【関連】壮一帆&愛加あゆ『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-の囲み取材および公開稽古の様子
原作は言わずと知れた池田理代子の同名コミック。1974年に宝塚で初演され大ヒットして以降、宝塚の代名詞ともいえる作品へと成長してきた。来年の宝塚歌劇団100周年に向け、今年はすでに月組で-オスカルとアンドレ編-が上演され、観客動員記録を塗り替えている。-フェルゼン編-ではスウェーデン貴族フェルゼン(壮一帆)とフランス王妃マリー・アントワネット(愛加あゆ)、さらに早霧せいな(さぎりせいな)扮する男装の麗人オスカルと、未涼亜希(みすずあき)演じる幼なじみのアンドレの悲恋が描かれる。
剣道初段の腕を持つ壮の魅力を際立たせるため、今回、国境警備隊のシーンなどが加えられている。これに壮自身は次のように感謝の意を述べた。「植田先生にこの場面を作っていただいたことで、私なりのフェルゼン像がより明確に出来上がり嬉しく思っています。従来のフェルゼンよりもかなりアクティブになっていると思いますが、製作発表の場でもお話しした通り、私の考えるフェルゼンというのは、貴族としての立ち居振る舞いは基本に当然ありつつ、王妃への愛というとても強い情熱を持った男性だということです。国境警備隊の場面によって、キャラクターがより明確になり、また牢獄のエピソードへの繋がりもとても自然になった気がしており、有り難いことだと感じています」。
愛加も本公演の見どころをコメント。「『ベルサイユのばら』のプロローグというのは、宝塚ならではの華やかな世界観があります。その空気を、舞台が始まった瞬間からみなさまに味わってもらいたいですね。
またトップスターといえば、大階段でのフィナーレでのあの大きな羽が印象的。だが『ベルばら』のフィナーレには羽がないため、今回の舞台も、新トップお披露目ながら、壮は羽を付けていない。これについて問われた壮は、気合の入った言葉を残した。
「観に来てくださった上級生の方が、大階段で最後にみんなに迎えられたとき、“『ベルばら』のセット全てが羽に見えたよ”とおっしゃってくださったんです。その時、なるほどと感銘しまして。ですから私も『ベルばら』の素晴らしく煌びやかなセット全体を、大きな羽のようにこの身に背負っているんだという気持ちで、立つようになりました。そうした気持ちまで、お客様に伝えられたらと思っています」。
宝塚歌劇団雪組公演『ベルサイユのばら』-フェルゼン編-は東京宝塚劇場にて6月14日(金)から7月21日(日)まで公演。