清水崇監督、実写で「アニメに負けない日本映画も打ち出していきたい」 2021年東映ラインナップ発表

映画監督の清水崇と白石和彌が22日、オンラインで開催された「2021年 東映ラインナップ発表会」に出席。両監督の『樹海村』、『孤狼の血II』（仮）をはじめ、スーパー戦隊シリーズや『科捜研の女 ‐劇場版‐』、『ルパンの娘』までバラエティーに富んだ作品が発表され、監督陣が作品やコロナ禍での製作への思いを語った。【写真】『樹海村』『いのちの停車場』ほか 2021年 東映ラインナップ 来年、創立70周年の節目を迎える東映。本社で行われたこの日の発表会には、清水監督、白石監督のほか来年公開を控える『いのちの停車場』の成島出監督、『老後の資金がありません！』の前田哲監督、東映株式会社代表取締役社長の手塚治氏、取締役企画調整部長の村松秀信氏、取締役映画宣伝部長の篠原智士氏らが出席した。 今年大ヒットを記録した『犬鳴村』に続く「恐怖の村」シリーズ第2弾となる『樹海村』（2021年2月5日公開）。登場した清水監督は「今年の2月に『犬鳴村』を公開して、思いのほかお客さんが入って頂いたことはありがたかったんですが、すぐさま第2弾と言われて自粛中に脚本を仕上げました」と回顧。「ホラーだけではなく、よりドラマに寄せた作品」だと本作をアピールしつつ「東映さんの70周年で、僕もこういう形で参加させて頂くのはありがたい。『鬼滅の刃』で映画館に人が戻っていますが、僕を含め今日いる監督陣は実写でアニメに負けない日本映画も打ち出していきたいと思っております」と力強く語った。 続いて登場した『孤狼の血II』（仮）の白石監督。第42回日本アカデミー賞で最優秀賞4部門を受賞するなど大きな話題を呼んだ前作だが、本作はその3年後が舞台となる。白石監督は「前作が2018年公開だったのですが、その時から続編をやりたいねと言っていた」と述懐し、新たに紡がれるストーリーは「“完全オリジナル”となっているんですけど、補足をすると、前作で原作と映画のラストを少し変えてしまったことで、続編に繋がらない事態がおきまして…なのでオリジナルと原作の間という形で作った物語」だと明かした。 また東映では今年11月に岡田裕介代表取締役グループ会長が逝去。前作の時には「岡田会長が観てくださって『面白かったよ』と。『君の映画は描写がきつい所があるけど、面白い映画だったので頼むな』と言ってくださって」とその思い出にも触れ「70周年という節目の年に参加できて、僕もありがたく思っています」と感謝の意を述べた。 さらに記者からの質疑応答では、新型コロナウイルスによる製作現場への影響を問う質問も。 撮影前にキャストの広瀬すずの陽性が発覚した『いのちの停車場』の成島監督は「PCR検査が出来るようになってきたというのは一つある。今作は70歳代のキャストも多いので、すずちゃん一人で止まったというのはPCR検査のおかげ」だと明かす。続く白石監督も「ワクチンを受けながらPCR検査を受けるというのが、スタンダードになっていくのでは」と話し「あんなに長い間、映画館に行かなかったことがなかったので、改めてエンタテインメントは人の人生に必要なものだと感じた」としみじみ。「衣食住関係ないからいいやという訳ではないと分かった期間だった。芸術含めエンタテインメントは人間が人間らしく生きるのに必要」だと訴えかけた。 東映の2021年ラインナップは下記の通り。『樹海村』 2021年2月5日公開『いのちの停車場』 2021年5月21日公開『孤狼の血II』（仮） 2021年公開『老後の資金がありません！』 2021年公開『劇場版「美少女戦士セーラームーンEternal」前篇後編』 2021年1月8日公開／2月11日公開『シン・エヴァンゲリオン劇場版』 2021年1月23日公開『スーパー戦隊MOVIEレンジャー2021』 2021年2月20日公開『劇場版仮面ライダーセイバー 機界戦隊ゼンカイジャーTHE MOVIE』 （仮）2021年夏公開『劇場版 仮面ライダー』 （仮）2021年冬公開『映画ヒーリングっど プリキュア ゆめのまちでキュン！っとGoGo！大変身!!』 2021年3月20日公開『映画トロピカル～ジュ！プリキュア』（仮） 2021年秋公開『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』 2021年4月1日公開『胸が鳴るのは君のせい』 2021年6月4日公開『東映まんがまつり』 2021年8月公開『総理の夫』 2021年秋公開『科捜研の女 ‐劇場版‐』（仮） 2021年公開『ルパンの娘』 2021年公開『神・鬼・麗 三大能∞2020』 2021年夏公開『大怪獣のあとしまつ』 2022年公開