「手数」と「スピード」の時代 NON STYLEが優勝した理由

 もちろん、これは単に早口でネタを進めればいいという意味ではない。1つ1つのボケが弱いと、速いテンポはむしろ逆効果になる。個々のボケを確実に決めながら話を進めて、「次々にぐいぐい来るなあ」というスピード感を印象づけることが重要なのだ。

 この「手数重視」と「スピード勝負」という現代漫才の2つの潮流から考えると、今年のM-1を制したNON STYLEの歴史的な意義が明らかになる。すなわち、NON STYLEとは、これら2つの要素を高い水準で満たしていた唯一無二の漫才師だったのである。

 NON STYLEが決勝の1本目で披露したネタでは、ボケの回数がなんと51回。手数では並ぶものはないと思われていたナイツをも上回っているのである。

 また、NON STYLEはスピード感という面でも決勝9組の中で群を抜いた存在だった。M-1決勝という大舞台でも、あの超高速漫才に全くぶれがない。他の決勝進出者にそれぞれ1、2回程度の細かいミスが見られたのに比べて、NON STYLEは目に見えるミスが1回もなかった。ボケとツッコミが本当にきっちり絶妙な間合いでぴたっと来る。漫才として減点対象になるような部分が一切なく、数々の賞レースを総なめにした彼らの底力を見せつけたという感じだった。

 手数でナイツを上回り、スピード感で笑い飯キングコングを上回り、さらに精密さで他の決勝進出者全員をわずかにしのいでいたNON STYLE。現代漫才の潮流の最先端を行く彼らの優勝は、漫才日本一を決める大会としてはこの上なく妥当なものだったと言えるだろう。
(文/お笑い評論家・ラリー遠田)



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