EXILE、三代目 J SOUL BROTHERSのパフォーマーとして人気を集める一方、役者としての活躍も著しい岩田剛典。昨年は『AI崩壊』『空に住む』『新解釈・三國志』といった大作で存在感を示し、今年は主演映画『名も無き世界のエンドロール』の公開が控える。
【写真】せつなげな表情がカッコいい 岩田剛典インタビューカット
本作は、「第25回小説すばる新人賞」を受賞した行成薫による同名小説を映画化したサスペンス・エンターテインメント。友のために裏社会に飛び込み、闇の交渉屋としてのし上がっていくキダ(岩田)と、彼の力を借りながら会社経営者となり、表舞台でのし上がっていく幼なじみのマコト(新田)が、命懸けで一世一代の計画に挑む姿が描かれる。
■ ソロ活動は全責任を背負う勝負「ロマンがあってすごく燃える」
「ラスト20分の真実」というコピーがつき、衝撃のエンドロールが注目を集める本作。岩田は「ネタバレになるので言えないですが、好きなジャンルの物語で。お話を頂いた時はストーリーテラーという立ち位置でもあるキダを演じてみたいと思いました。
幼なじみ役の新田とは初共演。実年齢だと新田が8歳下になるが、「第一印象は好青年で天真らんまんでしたが、現場を通じて、芝居へ高いプライドを持つ男らしい一面も知り、刺激をもらいました」と敬意を示し、「キダとマコトの仲の良さをしっかり表現することが重要。地方で泊まり込みのロケだったので、まっけんとはご飯に行くなど毎日一緒にいて、自然と気持ちを切らすことなくキダとマコトで居続けられましたし、芝居への温度感も一緒でした」と回顧する。
グループを飛び出し、ソロ活動として行う役者業。
■ 「何年分も成長した」10周年ライブを前に三代目JSBが結束した日
ソロ活動の支えになる三代目JSBは、昨年11月10日に10周年記念ライブを配信で開催。7人の結束力が伝わるパフォーマンスで視聴者を魅了したが、その直前にグループの転機があったという。
そこで岩田は全員が全員のことを理解できるようなきっかけを作るために奮闘し、ライブ前に7人でご飯に行き、皆が思っていることをぶっちゃけ合った。「語り合うと、誰も理解できないようなことを言う人はいなくて、むしろ『早く言えよ』や『1人で悩んでたけど無意味な時間だったね』というような話ばかりで。曇ってた天気が晴れ、よりチームワークが固まり、その1日で何年分も成長したなと思います。
タイトルの「エンドロール」にかけ、パフォーマーとしてのエンドロールを意識することもあるかと問うと、「毎日考えてます」との答えが。「先輩が次に進むのを間近で何年も見ているので。
その意識は、過ごしている環境により自然と形成された。「『1人で食べていけるシステムを自分で作れ。周りを巻き込まないと1人じゃ何も実現できない』と日々教えられているので、自然と表で仕事こなすだけでなく、人生をどうプロデュースしていくかを意識するようになりました。
最後に岩田にとって三代目JSBはどういう存在かと聞くと、「“人生”ですね。僕は三代目を辞め、60代、70代になっても三代目の人なので」とりりしい表情で即答した。その目からはパフォーマーとして、役者として、先を見すえた強い覚悟が感じ取れた。(取材・文:高山美穂 写真:ヨシダヤスシ)
映画『名も無き世界のエンドロール』は1月29日より全国公開。