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本作は、地獄を舞台に、若くしてこの世を去った少年・大助(神木隆之介)がクラスメイトに「好きだ!」と告白したい一心で、赤鬼・キラーK(長瀬智也)と一緒に地獄からの生還を目指して大奮闘する姿が描かれる。尾野が演じるのは、キラーKの生前の恋人、なおみ役。なおみは売れないミュージシャンの近藤(現世のキラーK)と同棲し、献身的に支えている。
宮藤官九郎とは役者としての共演経験はあるが、監督作品に出演するのは今回が初。「やっと“宮藤組”でできるんだというドキドキ感がありました。どの作品も楽しく観させていただいてきて、究極のエンターテイメントという感じだったので…。最初は変な緊張感と私にできるのかという不安がありました」と明かした。実際に芝居をして、「楽しかったですね。今までやったことのない役で。笑ってもらうことって本当に大変なんだなと思いました」と微笑む。
長瀬智也との共演も今回が初。その印象について「なんだかね、やさしい方なんですよ」としみじみ語る。最初は「“ジャニーズ”という壁が私の中にあって…。『どんな方なんだろうな』と探り探りの気持ちになります」と、ジャニーズの俳優と共演する時はいつも、そのグループが持つパブリックイメージに構えてしまうという。
「芝居をされている姿は何回も見ていても、『今回どう来るんだろう、私に対してはどう接してくれるんだろう』といろいろ考えるんです」とのことだが、毎回現場で会話し芝居をするとその壁はすぐになくなるという。今回の長瀬も「本当にやさしくて、レディファーストですし、現場でも気をつかってくださるし、とても楽しい方でした」と振り返る。 また長瀬について、「バラエティ番組で一緒になった時も、前に話したことを全部覚えてくれていて、『尾野さんってこういう人だったよね』ってみんなに言ってくれて、それに合わせて話しを広げてくれてすごいなと思いましたね。普通細かいトークの内容なんて覚えてないじゃないですか。趣味のこととか酔ったらどうなるとか。そういうのを全部覚えてくださっていて素敵な方だなと」と絶賛する。
劇中、なおみは地獄のシーンには出演していないが、「私も地獄で鬼の扮装もやってみたかったです」と笑う。鬼の役は長瀬も桐谷健太も、スクリーンを観ただけでは誰だかわからないくらいメイクをしているが、「それってすごくいいなと思いましたね。
最後に自身で「これは地獄に落とされるかもしれない」と思い当たる経験、自分の中の“闇の部分”はあるのだろうか、そう問うと、「あります、あります、いっぱいありますよ。嘘をついたこともあるし、閻魔さまに舌を抜かれるんだろうなということはありますよ」と笑った。(取材・文・写真:田中裕幸)
映画『TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ』は6月25日より全国公開。