俳優の中村雅俊が15日、都内で開催された『五十年目の俺たちの旅』原作本出版記念トークショーイベントに、脚本家の鎌田敏夫氏と共に出席。本作の展開に映画『国宝』に似た部分があることを明かした。



【写真】原作者・鎌田敏夫とトークショーに登場した中村雅俊

 映画『五十年目の俺たちの旅』は、中村演じるカースケ(津村浩介)、秋野太作演じるグズ六(熊沢伸六)、田中健演じるオメダ(中谷隆夫)の青春群像劇を描いたドラマ『俺たちの旅』(日本テレビ系)が今年で放送開始50年を迎えるにあたり、彼らの「今」を描く最新作。本イベントは、その原作本となる「噴水 五十年目の俺たちの旅」の出版を記念して開催された。

 『五十年目の俺たちの旅』で主演と映画初監督を務める中村は「50年前に、撮影現場に行くのが楽しくてしょうがなくて、撮影自体も本当に楽しいままで1年間終わっていた作品だったんですけど、まさかその作品が後々、青春ドラマの金字塔という言い方をされることになるとは」とコメント。続けて「『俺たちの旅』を愛してくれる人が多いんだというのはすごく実感しました。50年後にまさか映画が完成するとは思いませんでした。まして俺が監督するなんて、本当に驚きの一言です」と語った。

 また鎌田氏は「こういうメディアのあれに一切出てないんですけども、これだけはもう断るわけにいかないんで、しょうがなくて2人でやることになりました」と報道陣を前にした貴重な登壇の機会であることを吐露。中村も「(鎌田氏とは)付き合いも50年以上経つんですけど、初めてです。最初驚いて、『ほんまかいな』と思ったんですけど、実際にこうやって今日お会いしたんで、『本当だ』という風にびっくりです」と鎌田氏とそろっての登壇の驚きを口にした。

 初の映画監督に関しては中村が「反省もある」「一言で言うと、結構大変だった」と述懐。「どうしても自分の芝居に対してはちょっと甘い。『はいオッケー!』って言ってしまう」と振り返ると、「撮影が終わって、編集という段階になって、出来上がった映像をくっつける作業をするんですけど、その時に『もうちょっとだな』みたいなところが1つ、2つあった」と打ち明けた。


 そして「冷静に、客観的にもうちょっと見なきゃいけなかったのかなというのはちょっとあります」と反省。「それが監督をやって出演もしたからだ、という風には言いたくないんですけど、そういうのもあって、ちょっと難しかった」と続けた。

 さらに、本作の脚本について中村が「手法が『国宝』にも似ています」と伝える場面も。その理由を「言える範囲で言うと、『あれ? 歌舞伎の映画ですよね?』。始まってみるとヤクザの抗争みたい」と観客の心情を代弁して表現しつつ、「あくまでも鎌田さんの方が先ですからね」と鎌田氏の脚本と映画『国宝』の似ている部分を明かしていた。

 小説「噴水 五十年目の俺たちの旅」は、角川春樹事務所より発売中。

 映画『五十年目の俺たちの旅』は、2026年1月9日全国公開。

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