栗山千明が不倫に溺れる人妻を熱演し、話題となっているテレビ朝日のドラマ『不機嫌な果実』。稲垣吾郎演じる、夫・航一のマザコンぶりや、橋本マナミの生々しさなど、話題性たっぷりの本作だが、中でも高梨臨が初めてと言える“悪女”を演じ、注目されている。


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 現在27歳の高梨は、2009年に放送された『侍戦隊シンケンジャー』のシンケンピンクでブレイクした、清純派のイメージが強い女だ。2014年にはNHK朝の連続テレビ小説花子とアン』に醍醐亜矢子役で出演。主人公・花子の同僚で良きライバルとして、存在感を発揮した。

 2015年に放送された、月9ドラマ『5→9~私に恋したお坊さん~』では、クールビューティーに見えるが、実はBLに熱中し、恋愛は不得手という山渕百絵役で反響を呼んだ。真面目、明るい、清楚といったイメージの高梨にとって、この“腐女子キャラ”は、イメージを脱ぎ捨てた役でもあり、ターニングポイントとなったようだ。それを示すかのように『不機嫌な果実』では、さらなる新境地を開拓している。


 ドラマ『不機嫌な果実』は、林真理子の傑作不倫小説を約20年ぶりにドラマ化した作品で、夫に不満を募らせる水越麻也子(栗山千明)が、情熱的な音楽評論家・工藤通彦(市原隼人)と“禁断の愛”に溺れていく様を描いた濃厚ラブストーリー。高梨は、麻也子の友人であり、夫の不倫が原因で離婚したバツイチ女性・竹田久美を演じる。不倫に対し嫌悪感を見せ、麻也子にも道を外さないようアドバイスをしつつ、麻也子の夫・航一と不倫関係にあるという裏の顔を持つ。さらに麻也子と航一がいる自宅をアポなし訪問をしたり、麻也子が買い物に出ると航一を強引に押し倒そうとしたりと、腹黒さも持ち合わせた「悪女」なのだ。 そんな高梨の悪女っぷりに、SNS上では「高梨臨がヤバイ。来週も見る」「美人なだけに怖さがある」「女優高梨臨の女優魂は底なしです!」といった声も続出。
これまでのイメージとかけ離れたこの役柄だけでも、高梨の本作にかける覚悟が見てとれるが、さらに大胆なラブシーンにも挑戦。濃厚なキスシーンから、ベッドシーンまで、遠山玲子を演じる橋本マナミとはまた違った色気で視聴者を魅了している。

 高梨自身は、「お腹が空くと不機嫌になっちゃったりする(笑)」という素朴な性格の持ち主なのだが、本作では「新しい一面を見せられる挑戦作でもあるので、すごく気合が入っています」と語り、女優魂を燃やしていることがうかがえる。

 昨今、悪女キャラは女優としてステップアップするための踏み台ともいえる役柄だ。NHK連続テレビ小説『マッサン』で恋敵役を演じ、現在放送中の木村佳乃主演ドラマ『僕のヤバイ妻』では伊藤英明愛人役を務める相武紗季も、悪女・イヤな女役で女優としての幅を広げ、高い評価を得た。高梨も、ここ最近の役の振り幅を見ていると、相武のようにイヤな女もできる女優として新たな道を歩むのではないか。
本作の展開とともに、高梨の今後の女優業にも注目したい。

 ドラマ『不機嫌な果実』は毎週金曜23時15分、テレビ朝日系にて放送中。