ABEMAオリジナル連続ドラマ『スキャンダルイブ』で、柴咲コウ川口春奈の初共演が実現。芸能界や報道の裏側を描き、刺激的かつ「こういうことが本当にあるのか…?」と思わせるリアリティのあるサスペンスドラマで、芸能事務所社長と彼女を追い詰める芸能週刊誌記者として、激しい攻防を繰り広げている。

バチバチの関係性として対峙しつつ、お互いの存在に「心強さを感じた」という2人。芸能人として生きる過酷さや、一方で味わう幸福など息ぴったりに語り合った。

【写真】激突する役柄を演じるもインタビュー中は和やかな雰囲気! 柴咲コウ&川口春奈撮りおろしショット

◆柴咲コウと川口春奈が激突!「腹が立ちました」

――本作で5年ぶりにドラマ主演を務めた柴咲さんは、大手芸能事務所から独立して新たな事務所を設立した社長、井岡咲を演じています。柴咲さんご自身、起業家・経営者としても活躍の幅を広げていますが、所属俳優を守るために奔走する咲に共感する点はありますか?

柴咲:脚本を読みながら、“咲”という名前を含めて当て書きをされているのかなと感じる部分もあって。もちろん、共感する部分がないとその役を演じきれないもので共通点はあると思います。咲は縁の下の力持ちのように、それまで培ってきた空間や、大好きな人たちを守るためには思い切り力を振り絞れるような人。そういうところは、私と似ているかもしれません。

――川口さんは、咲にスキャンダル記事を突き付ける芸能週刊誌記者、平田奏を演じています。いつもは取材される側である川口さんにとって、奏にどのような印象を持ちましたか。

川口:物語が進むにつれて奏の過去も描かれることになりますが、そこで彼女が報じる理由や、真実を世の中に伝えることに執着している意味が明らかになる部分もあって。「曲がったことや、ウソは嫌だ」という真っすぐさを持っていて、とても熱い人だなと感じています。やるべきことに注力をする奏は、正義感の強い人だと思いました。


――スキャンダルを押さえた奏が咲を突撃したり、咲がそんな奏を敵視するなど、2人がやり合う場面にはゾクゾクとさせられました。バチバチの関係を演じた感想を教えてください。

柴咲:お芝居ですけれど、川口さん演じる奏に腹が立ちました(笑)。

川口:あはは!

柴咲:咲からすると、奏は謎の人物。記者としてずっと何かを企んでいるし、こちらが何か言ったら揚げ足を取られるだろうという緊張感がありました。

川口:記者である奏にとって、咲を取り巻くスキャンダルは格好のネタです。つまり奏は彼女を追い詰めることによって、自分の手柄にするというところから、2人の関係性は始まっていて。「こういう写真があります」とスッと提示するところなど、咲に対してどれだけイラつかせるテンションと表情をできるかと意識しながら演じていましたが、そのシーンの張り詰めた緊迫感を含め、演じていてもとても楽しかったです(笑)。

◆「柴咲さんは、お兄ちゃんのよう」

――目力や声色、表情、オーラなど、お互いにそれぞれが放つ迫力を浴びることになりました。

柴咲:リアルの世界でも記者の人が恐ろしいのは、淡々としているからなんだと思うんです。おそらく何か握っているものがあるのに、すぐにすべてを曝け出すことはせず、小出しにしたり。抑揚のないトーンで「これは事実ですか?」「これはどうですか?」と質問攻めにされて、それに答えてしまった時点で、咲は相手の策に引っかかってしまったようなもの。
奏の淡々とした佇まいから、恐怖感を覚えました。

川口:そういう態度で来られると、やっぱり腹が立ちますよね。感情的になったり、話し方に抑揚を付けたりするよりも、淡々としていて、少しマウントを取っているような余裕があると、不気味だし、腹が立つのかなと。奏は、咲に嫌な言葉を投げかけたり、提示したりする側なので、前半は特に嫌悪感や敵意を剥き出しにしたお芝居が続くんですが、そんな中、柴咲さんの目力はとても印象的です。また自分のチームと過ごしている時の咲は、表情からも愛情がにじみ出てくるよう。一方、記者と対峙する時は鎧を着ているような表情に変わる。そのギャップが、とてもリアルだなと感じていました。

――咲、奏、どちらも味方であったらとても心強い存在です。今回初共演を果たしたお二人ですが、役者さんとしてお互いに心強さを感じた瞬間はありますか?

