世界を股にかけて活躍する孤高のイリュージョニスト・プリンセス天功。情報ツールが発達した現代にあっても、彼女のその素顔は謎のベールに包まれたままで、「終身契約には100項目にわたるルールがある」「全身の血を入れ替えた」「自宅で虎を飼っている」「ジャン=クロード・ヴァン・ダムと熱愛」などの真偽不明な情報がネット上を飛び交っている。


【関連】謎に包まれたプリンセス天功<インタビュー写真拡大>

 そんな“生ける都市伝説”プリンセス天功がこの度、30ヵ国以上で500万人以上を動員した、世界的な道化師の巨匠であるスラバ・ポルニンが創作・演出するショー『SLAVA’S SNOWSHOW スラバのスノーショー』の初の本格長期日本公演のオフィシャルサポーターに任命されたという。

 話を聞くならばこのタイミングしかあるまい。早速直撃してみると、その「衣装」…もとい「私服」も含めて、まるで蜃気楼のような雰囲気をまとうご本人の口から、次々と驚愕の事実がイリュージョンのように飛び出した。

 「一番多い時は1年間で1時間のステージを500ステージこなしたこともありますよ。朝起きてから眠るまでずっとステージ。これが私の中の最高記録」とケロッと明かしつつ「もう慣れっこなんです。一度足をくじいて骨を見てもらったら、お医者さんから“野球選手と同じ骨の太さ”と驚かれました。アスリートですね、ほとんど」と嬉しそう。

 さらに「休みたいと思ったときは、大怪我をしたときですね。遊覧船大爆発からの脱出を失敗して、全身の血を入れ替えるほどの大怪我をしました。鼓膜も3回くらい破れて、障子みたいに何度も張り替えています」とごく当たり前のトーンで教えてくれた。 突っ込みどころが一気に襲ってきたが、そこまでして何故続けるのか?に焦点を絞ろう。
「アメリカの会社と終身契約のサインをしていますから、自分がサインした以上はプロに徹しないと。ヘアスタイルや体型、生活態度に関するルールも100項目くらいあって、生きている人間でのこの契約はアメリカでも稀。仕事人間が地球に一人くらいいてもいいかなと思って」とその理由を説明する。

 契約の怖さを思い知ったのも、続ける理由の一つかもしれない。「髪の毛を金色に染めて日本のテレビに出てしまったことがあって、そうしたら契約違反として何億ドルにも及ぶ訴訟を起こされそうになりました。そこで改めて契約社会は怖いと実感したし、その時のトラウマが強烈で、休もうとは思わなくなりました」と窮地を振り返る。

 なお契約ルールに「1日だけ休んでよい」という文言が加わったら「日本のデパ地下に行きたい。すべてのお店の試食を片っ端から食べてみたいわ」と庶民生活に憧れを抱いている。

 プリンセス天功の偉大なところは、契約の恐怖を語りつつも、それ以上にプロ意識を自らに課している点だ。「私の中に“妥協”という言葉はありません。だって1つ1つのステージを全力でやらないと後悔が残るから」とその眼差しは真剣そのもの。

 そんな多忙な日々でモチベーションを保つ秘訣は「アメリカで飼っているホワイトタイガーとマウンテンライオンの笑顔です。
喜んでじゃれ合っている姿を見ると、疲れが吹き飛んで頑張ろうと思える」と身近な動物ではなく猛獣であるところがミソだ。 全世界各地にいるというイケメンボーイフレンドたちも、モチベーションを支える存在かもしれない。「先日は移動の飛行機内で、海外の有名モデルに19時間も口説かれて“またかぁ~”って感じだった」と“年中モテキ”に嬉しい悲鳴。

 一時期、アクションスターのジャン=クロード・ヴァン・ダムとの熱愛が騒がれたこともあったが「彼はたくさんいるボーイフレンドの中でも下の方。今も仲がいいですが、あの熱愛騒動は彼の新作映画の宣伝として利用されただけ」と余裕の表情。

 そして、自身のモテキについて「日本人女性には奥ゆかしいイメージがあるけれど、私みたいにぴょんぴょん飛び跳ねて、相手のジョークに気軽に応じる明るい性格がモテる秘訣かしら?」と自己分析する。またモーションを掛けてきた男性の中で一番の有名人は、アメリカのエンタメ史にその名を刻む大物中の大物、フランク・シナトラとのことだ。

 実像に迫れば迫るほど、その謎は深まるばかり。それこそがプリンセス天功の魅力であり、孤高のイリュージョニストたるゆえんなのかも知れない。

 そんな彼女が涙したという『スラバのスノーショー』については「今まで見たことのないような世界があって、言葉がないにもかかわらず泣けるし、笑える。一言で表すなら100倍面白いビートたけしさん。会場すべてがエンターテインメントに変わる。
まさにエンターテイナーの憧れ」と猛プッシュしている。

 『スラバのスノーショー』東京公演はシアター1010にて上演中。大阪公演は8月20日より24日まで、シアターBRAVA!にて上演。詳細は公式サイトまで。
編集部おすすめ