坂口健太郎が主演し、渡辺謙が共演する映画『盤上の向日葵』より、予告映像とポスタービジュアルが解禁。また、事件を追う刑事役として佐々木蔵之介、高杉真宙、主人公の運命の鍵を握る存在として音尾琢真、柄本明、渡辺いっけい、尾上右近、木村多江、小日向文世の出演が発表された。
【動画】若き天才は なぜ容疑者になったのか?『盤上の向日葵』予告編
本作は、2018年本屋大賞第2位となった柚月裕子の同名小説を実写化したヒューマンミステリー。
主演は坂口健太郎。アマチュアからプロ棋士へと異例の昇進を遂げた天才棋士・上条桂介に挑む。さわやかな笑顔を見せるのは一瞬、闇堕ちした瞳、雨の中で震えながらこらえた涙、憎悪をむき出しにした乱闘など、これまでのイメージを覆す渾身の演技で主人公が抱える情熱と葛藤を体現する。
共演は、日本映画界を代表する名優・渡辺謙。将棋指しとしては超一流だが人間として最低な伝説の賭け将棋の真剣師・東明重慶を演じる。
先日、過酷な運命と戦う桂介を愛し見守る元婚約者・宮田奈津子役として、土屋太鳳の出演が発表されたが、今回、桂介の波乱の人生を彩る追加キャストが明らかになった。
現場に残された希少な将棋の駒を手がかりに事件の真相を追い、桂介の過去を解き明かす刑事・石破剛志役に佐々木蔵之介。ともに行動する、かつてプロ棋士を目指していた若き巡査・佐野直也役に高杉真宙。
悲惨な少年時代の桂介に将棋を教え、その才能を見抜いた恩師・唐沢光一朗役に小日向文世、その妻・唐沢美子役を木村多江が演じる。
幼い桂介に暴力を振るい、成長後もなお過酷な仕打ちを与える父・上条庸一役には音尾琢真。東明と壮絶な一騎打ちを繰り広げる東北一の真剣師・兼埼元治役に柄本明、勝負の立会人・角舘銀次郎役を渡辺いっけいが務める。
そして、桂介の前に立ちはだかる現役最強のプロ棋士・壬生芳樹役には尾上右近。実力派キャスト陣が集結し、作品に一層の深みを加えている。
あわせて解禁された予告映像では、白骨化した死体の謎を追う刑事たちの緊迫した様子に続き、容疑者として浮上する上条桂介の姿が描かれる。彼は突如将棋界に現れた天才棋士。だが、自信に満ちたその表情からは想像もつかない壮絶な過去が明かされていく。
美しくも寒さの厳しい諏訪湖畔での極貧の日々。少年時代に将棋の才能を見出され、希望を宿したまなざしを見せていた彼だが、「この人が来るようになって、桂介さんは変わっていきました」という元婚約者の証言とともに、映像は怒りと哀しみに満ちたダークな雰囲気を帯びていく。
桂介の前に現れたのは、賭け将棋の世界で圧倒的な強さを誇る東明だった。異様な眼光でにらみ合う東明と老真剣師の姿。そして乱闘の末に響く「お前にはイカレた血が流れているんだっ」という父親の怒声。「誰かのために生きたいんだ」と願う桂介の涙は悲しみなのか、絶望なのか。
やがて、木々が生い茂る山奥という、美しくも異様な場所で将棋盤を挟む桂介と東明。
また、若き天才と、鬼の形相を浮かべる真剣師が万感の想いをぶつけ合う構図が印象的なポスタービジュアルも公開された。彼らの運命が激しく交錯するその瞬間を、見届けずにはいられない。
映画『盤上の向日葵』は、10月31日より全国公開。
※佐々木蔵之介、高杉真宙ほかのコメント全文は以下の通り。
<コメント全文>
■佐々木蔵之介/石破剛志役
宿命に絡めとられ、壮絶な勝負に挑み続ける2人の男。心の荒野を彷徨い巻き込まれながら、謎を追い求め東奔西走する、刑事 石破を演じさせて頂きました。運命に抗いながらも、「生きろ!」との叫び。ぜひ、スクリーンでご覧ください。
■高杉真宙/佐野直也役
この度、『盤上の向日葵』に佐野役で出演いたします。元奨励会の会員で挫折してしまった過去を持つ、警察官です。
■音尾琢真/上条庸一役
柚月裕子さんが書かれた作品の世界に、再び入らせていただけることに感謝です。人生は苦しいことばかりなのに、人はなぜ生まれてくるのでしょう。何か一つでも、没頭できるような実感を持つことができるなら、それを生まれてきた意味だと感じたいものです。
■渡辺いっけい/角舘銀次郎役
僕は立会人の役でしたから将棋盤に向き合う棋士役の俳優さんたちの「様々な闘いぶり」を間近で拝見することになりました。棋士が命を賭け盤に向き合うその姿を見ているとまるで俳優さんの「生きざま」を見ているような錯覚に陥り不思議な感動を味わいました。清濁併せ持つ人間の業の深さが、そのエネルギーが詰まった映画だと思います。とても楽しい現場でした。
■柄本明/兼埼元治役
熱量を感じました。久しぶりに渡辺謙さんに会いましたが、思いっきりぶつかって行きました。ありがとうございました。
■尾上右近/壬生芳樹役
画面から迸(ほとばし)る真剣師たちの熱情。それぞれの業が人間の生死までも分ち、見ている人はまさしく刺されるような感覚。圧倒されながらも釘付けになってしまいました。
私は上条桂介の「表」の将棋界のライバル壬生芳樹役。「表」とはいえそこにある真剣な思いは変わらず、たくさんの業を背負い勝負の舞台にあがっていく様は歌舞伎の世界にもヒントがあるのではと考え臨みました。とにかくすごい映画です。どうぞお楽しみにしてくださいませ。
■木村多江/唐沢美子役
悲しく苦しい運命の一筋の光になれたら、と思いながら演じさせていただきました。でも演じながらその先の運命を思うと、胸が締め付けられ、心の中で何度も、生きて! と叫ばずにはいられなかった…。熊澤監督始め、素晴らしいキャストスタッフの方々によってできたこの世界。時代の匂いや空気の重さを感じながら、生きる力に変えてほしいと思います。
■小日向文世/唐沢光一朗役
唐沢は上条桂介の少年時代に出会い彼の将棋の才能を見抜き、将棋の世界に導きます。もし出会ってなかったら少年の人生は全く違った道を歩んでいたのでは。さらに別の出会いによって彼は翻弄され、数奇な運命を辿る事になります。上条桂介にとってどの道が幸せだったのか…。
人は皆多くの出会いによって歩む道が分かれてゆきます。この作品を観ながら皆さんの人生を改めて振り返ってみてはいかがでしょう。