2025年1月より放送される横浜流星主演の大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』(NHK総合ほか)の追加キャストとして、高橋克実中村蒼伊藤淳史ら6名の出演が新たに発表された。蔦屋重三郎(横浜)の故郷・吉原で共に生きる人々を演じる。



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 本作は、“江戸のメディア王”として時代の寵児(ちょうじ)になった蔦屋重三郎の生涯を、笑いと涙と謎に満ちた物語として描く。脚本は森下佳子。

 高橋克実が演じるのは、吉原を代表する引手茶屋の主、そして蔦重育ての“親”である駿河屋。両親に捨てられた、幼い蔦重(横浜流星)を養子にして育てあげた。蔦重の商売に対する姿勢と才覚には一目置いている。

 中村蒼は、流行りもの好きな駿河屋の息子で蔦重の“義兄”次郎兵衛に。
吉原に向かう手前の五十間道で茶屋の経営を任されてはいるが、実際の切り盛りは蔦重が行っている。蔦重は、その軒先を借り、貸本屋も営んでいる。次郎兵衛は、はやりもの好きでお洒落に敏感、自由気ままな性格で、いわゆる「放蕩息子」。

 代々“名妓”としてその名を江戸中に轟かす「瀬川」を輩出してきた老舗妓楼“松葉屋”の主を演じるのは正名僕蔵。花の井(小芝風花)ら数多くの遊女を抱え、花魁から禿まで、その数は50人以上とも。吉原の顔役で町の決め事を取り仕切る。


 山路和弘は、松葉屋とともに吉原を取りまとめる妓楼“扇屋”の主に。「墨河」という号を持ち、俳句、和歌、画などを嗜む教養人で遊女たちにも和歌や書を習わせ、花扇、滝川といった名妓を育てた。

 伊藤淳史は、新興勢力の妓楼“大文字屋”の妓楼主を演じる。伊勢から江戸へ出て最底辺の河岸見世の遊女屋の経営から始め、中見世の妓楼に店を拡大・成長させた経営手腕を持つ。経費削減のため、女郎に安いカボチャばかり食べさせたことから“カボチャ”のあだ名を持ち、“ドケチ”として江戸中に知られ、子どもたちの口ずさむ歌にもなったといわれている。忘八とは仁・義・礼・智・忠・信・考・悌といった八つの徳目を忘れ(捨てて)遊女たちをこき使い、遊客から金をむしり取る妓楼主たちのことをいう。


 蔦屋向かいの“つるべ蕎麦”の主・半次郎には六平直政。五十間道、茶屋・蔦屋の向かいにある蕎麦屋“つるべ蕎麦”の主。幼いころから蔦重(横浜流星)や次郎兵衛(中村蒼)を見守ってきた。

 大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』は、NHK総合ほかにて2025年1月から放送。

※今回発表されたキャストからのコメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■高橋克実

舞台は1700年代半ば。
華やかな江戸の町人文化が発展した時代。この時代を描いたドラマで真っ先に思い出すのが、昭和46年に放送された「天下御免」。主人公は平賀源内でした。小学生だった私は毎週興奮して見ておりました。そして、令和7年に登場する主人公は蔦屋重三郎。自分が出演するというのに、早く見たい! 今からワクワクしています!

■中村蒼

今回演じる次郎兵衛はちゃんと働かず遊びなどに熱心な息子で、吉原の問題には常にどこか蚊帳の外ではありますが、重三郎が悩みもがいている時に同じ目線で悩み、同じ目線で喜びを分かち合う、義兄だけど友のような存在だと思います。
フラフラしている次郎兵衛ですが、どこか憎めずみなさんから愛されるような人物に出来るようにしたいと思います。

■正名僕蔵

老舗妓楼の楼主、すなわち忘八をやらせていただきます。忘八……、すごい言葉ですね。とは言え、役者稼業を生業としている私にもどこか“忘八”めいたところがあるような……。不孝者は否めませんから、さっそく“孝”は欠けておりますし、年長者に従順である意の“悌”も怪しいところです。“忠”、“信”は心許なく、“仁”、“義”も疑わしい。
あっという間に忘六です……。そんな忘六者ではありますが、せめて“礼”と“智”はおざなりにせず、役を務めさせていただく所存です。よろしくお願いいたします。

■山路和弘

この時代、人物、特に絵師たち物書たち版元たち。実は私の大好物でして。十返舎一九や、この蔦重も好きでやらせて頂いた事がございます。様々な思惑が渦巻く中、生き残りを賭け江戸市中を、そして吉原を全力疾走する姿。たまりません。さて今回いただいた「扇屋」というお役。蔦重の敵やら味方やら、善人やら悪人やら(多分後者でしょうが…)まだ判りかねますが、如何相成ります事やら。乞うご期待。

■伊藤淳史

カボチャと呼ばれたドケチ。もう、魅力以外見つかりません! 吉原についての歴史をきちんと学びながら、楽しい作品をお届け出来るよう、スタッフ共演者の皆様と、力を合わせて頑張ります! 私自身、20年ぶりの大河ドラマに出演させて頂けること、大変光栄に思います。よろしくお願いいたします。カボチャ、大好きです!

■六平直政

人口100万を超える世界有数の大都市、江戸。その江戸の吉原、五十間道にあった、つるべ蕎麦の店を営む、半次郎。この主人・半次郎が私の役です。野暮を嫌い、粋を重んじる、江戸っ子には、3分で食い終る蕎麦が最も似合っていた。市井の人々に混じって蔦屋重三郎も半次郎のつるべ蕎麦を食べながら、さまざまなことを半次郎に相談していた。吉原五十間道のつるべ蕎麦の半次郎は江戸の様々な変化を日々、目の当たりにしていた。この半次郎が見ていた江戸の人々が織り成す世界も「べらぼう」の毎回の楽しみになるとよいと思います。蔦重と半次郎の2人の関係も楽しみです。