いつも笑顔で天真らんまん。メンバーもファンも、そう口をそろえるのが乃木坂46の4期生・清宮レイだ。
【写真】とびきりの笑顔、怒った顔 さまざまな表情を見せる清宮レイがかわいすぎる
■大先輩ばかりの舞台へ不安「年上の方と接するコツはありますか?」
大人計画の皆川猿時、荒川良々らが出演する舞台『3年B組皆川先生~2.5時幻目~』に出演する清宮。グループを離れた1人での仕事は初となる。学校崩壊寸前の学園を舞台に、問題だらけの生徒たちと、彼らに翻弄(ほんろう)される教師たちの姿を描くコメディー。清宮は、正義感の強い学級委員を演じる。
――乃木坂46加入から約2年半。舞台出演は2019年の4期生公演『3人のプリンシパル』以来で、今作は清宮さんにとって初めてのグループを離れた仕事となります。稽古はこれからということですが(取材は5月上旬に実施)、本番に向けた今の気持ちは?
清宮:どうなるか分からないし、私にできるのかなって。ほかのメンバーがいない舞台は初めてだから、今は漠然とした不安でいっぱいです。
――初対面の方々ともすぐになじめそうな印象が、清宮さんにはあります。
清宮:本当ですか(笑)。学校やグループとか、同世代であれば、仲良くなりたいと思えば積極的に話し掛けられますけど、皆さん、私にとっては「すごい!」と思える共演者の方々ばかりですし。どうやって距離を縮めればいいか、分からないかもしれません。
――作・演出の細川徹さんは「清宮さん以外、おじさんとおばさんしかいません」とコメントされていました。年上の方々と接するのは得意ですか?
清宮:意識したことはないかもしれないです。こうしたインタビューでお話しする機会はあるけど、それ以外のところではあんまり…。逆に聞きたいです。何か、年上の方と接するコツはありますか?
――え、何でしょう…。あえて、自分から話し掛けるとか。
清宮:ああ、話し掛けに行く! でも、グループの先輩にもなかなか話し掛けられなくて。
■両親もおばあちゃんも、よく笑う人
――清宮さんは、いつもニコニコしている印象があります。笑顔について、日頃から意識しているのでしょうか?
清宮:あんまりないかな。でも昔からよく「表情が豊かだよね」と言われてました。常に笑ってるように見えるみたいで。中学校で生徒会長をやっていたときも、後輩から「清宮さん、今日も営業スマイルっすか?」とイジられて(笑)。全校集会のスピーチでも、きっと真顔ではなく笑っていたのかなと思います。
――お母さんからは「いつも口角を上げておきなさい」と言われていたそうですね。
清宮:不機嫌な顔が分かりやすいからです(笑)。疲れると口角が下がりがちなので「不機嫌な顔しない」「口角を上げておきなさい」と言われてました。
――家族でもやはり笑顔が目立ちますか?
清宮:両親もおばあちゃんも、よく笑う人なんです。
――アイドルにとって、笑顔はきっと武器にもなります。自分なりに、仕事で生かせたと思える経験は?
清宮:自分を一言で表す場面で「元気」とか「笑顔」と言っていただけるのは、役立っている部分かもしれません。覚えてもらいやすいのかなと思うし。でも、「清宮、笑顔いいね」と直接聞いたことはありません。わざわざ言わないだけかもしれないですけど(笑)。■笑顔の裏の葛藤「気持ちをどう処理していいか分からない」
――こうしてお話を伺っているときも、笑顔が絶えない清宮さんですが、そうでない場面もあるのではないかと。例えば、笑顔が消えてしまう場面は?
清宮:勝負事となると真剣な表情になります。あと、ライブでカッコいい曲を披露するときも。4期生としてTIF(「TOKYO IDOL FESTIVAL 2019」)へ出演したときは、メンバーから表情を褒められました。
――パフォーマンスへの真剣さが伝わってきます。そして、もう1つ。笑顔の裏でグループでの活動を通してつらさを感じた経験もありますか?
清宮:楽曲のポジションについては、考えていた時期もありました。
――乃木坂46は、曲ごとにメンバーのフォーメーションやポジションが変わりますしね。センターになれるのか、1列目や2列目のどこに立てるかなど、毎回の変化にメンバーそれぞれの思いがあるとも聞きます。「考えていた」というのは具体的にどういったことでしょう?
清宮:その頃はまだ、ただただ負けず嫌いだったんです。直接、自分がなぜ今「このポジションなのか」と聞かされるわけでもなく、気持ちをどう処理していいのか分からないままでした。
ただ、どの曲へ参加するにしても、ポジションの話は避けては通れないので。理由の分からないことは悩まず、分かることを頑張ろうと考えられるようになってきました。今は、「自分ができなかったこと」に悩む方が多くなって。
――経験が清宮さんを強くしてくれたと。最後に、そんなきっかけを与えてくれたグループで思わず笑顔になってしまう瞬間は?
清宮:4期生のメンバーといるときは、ずっと笑っています。この前も、ミュージックビデオの収録があって、長時間の撮影だったんですけど、みんなのテンションが高まってきて。写真アプリで遊びながら、メンバーみんなで思いっきり笑っていました!
■“舞台仲間”筒井あやめ&早川聖来へ
清宮と同じく、乃木坂46の4期生である筒井あやめも6月4日から舞台『目頭を押さえた』に、早川聖来も6月9日から舞台『スマホを落としただけなのに』に出演する。同時期に、グループを離れて演技の世界へ挑む仲間に向けたメッセージをもらった。
★清宮レイ→筒井あやめ
あやめちゃんは地道に練習を重ねながら、努力ができる子だから尊敬しているんです。私は「よし、やるぞ!」という気持ちにならないと、なかなかできないから。地道に練習している姿を見て、すごいなと思っていました。共演に同世代の方(秋田汐梨)がいると聞いたので、お友達になりつつ、楽しんできてほしいなと思います。
★清宮レイ→早川聖来
前回の舞台(※)も鑑賞しました。聖来が生き生きしているし、上手だったのでさすがだなと思って。
※早川出演『スマホを落としただけなのに』は、2020年3月~4月に上演。しかし、コロナ禍の影響による途中での公演中止を経て今回、再演が決定した。
(取材・文:カネコシュウヘイ 写真:ヨシダヤスシ)
舞台『3年B組皆川先生~2.5時幻目~』は6月17日~7月4日に東京・本多劇場にて上演。