映画『アフター・ザ・クエイク』より、佐藤浩市演じる片桐と、のんが声を演じるかえるくんの出会いを映した本編映像が解禁された。
【動画】ゴミ捨て場からかえるくん登場! マジックリアリズムの世界を映し出す『アフター・ザ・クエイク』本編映像
本作は、2000年に刊行された村上春樹の短編連作『神の子どもたちはみな踊る』に収録されている4編をベースに一部時代設定を変更、1995年から2025年の30年にわたる物語として実写化したNHKドラマ『地震のあとで』(4月放送)の映画版。
解禁された本編映像は、佐藤浩市演じる片桐と、のんが声を務める“かえるくん”が30年ぶりに再会を果たす場面。
舞台は歌舞伎町の裏路地。早朝、ごみを拾う片桐の姿。うさぎのぬいぐるみを拾おうとしたその瞬間、網に覆われたゴミの山から「ははははは」と不気味な笑い声が響き、緑の細い手がゆらりと現れる。ゆっくりと立ち上がったのは、かつて片桐と共に東京を救ったという“かえるくん”だった。
驚きのけぞる片桐を前に、かえるくんは「またこうして再会できて嬉しいです」「もしかして僕のこと覚えていないんですか」と穏やかに語りかける。
片桐は驚きながらも言葉を探し、かつての記憶に結びつかない困惑を全身で表現。片桐の動揺と戸惑いを一挙手一投足ににじませる。
「どちらさまでしたっけ」と片桐が聞くと、かえるくんは片桐に一歩近づき、「かえるくんですよ。昔あなたと一緒に東京を救った、あのかえるくんです」と伝える。その声は異質さをまといながらも、思わず心を引き寄せる温かみがあり、のんが吹き込む声の柔らかさが、幻想と現実の境界を曖昧にしていく。
そしてかえるくんは声のトーンを変え、「僕が片桐さんの前に現れるのは、極めて深刻な事態になった時だけです」と告げる。30年前、東京を救った“約束”を思い起こさせるその言葉に、片桐は再び向き合わざるを得なくなる―。
佐藤浩市が紡ぐ人間味あふれるリアリズムと、のんが吹き込む不思議な温かみを帯びた声。その鮮烈なコントラストが、映画『アフター・ザ・クエイク』の幻想と現実が交錯する独自の世界を際立たせている。
映画『アフター・ザ・クエイク』は、10月3日より全国公開。