2012年、生誕30周年を迎えたアダルトビデオ=AV。ピンク映画から派生し、低予算のビデオ撮りという形でひっそりと生まれたAVは、桜樹ルイ、飯島愛、及川奈央、森下くるみなどのスター女優を生みながら、現在ではメーカー数100社以上、月間販売タイトル推定4,500本、業界年間売上約550億円の巨大市場へと成長を遂げた。
近年、原紗央莉、蒼井そらといった有名女優が世界各国で爆発的な人気を誇り、中国・香港などで映画デビューを果たしている。いまや日本のAVは、全世界の男性をトリコにしていると言っても過言ではないのだ。

<フォトギャラリー>「セックスの向こう側~AV男優という生き方」場面写真

 そんなAVを影で支えてきたのが“AV男優”である。現在、推定1万人とも言われる現役AV女優に対し、男優は約70人。彼らが仕事で“からんだ”女優の数は、1人あたり数千人にも達するという。本作「セックスの向こう側~AV男優という生き方」は、これまでほとんど語られることのなかったAV男優たちの女性観、SEX観、仕事観に迫ったドキュメンタリー映画である。

 そんな本作には、豪華なAV男優陣が登場している。

 成人男性でその名を知らぬ者はいない伝説の“ゴールドフィンガー”加藤鷹をはじめ、いまや実業家としても活躍する“ナンパの帝王”島袋浩、ピンク映画で活躍した野上正義を父に持つトニー大木、元祖キモメン男優の吉村卓、細マッチョ系男優の代表格・黒田将稔、独自の性哲学を持つことでも知られるイケメン男優のしみけん、元祖癒し系AV男優・日比野達郎、緊縛と殺陣が特技の速水健二、ノンジャンルで活躍するカルト男優・山本竜二、漫画家デビューもしている平口広美、M調教が得意な栗原良、新人女優の扱いに定評がある平本一穂、業界屈指のワイン通でムード系男優の田淵正浩、パワー系のカラミが得意なミートボール吉野、性的好奇心が旺盛で愛猫家としても有名な森山龍二、コスプレAVへの出演が多く世界各国のオタクから注目されている鳴沢賢一、タフさが評判のイケメン男優・阿川陽志、大学時代の挫折をきっかけにAV愛好者から男優へ転身した森林原人、テレビ制作会社を退職後、AVメーカー主催のイベントに参加したことから業界入りした沢井亮、サラリーマン生活との兼業を経て男優専業となった平井シンジ、といった個性豊かな総勢20名のAV男優が出演。

 性病やテクニックなどの気になるエピソードから、それぞれが抱える仕事のへの思いや葛藤までもが赤裸々に語られる。

 監督はAV歴20年超、2,000タイトル以上の制作キャリアを持つ業界人・えのき雄次郎と、映画・Vシネ・舞台などマルチに活躍するベテラン監督・髙原秀和。業界を知り尽くした二人がタッグを組み、男性なら一度は憧れるAV男優という職業と、そこに生きる男たちの知られざる本音と素顔に迫っている。女優を支える影の存在“AV男優”-彼らが見ている世界とは…。


 「セックスの向こう側~AV男優という生き方」は、2013年2月23日(土)より渋谷アップリンクにてレイトショー 以降、全国主要都市にて順次公開予定
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