アニメ『ギヴン』シリーズの続編映画2部作前編となる『映画 ギヴン 柊mix』(1月27日より全国公開)。本記事では、恋愛作品としてだけでなく、バンド作品として音楽面の評価も高い本作の魅力について迫っていく。
【写真】独占解禁カットも! バンド「syh」、『映画 ギヴン 柊mix』場面カット(2枚)
『映画 ギヴン 柊mix』は、ノイタミナ初となるBLコミックのアニメ化作品として、2019年にTVシリーズ放送、2020年に映画が公開されたアニメ『ギヴン』シリーズの続編映画2部作の前編。
本作は原作のキヅナツキも音楽描写に熱を入れた作品。演奏シーンはもちろんのこと、楽器や機材の緻密な作画や、メンバー間での会話の空気感など、説得力を持って観るものに語りかけてくる。TVアニメ・映画では実際に音が聴こえてくることもあり、音楽面はさらに充実。ライブシーンでは、照明や楽器を演奏する手の動き、ドラムを叩くテンポなど細部までリアルを追求し、バンド経験の有無にかかわらず、思わず虜になってしまうような映像に仕上がっている。TVアニメ以来『ギヴン』ではシリーズを通して繊細な作画、カメラワークで圧巻のライブシーンに挑戦し続けてきた。そんな経験値の高いスタッフが集結し、今回も臨場感あるシーンが登場する。
そして、本作ではバンド「ギヴン」「syh」がリアルデビュー。真冬を演じた矢野奨吾は、作詞・作曲・サウンドプロデュースを担当したセンチミリメンタルの指導の元、レコーディングでアーティスティックに歌うためのノウハウを学んだという。さらにボイストレーニングを重ね、ギターを習得するという徹底ぶりからも、バンドとしての本気がうかがえる。今回の映画では「syh」がどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、鹿島柊役の今井文也の歌声にも注目だ。
「ギヴン」は、高校生の真冬(ボーカル/ギター)と立夏(ギター/CV:内田雄馬)、大学院生の春樹(ベース/CV:中澤まさとも)と大学生の秋彦(ドラム/CV:江口拓也)による4人組バンド。真冬から生み出される心に訴えるような歌詞・歌唱と、メンバーそれぞれの演奏技術が光るサウンドが特徴。ボーカルの息遣いも特徴の1つで、楽曲制作を担当したセンチミリメンタルは、さまざまな感情を掻き立てる表現方法として、ブレスの使い方を重視したと語る。
「syh」は柊(ボーカル/ベース)と玄純(ドラム/CV:坂泰斗)の幼馴染2人によるロックバンド。『映画 ギヴン 柊mix』で「syh」の一時的なサポートとして参加する立夏が「柊には華がある」と目を見張るように、フロントマンとしてステージ上で輝く柊と、玄純のドラムテクニックが冴え、ポジティブな歌詞やアップテンポなサウンドが魅力を放つ。
対照的とも言える「ギヴン」と「syh」の両バンド。『映画 ギヴン』では「ギヴン」を、『映画 ギヴン 柊mix』では「syh」のライブシーンを比較しながら、堪能することができる。
『映画 ギヴン 柊mix』は、1月27日より全国公開。