東野圭吾「プラチナデータ」二宮和也・豊川悦司で映画化!! 「るろうに剣心」大友監督がメガホン
また、病気モノということで敬遠する人、スポンサー関係の諸事情で敬遠する人がいることもある。
ドラマ自体は悪くないし、愛菜ちゃんも十分上手いのだが、確かに毎回愛菜ちゃんが涙をこぼすシーンは、過剰な演出に見える。
だが、惜しまれるのは、話題が愛菜ちゃんに集中してしまうせいで、トヨエツがスルーされてしまうこと。
個人的には、このドラマのいちばんの見どころは、トヨエツの不憫さだと思うからだ。不憫の理由は、父一人子一人の家庭で、若年性アルツハイマーを患っているという設定だけじゃない。
大きな体にランニング(オシャレタンクトップとかじゃない)が、いやに似合っていること。 日焼けしている肌も、いつの間にか刻まれたシワのせいか、チャラくなく、苦労を感じさせる。
でも、何より不憫なのは、ボロい部屋できちんと正座して娘と話す姿や、食事のとき、デカい手で持つお茶碗が、ままごと道具みたいに小さく見えること!
本来大きくがっしりした体は、スーツなど着ればキマるはずだし、セクシーなのだろうに、それが不思議とイイ感じに不憫さを醸し出している。
娘にも、職場にも、若年性アルツハイマーを知られてしまってからは、むしろ周りに支えがあるという安心感も少し出たためか、大切なことを忘れてしまうたび切なそうな「大きなドジっこ」にも見えてしまう。
久しぶりに連ドラでトヨエツを観て、改めて思ったのだが、トヨエツはやっぱり上手い。
そして、年齢を重ねて、新たに「不憫可愛い」魅力を身につけつつある気がする。
ネガティブな見方も多いけど、トヨエツの新たな一面を発見できる作品です。