柴咲:こういったインタビューの場においてもそうですが、川口さんはきちんと言語化ができて、何事も適当に終わらせないという、しっかりとした軸のある方。それでいて臨機応変さもあって頼りになるので、いろいろと甘えちゃったなと。ドライなように見えて甘えん坊な一面もあって、これは好きになっちゃうな!と思いました。

川口:私は末っ子なので、柴咲さんはどこかお姉ちゃんのようだと感じているところがあって。
オンもオフも変わらないし、柴咲さんがナチュラルにそこにいてくれるだけで、とても心強いんです。お芝居においてもたくさん引き出してくれたり、引っ張っていってくださいました。強さの中にブレない芯があって、カッコよくて…。お兄ちゃんのような人かもしれない。

柴咲:あはは!自分としても、そっちの方がしっくり来るかも!

◆芸能人としての孤独と喜び…飛び交う情報とどう付き合う?

――本作を観ていると、芸能人はいろいろな人の思いや責任を背負いながら、表に立つ存在であることがわかります。お二人は、芸能界に生きる大変さを感じることはありますか?

柴咲:いくら周りの人が寄り添ってくれたとしても、孤独がつきまとう仕事だとは思います。私は孤独が好きなのでやってこられましたが、そうではない性格の人にはキツイ世界かもしれません。華やかに見えるし、ハイリターンな部分もあるけれど、作品ごとに必ず「結果をうまく出さなければいけない」「心に残るものが作れるだろうか」「期待に応えられるだろうか」というプレッシャーが襲いかかります。最終的に一人でそこに立ち向かってパフォーマンスを出し切らなければいけないということは、孤独であり、苦痛であり、そして一方で幸せなことでもあります。

――それが、喜びになることもあるということでしょうか。

柴咲:はい、喜びに感じることもたくさんあります。思い描いていたようなお芝居ができた瞬間は快感があるし、大量の幸せホルモンが出てくる。
そして本作で、この世界にまったく縁のない方々にも「こういう世界があるんだよ」と伝えられるきっかけ作りができたように、フィクションを作ることを通して、自分の仕事が意味のあるものだなと感じられると、本当にやっていてよかったなと思います。

川口:おっしゃる通り、どちらの側面もありますよね。大変さや生きづらさを感じることもありますが、一方でたくさんの出会いを叶えられることもあったりと、このお仕事でなければできなかったと思うようなすばらしいこともあって。つきまとうプレッシャーなどは、この仕事の宿命かなと感じる部分もありつつ、やはり孤独だなと思うこともあります。

――劇中、咲の所属事務所の俳優は、何が真実で、何が嘘かわからないまま、あらゆるプライベートが世間に晒されていきます。普段ネットニュースやSNSを見ていても、切り取られた情報だけが一人歩きしていく怖さを感じることがありますが、真実ではない情報の中心になってしまった場合、どのように対処しますか。

柴咲:やはり、それに押しつぶされたら終わりなので。この仕事をする上では、反骨精神や負けず嫌いな精神がプラスに働いていると思います。どこかでヤンキー気質を、持っていた方が楽かなと思います(笑)。ラブタイプ16診断をやってみたら、私はツンデレヤンキーでした(笑)!

川口:あはは!診断してみようかな!そこに対しての向き合い方で、心の疲弊の仕方はかなり変わってくるものですよね。私は「気にしない」と言ったら嘘になりますが、どこか楽観的というか、受け流す術も知ってきたというか。本当に許せないと思う時には、その気持ちを発信することでさらに火を大きくしてしまって、「言わなければよかったかな」と思ったり…。
その繰り返しで、今でも何が正解かはわからないですが、自分の感情ともうまく付き合っていけたらいいなと思っています。

――“独立”というステージの変化も、演じた役柄と重なる柴咲さん。独立をしてから、幸福度に変化はありましたか?

柴咲:孤独がつきまとう仕事というお話をしましたが、そんな中、守るものができつつあることで幸福度は高まったと思います。これまでの自分がどれほど周りの人を頼り、守られていたのかにも気づくことができました。今はやることすべてが自分に跳ね返って来るので、文句があったとしたら、「社長!あ、私だ」となる(笑)。不満があるとしたらそのために何をすべきか、こうやって体制を変えていった方がいいのかなと考えていくことも楽しく、自分には向いているのかなと思っています。

――川口さんは、今年30代に突入しました。30代をどのように歩んでいきたいと感じていますか?

川口:自分の中では何も変わらないつもりではいるんですが、周りからどう見られているのか、どう思われているのかということが、年々気にならなくなってきているなと思います。仕事やプライベートにおいても、自分が好きな人、信じられる人と過ごしていけたらいいなと。そこで繋がった縁を大切にしながら、人との出会いを重ねていければいいなと思っています。

(取材・文:成田おり枝 写真:米玉利朋子[G.P. FLAG inc])

 ドラマ『スキャンダルイブ』は、ABEMAにて無料配信中。

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