阿部サダヲ主演、宮藤官九郎脚本のドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系/毎週金曜22時)が、ついに今夜放送の第10話で最終回を迎える。意外な展開や随所に散りばめられた小ネタなど、話題に事欠かなかった本作だが、さまざまな豪華ゲストも毎回物語を盛り上げた。

そこで今回は最終回を前に、特にインパクトの強かったゲスト俳優たちを振り返ってみよう。

【写真】小泉今日子、八嶋智人、松村雄基ら豪華ゲスト俳優たちを写真で振り返り!

 前半部のハイライトといえばやはり第3話に“本人役”で出演した八嶋智人だろう。この回はゲストどころか、もはや八嶋が主役と言ってもいいくらいの大活躍だった。第2話でもチラリと姿を見せていた八嶋だが、情報番組のMCがスキャンダルを起こしたことで、急きょMCに抜てきされる。八面六臂(ろっぴ)の活躍をし、ラストには八嶋が出演する舞台の告知をするのだが、これは現実に八嶋の出演舞台であるという“仕掛け”まで用意されていた。八嶋はこの回だけでなく、その後も事あるごとに登場するほど重宝されるのだが、意外にも宮藤作品の出演は初めてだったという。


 また、第3話では「早く寝ナイト チョメチョメしちゃうぞ』のMC・ズッキーを演じたロバート・秋山竜次も強いインパクトを残した。番組オープニングで「今夜もチョメチョメガールズのスカートの中から登場!」と豪快に笑うという、いかにも昭和な番組のキャラクターである一方、実は紳士的な一面もある人物を好演していた。

 第5話では、純子(河合優実)と結婚する犬島ゆずるの青年期役として錦戸亮が登場。市郎(阿部)の元に、純子との結婚のあいさつに出向いたときに“結婚の許しを請うダンス”を見せるなど、少々ずれた感覚を持ちながらも、真剣に純子のことを思う男性を演じた。錦戸演じるゆずるのその後は古田新太が演じるのだが、市郎は2人の姿を見比べて「面影ってものがあるんだよ普通」「別人だわ」と目を丸くしていた。ただ、実際の古田は結婚する前に9人の女性と同時に交際していたそうで、「400人以上の女と夜を共にした」と明かしていたプレイボーイのゆずるとは、実は通じるところがあるようだ。


 第6話で八嶋と同じく、“本人役”で登場したのが松村雄基だ。1980年代の人気ドラマ『スクール☆ウォーズ』などで一世を風靡(ふうび)した松村。令和にタイムスリップしてきた純子は、「本物じゃん!」「イソップは一緒じゃないんですか?」と大興奮していた。視聴者からも「スクール☆ウォーズ懐かしい」などの反響が寄せられており、八嶋に続く“本人役”はやはりインパクトが大きかった。

■小泉今日子、彦摩呂…おまけに板東英二

 第7話では令和で純子が出会う男性・美容師のナオキ役として岡田将生が出演。岡田といえば、昨年映画化もされたドラマ『ゆとりですがなにか』シリーズや、昨年公開の『1秒先の彼』など宮藤作品にはゆかりがある。
この回ではオードリー・ヘプバーン主演の名作『ローマの休日』になぞらえて、純子とナオキの限られた時間での恋模様が描かれたが、ラストの“ローマ”ならぬ“牢屋”での純子とナオキのキスシーンが印象的だった。

 前半部のハイライトが第3話の八嶋なら、後半部のそれは第8話だろう。まさにゲストてんこ盛り状態だった。第1話から喫茶店「すきゃんだる」(令和では「SCANDAL」)のトイレに貼られていたポスターにその姿があった小泉今日子が、一切の予告なしにサプライズ出演したのだ。小泉は「SCANDAL」で読書していたところをムッチ先輩(磯村勇斗)に発見される。(その読んでいた本は、小泉が主演した映画『快盗ルビイ』の原作本という芸の細かさ)。
八嶋、松村に次ぐ、本人役での出演だった。小泉を発見したムッチ先輩と市郎は大騒ぎだったが、視聴者からも「キョンキョンだ!」と驚きの声が殺到していた。

 さらに第8話ではサプライズが続き、50代となったムッチ先輩として、彦摩呂がサプライズ出演。でっぷりと成長した姿に市郎は二度見&あ然としていた。またこの回では、さらに八嶋の実際の妻である女優の宮下今日子がゲスト出演。こちらは“本人役”ではなかったが、「八嶋さんの奥様じゃん!」と視聴者もびっくりだった。


 また、実際に姿を現してはいないが、名前が何度も登場しているのが板東英二である。サカエ(吉田羊)は第6話で『金曜日の妻たちへIII 恋におちて』を見て涙して以降、何度も「板東英二」の名を口にしている。最後におまけとして付け加えておこう。