【写真】愛おしそうにゴジラを見つめるマイケル・ドハティ監督
本作は、2014年に公開され、全世界興収約530億円の大ヒットを記録したハリウッド版『GODZILLA ゴジラ』の5年後を舞台とした続編。モスラ、ラドン、キングギドラら続々と復活を遂げる神話時代のモンスターたちがゴジラと世界の覇権を懸けた戦いを繰り広げる中、それによって引き起こされる地球の破滅を阻止しようと死力を尽くす未確認生物特務機関・モナークの活躍を壮大なスケールで描く。
1954年、日本で誕生した『ゴジラ』シリーズも今年65周年。この記念すべき年に、ギャレス・エドワーズ監督の『GODZILLA ゴジラ』のあとを受け継ぐことになったドハティ監督は、「プレッシャーを感じるよりも、とてもハッピーで、エキサイティングな気持ちの方が大きかった」とニッコリ。さらに、監督として自身に白羽の矢が立てられた理由については、これまでの映画実績はもとより、「ゴジラへの愛の深さが決め手だったのでは?」と推察する。
「ゴジラほど巨大ではなかったけれど、『クランプス 魔物の儀式』(2015)などモンスターが登場する映画の監督経験もあり、『X-MEN2』(2003)や『スーパーマン リーターンズ』(2006)など超大作の脚本家として成功している点も評価されたと思う。ただ、一番の決め手は、やはりゴジラに対する愛情の深さ、造詣の深さだと思うんだ。僕がゴジラマニアだということは、ハリウッドではかなり知れ渡っていたけれど、“まさかここまで好きだとは!”と、みんな驚いていたからね(笑)」。
エドワーズ監督版の続編という位置付けとなる本作。前作から受け継いだこと、そして、新たにチャレンジしたことも、ゴジラマニアならでは発想が随所に。
さらにドハティ監督は、庵野秀明監督作『シン・ゴジラ』についても言及。「もう何度も観ているよ。とても融和性があって、今風でスマートな印象を持った。美しさと恐怖の両方を兼ね備えたバランス感覚は、日本人ならではの特徴のような気がするし、ユニークな方向へ大胆に持っていく勇気も、ゴジラの母国である日本人だから持ちえるものかなと。
なお、本作には、科学兵器オキシジェン・デストロイヤーが再登場したり、ゴジラ、モスラのオリジナルテーマ曲が使われていたり、武器やロケ地、キャラクターなど、細部にわたり、1954年の初代『ゴジラ』へのオマージュが捧げられているのだとか。「これは、長年ゴジラを愛し続けてきた皆さんへのサプライズ。それを発見する楽しさもこの映画の魅力」とアピールするドハティ監督。とっておきのサプライズは、少年時代、共にゴジラに夢中になった親友2人の名前をエンドクレジットに明記したことだそうだが、「これは僕らにしかわからないサプライズ。さりげなく気付いてくれて、喜んでくれたらうれしいな」と、懐かしい日々に思いを馳せていた。(取材・文・写真:坂田正樹)
映画『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』は公開中。