がりが収める気配はない。そして、2024年にはアニメ第2期の放送も決定している。

■『呪術廻戦 第2期』、大人気の「渋谷事変」が大盛り上がり

 「週刊少年ジャンプ」(集英社)のアニメ作品としては『鬼滅の刃』と並ぶ勢いを見せるアニメ『呪術廻戦』(MBS・TBS系)。7月からは第2期として「懐玉・玉折」「渋谷事変」がアニメ化され、2クール連続で放送中だ。

 原作は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載中の、芥見下々による同名漫画。人間の負の感情から生まれる呪いと、それを呪術で祓(はら)う呪術師との戦いを描き、シリーズ累計発行部数は9000万部を突破(電子版含む)。
2020年10月~2021年3月までテレビアニメ第1期が放送され、全世界で大きな反響を呼んだ。

 テレビアニメ第2期では、「懐玉・玉折」に加え、10月31日・ハロウィンでにぎわう渋谷の街で起こる「渋谷事変」を放送。呪術師と呪詛師のかつて無い規模の壮絶な死闘がダイナミックに展開している。

■『葬送のフリーレン』、初回放送が2時間SPで話題沸騰

 累計発行部数1700万部(電子版含む)を突破し、2021年に「マンガ大賞2021」大賞と「第25回手塚治虫文化賞」新生賞を受賞している『葬送のフリーレン』は、9月29日放送の『金曜ロードショー』(日本テレビ系)で2時間スペシャルという華々しいスタートをきった注目作。現在は同局の金曜23時に新設されたアニメ枠「FRIDAY ANIME NIGHT」の中で放送されていて、2クール連続でオンエアされる予定だ。

 物語は、勇者とそのパーティーによって魔王が倒された“その後”の世界が舞台。勇者と共に魔王を打倒した魔法使いでエルフのフリーレンと、彼女が新たに出会う人々の旅路が描かれていく。

 SNSには「お話も映像も美しくて毎話感動している」「描写が丁寧で、伏線もしっかり張り巡らしてて素晴らしい」などの声が集まっている。

■『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』、懐かしさと新鮮さが入り乱れる

 1990年代初頭の美少女ゲーム開発現場を描いたマンガ『16bitセンセーション』をもとに、完全オリジナルストーリーとしてアニメ化され10月から放送されているのが『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』(TOKYO MXほか)だ。

 主人公は美少女&美少女ゲームが好きなイラストレーター・秋里コノハ。2023年に生きる彼女がある日、名作美少女ゲーム『同級生』(エルフ)のパッケージを開けた途端、美少女ゲーム黎明期ともいえる1992年の秋葉原へタイムリープ。そしてひょんなことから、コノハは美少女ゲームを開発するゲームメーカーへ行き着き、そこで美少女ゲーム作りを行うことに…。


 現代と90年代初頭の“最新技術”のギャップがコミカルに描かれているほか、実在した美少女ゲームが作中で言及されるなど、90年代に青春時代を送った世代には懐かしく、若い世代には新鮮な驚きが詰まった作品となっている。

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