NHK教育番組『天才てれびくんMAX』に“てれび戦士”として出演し、カリスマ小学生としてブレイクした“てんちむ”。20歳となった現在は橋本甜歌として、人気コミックを実写化した初主演映画『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。
』でフルヌードを披露し、大人への扉を開いた。

【関連】橋本甜歌インタビューフォトギャラリー

 同作は、累計75万部超の超人気コミックを原作に、エッチな幽霊に体を乗っ取られた美月(橋本)と義理の兄・夕哉(小林ユウキチ)が巻き起こす騒動をコミカルかつセクシーに描くR‐15ムービー。本作で初脱ぎを果たした橋本だが「フルヌードの不安よりも、私で本当にいいの? という不安の方が大きかった。私が演じることで原作ファンをがっかりさせてしまうことの方が嫌だったから」と原作ファンへの気遣いを見せる。しかし指名あっての主演。「いただいた仕事ならば全力でやらなければと思った。迷っていたり、恥ずかしがっていたら始まらない。やるしかない」という並々ならぬ意気込みで引き受け、セクシー場面にも果敢に取り組んだ。

 与えられた職務を全うしようとするその姿は、まさに律儀。しかしその一方でテレビ番組での「昨年は5日くらいしか働いていない」という発言には大きな落差を感じる。そもそもカリスマ小学生からギャルになり、自伝本やプロデュース商品の大ヒットを経て現在の清楚系に至ったという経歴の異色さも目を引く。

 橋本は「小さいころから可愛いと思う対象がギャルでした。
漫画『GALS!』も大好きで、髪を染めたりするのに憧れがあった」とルーツを明かす。2008年には「束縛が嫌いで自由に生きていく方が楽しいと思って」当時所属していた事務所を辞めるが「いざギャルになってみると、派手な格好をしているだけで不良のように思われた。どうやればギャルをプラスにできるのか考えて、ギャルモデルとして仕事をすることにしたんです」と、趣味嗜好をビジネスに転嫁。現在の事務所にスカウトされると共にギャルブロガーとしても人気を博す。自伝本およびプロデュース商品が売れに売れる。 ところが急に、ナチュラル志向になる。「寝るのが好きで、ギャルだと化粧に時間がかかる。その時間を睡眠に当てたかった。つけまつ毛も取るときに本物のまつ毛が取れたりして痛い思いをしていたので、楽な方がいいと思うようになった。そこから今のナチュラル志向に進んでいった」と予想外のきっかけを口にする。本作の主演を機会に“てんちむ”から橋本甜歌と名乗るようになるが「きちんとした改名じゃなくて、女優業は橋本で、バラエティーは“てんちむ”で。やはり“てんちむ”とか名乗るのも年齢重ねたらおかしな話なので、将来のことを見据えてですかね」と気軽な気持ち。


 脱ぐ仕事に対して、ネガティブな印象を持つ人が多い。しかし橋本は「一度この世界を辞めたのも自分の意思。だから芸能界にしがみつこうという意識はなくて、今回は指名をしていただいたわけですから、せっかくいただいたものを逃したらもったいない」とあくまでもライトに語る。完成作には「自分が思っていたハードルをはるかに超えていて感動しました。クオリティも高いし、やってよかった」と嬉しそうだが「濡れ場のシーンは恥ずかしくて直視できなかった。でもあと20年くらい経てば落ち着いて見られると思う。今すぐには受け止めきれない」と乙女心を覗かせる。

 その20年後、橋本は何をしているのだろうか。「ビジョンは全然ないです。ただ普通の人が経験できないことをやっていきたい。自分に制限をかけたくないし、マルチに活躍できれば」と目を輝かせる。「私の場合は、子役時代があって、ギャル時代があって、今やっと普通になったと思う。
だから外見はこのままでしょうね」と笑う。

 ちなみに昨年は「実際にはこの映画の撮影で2週間くらい働いたけど、感覚的には5日くらいしか働いていない感じ。それ以外の日はひたすらヨガに行っていました」とのことだが「貯金があるので困らなかったけれど、暇すぎるのもよくないと思いました。そろそろ仕事がしたいですね。改めて労働の素晴らしさを感じますし、働いている日がいかに有意義かわかった。今は働くのが一番楽しい」と心境の変化を実感している。

 映画『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』は5月17日より全国公開。
編集部おすすめ