2022年ホラー映画No.1に輝いた『カラダ探し』の最新作『カラダ探し THE LAST NIGHT』が、9月5日に公開。前作から橋本環奈、眞栄田郷敦が続投。

さらに今作では、遊園地でバラバラになった“カラダ”をすべて探し出すまで“赤い人”に殺される夜を幾度となく迎える高校生5人を、櫻井海音、安斉星来、鈴木福、本田真凜、吉田剛明が演じる。プロフィギュアスケーター、そして芸能活動でも活躍をみせる本田が、今作で本格的に演技に挑戦。本田が刺激に満ちた初めての映画撮影を振り返り、今後の展望も明かしてくれた。

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■“役に入り込む”ことがすごく好き。お芝居に挑戦できることがうれしかった

――本作で本格的に俳優業に挑戦されましたが、お芝居へのご興味はありましたか?

本田:昔はスケート以外のことに目を向けたことがなかったんです。昨年の1月に現役を引退したんですが、そのちょっと前くらいから自分が次に何をやっていきたいか考えるようになって、お芝居にも挑戦してみたいという気持ちがありました。それと、お芝居のレッスンに通っていて、“役に入り込む”ということがすごく好きだったんです。「ワンピース・オン・アイス」というアイスショーでビビ役を演じさせていただいた時に、自分以外の何かになりきることがすごく楽しいなと感じていたので、今作でお芝居に挑戦できることがうれしかったです。

――子役時代から俳優業をされてきた妹の本田望結さんを間近でご覧になっていて、どんな影響を受けていましたか?

本田:私が物心ついた頃から望結はテレビに出ていて、オーディションに何百回と行っているのを見てきましたし、お家で望結が演じる役以外のセリフを私が担当したこともあったので、俳優さんに対するイメージや感覚は小さい頃から常に持っていました。望結のレッスンにも付いて行くこともあったので、雰囲気も感じることができました。

――今作の出演オファーを最初にどなたに伝えましたか?

本田:妹の紗来です。たまたまその時に連絡を取っていたので、紗来に伝えました。
すでにお芝居のレッスンには通っていましたが紗来には言っていなかったので、「えーっ! 『カラダ探し』って一緒に観に行った映画やんな」と驚いていましたし、「何回も観に行こうね」と言ってくれたのでうれしかったです。望結もすごく喜んでくれましたし、望結も今年ホラー映画(『きさらぎ駅 Re:』)に出ているので、「ライバルやな」って言ってもらえました(笑)。

――ホラー作品で映画初出演となりますが、本田さん自身、ホラーはお好きですか?

本田:好きです。海外の作品も含めてホラー映画の代表作は全部観たんじゃないかなっていうくらい、めちゃくちゃ好きです。

――ちなみに、人生で一番怖かったホラー映画は?

本田:『IT/イット “それ”が見えたら、終わり』(2017)です。普通のお化けよりも、ピエロが怖くて…。公開当時、アメリカでスケートの練習をしていたんですが、アメリカの家の配置や光景が想像しやすかったので、自分がいる家なんじゃないかと思ってしまうぐらい、本当に怖かったです。

■初出演の現場に緊張するも心強い味方が! 「私のお芝居は福くんをみて多くを学びました」

――初挑戦の映画撮影はいかがでしたか?

本田:楽しかったです。私と同じように映画初出演の(吉田)剛明くんが、初日に歩き方が左右同じになるぐらい緊張されていたんです。私以上に緊張されている姿を見て、少し落ち着いてできました(笑)。それと、(鈴木)福くんは望結と同じ事務所で子役をやられていたので、ずっと家族ぐるみで交流があったんです。望結が「福くんがいるなら大丈夫!」と言ってくれたし、実際に福くんには撮影中すごく支えてもらいました。
私自身、福くんには小さい頃に少しお見かけしたぐらいで、しっかりお会いするのは今回が初めて。でも、昔から知っているような感覚ですぐ打ち解けてくださったので、よかったなと思いました。

――鈴木福さんに相談したことはありますか?

