「さすがは相棒」というべきか。14日、『相棒season14』(テレビ朝日系)の第1話が放送され、2015年の民放連続ドラマ初回平均視聴率1位(14日現在)となる18.4%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録した。



 今シリーズから、前作まで杉下右京(水谷豊)の“相棒”だった甲斐享(成宮寛貴)に代わり、法務省キャリア官僚の出向という役どころで冠城亘(反町隆史)が“新相棒”で登場。初回のストーリーは刑務所で起きた前代未聞の殺人事件をひも解いていくというものだったが、何より世間の注目を集めたのは、反町の役柄への“ハマり”っぷりである。

 近年の反町は出演作がことごとく“コケ”ており、演技力の乏しさも指摘されるなど放送前は不安な声が後を絶たなかった。そんな中での反町の演技に、視聴者からは称賛の声が上がっている。

「『滑舌が悪い』『長ゼリフが棒読み』という声はあるものの、反町の“相棒”に違和感のあった人は少なかったようです。『やっぱりかっこいい』『他のキャストと足の長さが違う』と抜きん出た容姿を称える声もあれば『裏で動いている感が出てる』『ワルなオーラ』など、役柄をキッチリ演じているというコメントも多い。
冠城の腹黒く、駆け引き上手で、女にだらしないという役どころが年を重ねた彼にハマッてるんですね。反町に合う人物像を作り上げた制作陣の尽力が感じられますよ。しゃべり方や動きが時折『GTO』(フジテレビ系)を連想させるのは少し気になりますが(笑)」(芸能記者)

 反町の評判は上々。今年最高のドラマ視聴率を獲得したことで“低視聴率男”のイメージも払拭できそうだ。民放ドラマ最強の「高視聴率確約ドラマ」である『相棒』なら、今後もまず安泰であろうと思うのだが……。

「正直、ドラマの内容自体はイマイチでした。
囚人の中に生まれた“カリスマ”の存在や、刑務所職員同士のドロドロとした人間関係など中盤までは面白かったのですが、後半に入ると、現実味のない“プリズンブレイク”が起こったり、事件の結末を急ぐかのような描写が続いたんです。ラストに意外性を狙ったような真実も明らかになりますが、視聴者の多くが驚くようなものでもなく……。最近の『相棒』は脚本の劣化が叫ばれていますからね。今後の内容次第では視聴者が見限る可能性も否定できませんよ」(同)

 前シーズンでも、甲斐享(成宮寛貴)が逮捕されるラストに大きな批判が集まった『相棒』。今や“不沈艦”ではなくなっているのかもしれない。

 だが、今のドラマ界で20%に迫るような視聴率をコンスタントに取れる“オバケ”ぶりはいまだ健在。
果たして次回以降、高視聴率をキープすることができるだろうか。その鍵を握るのは“新相棒”反町かもしれない。彼が「救世主」になるのか、それとも「ポイズン」になってしまうのか注目である。