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『TIGER & BUNNY』は、2011年に放送されたTVアニメシリーズ。スポンサーロゴを背負って街の平和を守る異色のヒーローを人間味豊かに描き、瞬く間に大ヒット。2012年9月には劇場版第1弾『劇場版 TIGER & BUNNY ‐The Beginning‐』が公開された。 『The Beginning』が、TVシリーズの1、2話を基に新規エピソードを加えたものであった一方、『The Rising』は、TVシリーズ後の完全新作としていよいよヒーローたちの“その後”が明らかになる。「僕自身も一ファンとして、"その後"が気になっていたんです」と森田。アフレコに挑んでみて、「また新たに始まったなという印象をすごく受けました。色合い的にもこれまで以上にカラフルだし、ガラッと変わったものになる」と、彼自身も完全新作にワクワクとしている様子だ。
本シリーズ最大の魅力は、各ヒーローそれぞれが葛藤し、オンリーワンの輝きを放っていることだ。「『The Rising』では、各キャラクターの受け答えから、それぞれが成長したり、変わってきているのを感じとれると思います」と森田。演じるバーナビーも、もちろん大きな変化を遂げている。
「成長の度合いを演じるのが、難しかった」と振り返る。TVシリーズだけを考えても、バーナビーはクールな外見に、心の揺れ動きを秘めた難しい役どころだ。森田は「色々な役を演じさせてもらいましたが、バーナビーは一番困った」と笑う。「バーナビーほど苦労した役はないですね。TVシリーズの最初の頃は、とにかく嫌なヤツで。TVシリーズだけでも、バーナビーには基本の人格が4つあるんですよ」と、バーナビーの多面性を告白。
「虎徹さんに対する態度、他のヒーローに対する態度、オーディエンスに対する態度、そして自分ひとりでいる時の態度。この4つを使い分けなければいけないわけで。虎徹さんと触れ合うことだったり、物語が進むなかで、だんだんとこれがミックスしていく。1つめの人格と2つめを混ぜ合わせるとか、それぞれを何%ずつとか、とにかく細かく、役を積み上げていきました。『TIGER & BUNNY』は、本当に繊細な作業を強いられた現場です。神経が磨り減る思いでした」。 『The Rising』では、キャラクターの内面の変化だけでなく、ストーリー展開にも大きな局面が見てとれる。その最たるものが、ワイルドタイガーこと鏑木・T・虎徹とバーナビーのコンビ解消だ。しかし「僕は、2人のコンビ解消には、まったく驚かなかった」と打ち明ける。「あくまで、役者を20年近くやってきた者としての脚本の読み方としてですが、これからの『TIGER & BUNNY』を作るためには、必要なファクターだったと思う」。
さらにファンを驚かせたのが、新たなバーナビーの相棒となるキャラクター、ゴールデンライアンの存在。森田は「見た目も行動もオラオラ系。
大きな局面を迎えて感じるのは、“今後”への期待感だ。「これからが、すごく楽しみ。バーナビーの虎徹さんへの気持ちも、今すごくフラットなものになっている気がするんです。『TIGER & BUNNY』が今後どうなるのか、僕はまったく聞かされていませんが、これからどうなるのかがすごく気になります。そう、『これから』という気がしているんです」。
言葉の一つひとつから、演じるキャラクターへの愛情、そしてプロとしての誇りがあふれ出す。最後に、森田にとっての憧れのヒーローを聞いてみた。「アニメキャラクターなら、『あしたのジョー』の矢吹丈。
『劇場版 TIGER & BUNNY ‐The Rising‐』は2月8日より全国公開。