リュック・ベッソン製作、初主演作『トランスポーター』(03)でブレイクし、アクション・スターとしての地位を確立したジェイソン・ステイサム。ジェイソンはアクションを自分でこなす俳優の一人だが、自分でアクションをこなすからこそ、ハリウッドでスタントマンらの活躍が正当に評価されていないと考えているようだ。


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 アカデミー賞の部門にはスタント関係者の功績や作品を称える部門がない。かねてより「スタント」部門の設立を嘆願する運動が行われているが実現に至っていない点について、ジェイソンは米「Vanity Fair」誌オンライン版のインタビューでこう語っている。

 「見過ごされている部門だ。アクション映画の醍醐味であるアクションでスタント・コーディネーターが背負っている責任の大きさを考えてほしい。スタントマンは影の英雄。称賛されずじまいのヒーローたちだ。彼らは信頼できる存在なのに、誰もそう評価していない。彼らは命懸けでやっている。うぬぼれた俳優があたかも自分が(スタントを)やったかのようにしているのとは訳が違うんだ」。

 「まったく不公平だ。身を粉にしているのは彼らなのに、グリーンスクリーン(ブルーバック)の前に立って、自分がスタントを行っているかのように演技している俳優がいる。俺にしてみれば、そんなのは茶番だよ。
スタント・コーディーネーターたちを個人的に知っているから、(そんな状況が)なおさら腹立たしい。彼らといつも訓練しているが、本当に才能のある人たちばかりなんだ」と続けている。
 
 『ワイルド・スピード』シリーズなどに携わっている、一流スタント・コーディネーターのジャック・ギルは1991年以来、アカデミー賞でのスタント部門設立に向けて活動しているが、アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーより昨年も提案を却下されている。ジャックは今年初めの英BBC Newsのインタビューで「諦めない」と話しており、ジェイソンはジャックを後押しする形になったが、近い将来、アカデミー賞に「スタント」部門が設立される日が来るだろうか。
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