本田:撮影初日の夜に、早速“赤い人”に殺される大事なシーンがあったんです。休憩中に私が1人で動きを練習していると福くんが「1回、カメラが回ってないところでやってみる?」と言ってくださって、一旦自分たちでリハーサルをしてから本番で演じたんです。そうしたリハーサルに、福くんは全部付き合ってくれました。なので、私のお芝居は全部福くんから吸収したという感じです。カメラが回っていてもいなくても、どんな時も120%でやってくださっていたので、私もそれを見習って演じていました。“全部120%”というスタンスは福くんから学びました。

――撮影で印象深かったことは?

本田:撮影が早く終わった時に、何度かみんなでご飯に行ったことです。小さい頃からずっとスケートをやってきて、今までスケート界以外で新たな友達があまりいなかったので、ほかのジャンルで活躍されている方々のお話を聞くことができて、視野が広がった気がします。キャストの皆さんは同世代が多かったので、撮影の合間もいろいろな話をしながら過ごしていましたし、基本的に夜の撮影で怖いシーンが多かったので、とにかくみんなで明るくいようという雰囲気になっていました(笑)。撮影で一番大変だったのが、福くんと私と“赤い人”がスプリンクラーで水浸しになるシーン。
その時は震えながらストーブで温まっていました。

――今作では、制服をはじめ、高校生キャストの皆さんがさまざまな衣装を着られていたのも印象的です。

本田:私が演じた木下有紗(ありさ)を含め、高校生キャストは制服のシーンが多いのですが、有紗の私服は“背伸びした一軍女子”という感じで、大きいリボンが付いているフリフリのものとか、結婚式の二次会のような服を着させていただいたんです。自分の私服はズボンが多いので、何だかソワソワしながら衣装を着ていました(笑)。普段の自分と違うからこそ、役に入り込めたかなと思います。

――演じられた有紗はどのようなキャラクターだと捉えていらっしゃいましたか?

本田:台本を何度も読んでいくなかで、集められた高校生5人はどこかコンプレックスを抱えているような印象を受けたんです。有紗もなりたい理想像はあるけど頑張って背伸びをしている印象を受けたので、そういう部分と、明るくみんなの中心にいる感じを意識して演じました。

――改めて役で女子高生を演じてみていかがでしたか?

本田:私の高校時代はスケート一色だったので、みんなともう一回、高校生活を送ることができたような感覚でした。

■自身の叫び声に驚き? 「自分ってめちゃくちゃ高い“キャー!”が出るタイプなんだなと初めて知りました(笑)」

――映像のお芝居をしてみて、アイスショーで役を演じることとの違いや似ている部分はありましたか?

本田:アイスショーは自分をベースにして役を取り入れるという感じで、目の前のお客さんに向けて伝えるところや、お芝居では声が入るということが違いだと思います。スケートの時は、衣装を着てメイクをして、曲がかかって本番が始まったら集中してジャンプの細部や表情にも気をつける…そういう意識をしていたんですけど、お芝居は役に入り込んで感じることを大事にしている気がします。ただ、たくさんのカメラに囲まれることはスケートの試合で慣れていましたし、カメラに向かってお芝居をしないということ、スケートでもすべてのプログラムの中でストーリーを考えて表現するということをやってきたので、演技もその感覚に近いのかなと感じました。

――セリフのあるお芝居はいかがでしたか?

本田:楽しかったです。
普段叫ぶことはなかなかないので、現場で初めて100%の叫び声を出した時は、自分ってめちゃくちゃ高い“キャー!”が出るタイプなんだなと初めて知りました(笑)。叫び過ぎた後の、のどのマッサージを福くんに教えてもらって実践したら次の日も大丈夫だったので、福くんには本当に助けられました。

――セリフを覚える作業はいかがでしたか?

