昨年11月に櫻坂46を卒業してから1年あまり。菅井友香は止まることなくさまざまな挑戦をした。

舞台、ラジオパーソナリティー、番組MCにバラエティー。多様な分野に取り組む中で、目指していきたい方向性がはっきりとしたという。それは「役者」への道。そんな菅井に連続ドラマの出演が決まった。8日スタートの『チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ』(テレビ東京ほか/毎週月曜26時35分)。ダブル主演という大役だ。

【写真】櫻坂46卒業から1年 28歳になった菅井友香(撮り下ろし写真10枚)

■樹と冬雨が積み重ねてきた時間を大切に

――今回のドラマ出演は、櫻坂46改名前の欅坂46がグループで出演した『残酷な観客達』(日本テレビ)以来、6年半ぶり。中村ゆりかさんとのダブル主演です。

菅井:本当にありがたいです。ドラマ出演は久しぶりで、映像作品は舞台作品と作り方が違い、難しいのかなという思いもあったんです。でもいつか挑戦したい気持ちはずっとあったので、本当に光栄です。

――舞台には今年だけでも『新・幕末純情伝』『赤ひげ』と出演されましたが、映像での演技は舞台とは違う難しさもありますか?

菅井:『チェイサーゲームW』の本読みが『赤ひげ』の休演日にあったんですけど、毎日舞台に立っていた合間でしたので、まず声の出し方の違いを感じました。
気を付けてはいたんですけど、気合いが入ってしまっていたみたいです。監督にも「もっと力を抜いて、声で気合いを入れすぎずに」と教えていただきました。『赤ひげ』などの舞台で教えていただいたことが積み重なっていると思える瞬間もありましたので、もっと頑張っていきたいと思いながら撮影に臨んでいました。

――菅井さん演じる樹と、中村さん演じる冬雨は元恋人同士という役柄ですが、冬雨は樹への未練から、樹に対してさまざまな“復讐(ふくしゅう)”を仕掛けてきます。樹は演じる上で精神的にハードな役柄ではないでしょうか。

菅井:物語の序盤では、樹は冬雨に復讐される側なので、彼女に翻弄(ほんろう)され続けていて、心の面でハードな撮影ではありました。でも軸には、樹は冬雨のことが好きだという気持ちがあるので、2人の関係性を積み重ねてきた時間を大切に考えながら演じていました。

――冬雨役の中村さんとは、役の上では対立する関係ではありますが、撮影以外ではどのような雰囲気でしたか?

菅井:すごく等身大でいられる不思議な空気感があって。一緒にお昼寝したり、お弁当を食べたり、何気ない時間がほのぼのしていて、われながら“いいコンビだなぁ”なんて思っていました。ゆりかさんは冬雨とは全然違って“ゲラ”なところがあったりして、一緒に爆笑したりもしていました。

■前向きなきっかけとなれる人に

――グループ卒業後のお話もお聞きしたいのですが、菅井さんには卒業写真集『大切なもの』出版の際にもインタビューさせていただいて。そのとき、“がんばりき”は「アイドルではなくなるのでやる回数は減ってしまうかもしれない」とおっしゃっていたのですが、変わらず“がんばりき”されていて…。


菅井:“がんばりきフォーエバー”でやらせていただいています(笑)。

――卒業後には“がんばりき”がタイトルについたレギュラーラジオ『菅井友香の#今日も推しとがんばりき』(文化放送/毎週木曜21時30分)も始まりました。

菅井:そうなんです。だったらこれからも“がんばりき”を使っていこうかな、となりました(笑)。

――そういうことだったんですね(笑)。プライベートや仕事の環境などいろいろと変わったと思いますが、特に変化した部分はありますか?

菅井:グループの時は、キャプテンということもあって、考えすぎていたところがあったんです。振り返るともちろん、ありがたい環境でしたし、必要な時間だったんですけど、その役割を後輩に引き継ぐことができて、“ただの菅井友香”になったときにすごく心が柔軟になった感じがしました。

グループを離れても最初は、「考えすぎだよ」とか「固いよ」と周りのスタッフさんに言われていたんですけど、本当に自分の好きなことをする時間を1年間つくって、7月に語学留学したオーストラリアの人と話したりしていく中で、少しずつ小さい頃の自分に戻ったような感覚があったんです。今までのことは大切にしながら、また違う道が開けた感じがして、素直に生きられている気持ちになってきました。

――確かに表情もすっきりしたように見えます。

菅井:そう見えるなら、うれしいです(笑)。

――11月29日には28歳の誕生日を迎えられて、インスタライブとラジオで、事務所を「トップコート」に移籍することを報告。
その時に「目指していきたいところや、もっと学んでいきたいことが、はっきり見えてきた」とお話しされていました。


菅井:いろんな経験をさせていただく中で、グループ在籍時もそうでしたけど、みんなでいいものをつくって、それが誰かに届いて心が動かされたと言っていただいたり、少しでも力になれたんだと思えたりした瞬間がすごくうれしくて、やりがいを感じていたんです。そうした中で、これからも私のできることを通して、誰かにとって少しでも前向きなきっかけとなれる人を目指していきたいという思いが強くなったんです。移籍については、まだまだ自分は演技の経験も実力も足りないと思うからこそ、勇気を出して行動して学んでいきたいと思っての一歩でした。

――この1年は、お芝居のほかに、競馬番組のMCやラジオ、バラエティーとチャレンジされていましたが、今後はお芝居を中心にしていくということでしょうか?

菅井:求めていただける限り、いろいろなことに応えていきたいと思う中で、お芝居を軸に頑張っていきたいと思っています。

――期待しています。最後に、『チェイサーゲームW』でスタートする2024年ですが、どんな1年にしていきたいですか?

菅井:この1年も周りへの感謝とご縁を大切に1つ1つのお仕事に精いっぱい、全力で頑張っていきたいです。新たな一歩を踏み出してからの年でもあるので、今までにない挑戦もしていきたくて。私生活では今年こそ運転免許を取りたいです。あとは料理。ラジオでチャレンジしたクッカーを使った料理以外にも挑戦してみたいです(笑)。

(取材・文:堀タツヤ 写真:上野留加)

 ドラマ『チェイサーゲームW パワハラ上司は私の元カノ』は1月8日スタート。
テレビ東京ほかにて毎週月曜26時35分放送。BSテレ東、BSテレ東 4Kでは、1月14日スタート 毎週日曜深夜24時35分放送。

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