日本発の人気ゲームをハリウッドで実写映画化した『モンスターハンター』(公開中)に主演する女優のミラ・ジョヴォヴィッチ。モンスター相手に戦うヒロインを演じさせたら右に出る者なしの彼女だが、プライベートでは3人の女の子のママ。

ミラにそっくりと話題の長女エヴァーは、大作映画に続々抜てきされるなど、将来を嘱望されるニューカマーに成長した。今回はそんな最強美女ミラの、波乱に満ちた生い立ちを振り返るとともに、これから活躍すること間違いなしの娘たちを紹介。

【写真】ミラに激似の長女エヴァー まだあどけない来日ショットも

◆ミラ・ジョヴォヴィッチ、波乱の生い立ちからブレイクまで
 
 圧倒的なオーラと美しさで、数々の戦うヒロインを体を張って演じてきたミラ。実は彼女自身も、演じてきたキャラに負けないくらいドラマティックな半生を歩んできた。

 1975年にソヴィエト時代のウクライナで生まれたミラは、5歳で英ロンドンに移住し、ほどなくして米ロサンゼルスへ。ソ連で医師と有名女優だった両親は、言葉の壁や制度の違いのため元の職にはありつけず、掃除係として働いたそう(職場は名匠ブライアン・デ・パルマ監督宅だったとか!)。
冷戦の影響もあって、ソ連から移住してきたミラは学校でいじめられたという。その上、父は後に医療保険の詐欺事件で逮捕され服役。両親は離婚し、シングルマザーとなった母は、ミラにピアノ、歌、ダンス、演技と、あらゆる芸事のレッスンを受けさせた。それらがただの楽しいお稽古じゃなかったことは想像にたやすいところ。

 この英才教育は実を結び、若干11歳で有名写真家リチャード・アヴェドンに撮影され、すぐにREVLONの「世界で最も記憶に残る女性(Most Unforgettable Women in the World)」に選ばれてスターに。そして、1988年には12歳で映画デビュー。
初主演した映画『ブルーラグーン』公開時はまだ16歳だった。こうしてミラは、10代前半で家計を担うまでに成功する。

 その一方、ティーンでビッグスターになったミラの反抗期はなかなかのもので、ドラッグや万引き、果ては16歳で映画の共演者と駆け落ちしたことも(母の猛反対で結婚は1ヵ月半で取り消しに)。この荒れた日々を救ったのは歌だったといい、自分を表現する手段を手に入れたミラは、1994年にアルバム『The Divine Comedy』で歌手デビューしている。

 その後、1997年公開の『フィフス・エレメント』で大ブレイクしてからはご存知の通り、『ジャンヌ・ダルク』(1999)や、ミラのアクション女優としての地位を決定づけた『バイオハザード』シリーズ(2002~2016)などに出演し、デビューから30年以上経つ今も強く美しく活躍している。プライベートでは、『フィフス・エレメント』のリュック・ベッソン監督との結婚・離婚を経て、『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソン監督とゴールイン。
3人の娘に恵まれた。◆ミラに激似と話題! 長女エヴァー

 そんなミラの長女が、彼女にそっくりと話題の現在13歳のエヴァー。『バイオハザード: ザ・ファイナル』(2016)で女優デビューを飾り、今年公開予定のマーベル映画『ブラック・ウィドウ』では、スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウの子ども時代に抜てき。さらに、ディズニーの実写版映画『ピーター&ウェンディ』にはウェンディ役で出演する。また2019年にはJALOUSE誌の表紙を飾り、ミラと同じく11歳で正式にモデルデビューを果たした。これからの大ブレイクが期待される。


 自分と同じように、早くからエンターテインメントの世界に入ったエヴァーについて、ミラは「この業界の厳しさを知っているから恐ろしくもあるわ。だけど、自分の子どもが情熱を傾けるものを見つけたことは、この上ない喜びよ。彼女は5歳の時から一生懸命に取り組んできたの」とコメント。また、「娘は、私や夫と一緒に、映画の撮影現場で育ったから、いわば蛙の子は蛙ね」とEntertainment Tonightで話しており、うれしい反面、心配もある模様。昨年には、エヴァーが映画のプロモーションで登場したFlaunt誌をインスタグラムで誇らしげにシェアし、ここでも「子どもを早くからエンターテインメント業界で働かせることは正しいのかと言う人もいるけれど、個人的には、子どもが熱中できることを見つける手伝いこそが親の務めだと思う」と、ちょっぴり複雑な母の思いを告白している。

 ミラのインスタグラムでは、ドラマ『The Office』のキャラにふんしたハロウィンの芸達者すぎるショットや、母娘で表紙を飾ったアラビア版VOGUEの写真、まだ小さいエヴァーがロバート・デ・ニーロの腕に抱かれて号泣する直筆サイン入りの写真(今は泣いているけど、将来きっと喜ぶからとデ・ニーロに頼んだそう)なんかも見ることができる。
自身の母とは違った形で、娘のキャリアに影響を与えたようだ。

◆撮影現場でハイハイ! 次女ダシール

 2015年に生まれたエヴァーの妹ダシールも、まさに映画の制作現場で育ったエンターテインメントの申し子。妊娠が発覚したのは、姉も出演した『バイオハザード: ザ・ファイナル』の撮影準備中のこと。撮影は出産まで延期され、生まれたダシールはクレア役のアリ・ラーターの子どもたちと一緒にセットで過ごした。現場には子どものためのエリアが作られ、ゾンビや死体が転がる横で、ダシールたちはハイハイしていたそう! ミラのインスタグラムには、特殊メイクで傷だらけのミラとアリーが、子どもたちと遊ぶ写真もシェアされている。

 そんなダシールも5歳! ブラウンのロングヘアに、ガーリーなワンピースが似合う、エヴァーとはタイプの違うキュートな女の子に成長した。
昨年4月には、自主隔離中に家族で誕生日パーティーを開催。ミラは「こんなに大きくなったなんて信じられない!彼女は生まれたその日からずっとスウィートでたまらなくキュートよ」と、愛情たっぷりのキャプションを添えてインスタグラムでシェアした。◆つらい経験を乗り越え三女オーシンを出産

 昨年は、三女のオーシンも誕生。昨年2月にエヴァーが「赤ちゃんの誕生よ!私の妹オーシン、世界へようこそ。みんなあなたが大好きよ!」とキャプションを付けて、病室のベッドの上で赤ちゃんを抱く家族写真を自分のインスタグラムに投稿。なんとこれ、エヴァーがフライングで投稿してしまったようで、ミラも後から、「昨日知らない間にエヴァーがバラしちゃったので、もはや‘古いニュース’ね。とにかく、2020年2月2日午前8時56分にオーシン・ラーク・エリオット・ジョヴォヴィッチ・アンダーソンが生まれました!」と報告。この投稿では、オーシンちゃんをかわいがる家族の写真と一緒に、美しすぎるミラの授乳ショットも公開されている。

 実はミラは、この3年前にも妊娠したが、妊娠4ヵ月半で早期分娩となり、結果的に中絶手術を受けたと告白している。そのため、ミラとファミリーにとって、第3子の誕生は何よりうれしいニュースだったのが伝わってくる。エヴァーのインスタには、フライング投稿のほかにも、優しいお姉ちゃんぶりを発揮しているショットがたくさん!

 波乱の生い立ちを経て、10代で大ブレイクし、今のキャリアを築き上げたミラ。娘のエヴァーも、母を追うようにネクストブレイク必至のニューカマーとしてアツイ視線を浴びている。エンターテイメントの早期教育を日々受けているダシールとオーシンにも期待したい。(文・寺井多恵)