【写真】天真らんまんなダブルピースも! 清野菜名 『やすらぎの刻~道』インタビューカット
『やすらぎの郷』撮影前に、初めて倉本と顔を合わせたという清野。「それまで私は、“役作り”というものが分かっていなくて、台本を読んでセリフを覚えて現場に行き、そこで感じたままに演じていたんです。倉本さんから役柄の履歴書、その人物がどういう人生を送ってきたのかを考えるという役の作り方を教わって、その後のお仕事でもそのやり方を続けていく中で、すごくお芝居が楽しくなりました」。
放送後には、倉本から感想をつづった自筆の手紙が届いた。前作での活躍が認められての今回の主演抜てきと言えるが、最初に聞いたときは「え? 私? という感じで、うれしさの前に驚き、『私で大丈夫ですか?』と思った」と明かす。
とはいえ撮影に入ってすでに約半年、「プレッシャーはあまり感じていません」とも。山梨の山間の集落で養蚕業を営む根来家に引き取られた少女・しのが、激動の昭和を生きるさまが描かれるが「根来家で過ごす時間が長いんですが、“主演”という感じではなく、家族の中でみんなで楽しく一緒にいるという感じなんです。家族の中で(序列などが)誰が一番とかってないじゃないですか? すごく楽しくみんなと過ごしています」とリラックスした表情で笑う。
しのはやがて、根来家の次男で風間俊介が演じる公平と夫婦になり、家庭を築き、共に人生を歩んでいく。「演じていて『家族を作る』ということは簡単じゃないなと感じてます。
本シリーズのほか、黒柳徹子を演じた『トットちゃん!』(テレビ朝日系)、『半分、青い。』など近年、昭和の女性を演じる機会が多いが、本人は「自分でもなんでだろう? って不思議です。『昭和が似合う』とか『昭和顔』って言われるんですけど…(笑)。生まれる時代を間違えたかなぁ?」と首をかしげる。 もっとも、少し前までは園子温監督の映画『TOKYO TRIBE』(2014)、押井守監督による『東京無国籍少女』(2015)などで見せた華麗なアクションのイメージも強く“アクション女優”という枕詞をつけて紹介されることも多かったが、同時にその称号に苦しめられることにもなったという。
「“アクション女優”と言われるたびに、アクションなしでもちゃんとお芝居できるようになりたいって思ってました。でも、アクションが自分の強みで、アクションがあると安心して、逆にないとどこかで不安だったのも事実で…。そんな中で、ケガをしたこともあって、一度アクションをストップしてお芝居だけに集中していく中で、やっと自信がついてきました」。
だからこそ、その頃にあった倉本との出会いを「人生を大きく変えた出会い」と語る。近年の幅広い活躍で人気、知名度も確実に上がってきたが、本人は「まだまだですね」と首を振る。
「いやぁ、街中でもっと声を掛けられるようになりたいですね。たまに確認のために渋谷を歩いてみるんですけど(笑)、全然なんですよ! そのたびに『まだまだだな』って思ってます」。(取材・文・写真:黒豆直樹)
ドラマ『やすらぎの刻~道』は、テレビ朝日系にて毎週月曜~金曜12時30分放送。