本田:私、小さい頃にIQを高める塾に通っていたんです、出された単語を100個覚えたら手を挙げて発表する…みたいな。暗記には自信があったので、セリフを覚えることはあまり苦労しなかったです。ただ、セリフ一つ一つにどういう意味があるのかとか、時間がループする作品なので、有紗がこのシーンでは何を経験していて、していないのか、どういう状態、どんな感情でいるのかということについては、もうどこまでがセリフかわからないぐらい台本に書き込んで演じていました。

――完成をご覧になっていかがでしたか?

本田:私は試写を2回観たんですけど、ビクビクドキドキしながら観られました。

――2回、ご覧になったんですか?

本田:はい。試写を観られる機会が何回かあったんですが、「これって、何回観てもいいんですか?」という質問をしたんです(笑)。そうしたら、「いいですよ」と言っていただけたので、2回観に行きました(笑)。

――1回目と2回目で観た後の違いはありましたか?

本田:ありました。1回目は心臓の音が聞こえるぐらいドキドキしながら観ていたんです。大きなスクリーンで自分のお芝居を観るのが初めての体験だったので緊張していたんですけど、2回目は落ち着いて観られました。
「ここはこういうふうに映ってるんだ」と思ったり、高校生役5人それぞれが殺されるシーンは「みんな、こんなふうに頑張ってたんだな」と感じたり…キャストの皆さんと感想を話しながら観ることができました。

――スクリーンに映っているご自身を観て、どんな気持ちになりましたか?

本田:エンドロールで自分の名前が流れてきた時は、涙を堪えるのに必死でした。そこが一番グッときたし、うれしかったです。

――大変な撮影を乗り越えたからこそのうれしさですか?

本田:そうですね。去年の夏に約1ヵ月撮影をしていたんですけど、その前に5人で集まって台本を読み合う“本読み”の時の緊張がもう何年も前のように感じるくらい、撮影がものすごく濃かったんです。いろいろなことが初めての経験だったんですけど、すごく充実した時間を過ごせたなと思います。

■年始の目標リストが日々のモチベーションに! 今後は「アクションに挑戦したい」

――スケートや俳優業をはじめ、多忙な毎日を過ごされていらっしゃいますが、日頃、息抜きや元気の源になっていることはありますか?

本田:私、寝たらだいたいリセットされるんです。落ち込むこともあるんですけど、そういう時は一旦寝ます。起きたら「何のことだったっけ?」となれるタイプなんですよね(笑)。それと、一年の初めに50個くらい何でもいいから目標を書くということを、ここ5年くらいやっています。「朝起きたら水を飲むように心がける」とか「写真集を出したい」とか…大小さまざまな目標を書き出して、定期的にそれを見返して達成できるように心がけています。年末にチェックをつけるんですけど、チェックが多いと「この1年頑張ったな」という気持ちになれるので、モチベーションにつながっています。


――そのリストにあった写真集(※24歳の誕生日を迎える8月21日に出版された1st写真集『MARIN』)を出す夢も叶いましたが、今後挑戦してみたいことは?

本田:氷の上でも、お芝居でもやりたいことがたくさんあるので、まずはそれを叶えていきたいです。お芝居ではアクションに挑戦したいですね。自分の体を使って表現することが得意なんです。今作でも“赤い人”から走って逃げるシーンの時は、「本業、来た!」と思ってうれしくて、張り切ってやりました(笑)。かっこいいアクションや、スナイパーとか銃を持つ役をやってみたいです。

――今作を楽しみにされている方がたくさんいると思います。改めて、本田さんが思う今作の魅力は?

本田:前作も大好きな作品で妹と映画館でビビりながら観ていたんですけど、今作ではさらに面白要素や青春要素がプラスされた感じがします。特に自分と福くんの関係性は、緊張感を感じながらも観ていて笑ってしまうくらい面白かったです。怖いけれど、“笑いながら観られるホラー”になっていると思います。

(取材・文:齊藤恵 写真:松林満美)

 映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』は、9月5日公開。

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