『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』#33「僕らは少年快盗団」

 ルパンレンジャーたちがまさかの子ども化!

 ……ということで「ぼ・ぼ・ぼくらは少年探偵団」のパロディだと思われるサブタイトルだけど、そんなの40代のボクですらピンとこないネタだよ。今の子どもたちを置いてけぼりにしすぎ!

●よくこんな似てる子どもたちを集めてきたもんだ

 ギャングラー怪人のエンビィ・チルダ(CV:白鳥哲)の力で子どもにされてしまったルパンレンジャーたち。



 宵町透真(濱正悟)は1発、夜野魁利(伊藤あさひ)と早見初美花(工藤遥)は2発ずつ「コドモード光線」を受けてしまったため年齢差がついたのか、透真は中学生くらい、魁利と初美花は小学生3~4年生くらいの子どもに。

 魁利と初美花を比べると、初美花の方が身長が高いあたりも、このくらいの年頃だと女の子の方が成長が早いというのを表現していて見事!

 それにしても、よくもまあこんなに雰囲気の似た子どもを見つけてきたなと。

 子ども魁利は髪形でムリヤリ似せてきている感じもあるが、子ども透真なんて、本人の中学生時代と言われても納得しちゃうそうだ。

 あの子、演技もうまいし、ちょっと声変わりしているあたりもタマラナイ。

●つかさセンパイ、ショタ好きがダダ漏れてますよ

 子どもにされたドサクサで落としてしまった「VSチェンジャー」をパトレンジャーたちに押収されてしまったため、ギャングラー怪人を倒すのはひとまず置いといて、国際警察内部に潜入して「VSチェンジャー」を取り戻すことを優先する子どもルパレンたち。

 警察に忍び込むくらい、通常時だったら余裕なのかもしれないが、今は子ども状態。

……ということで、子どもならではの能力をフル活用して潜入することに。

 それは「カワイイ」!

 親とはぐれてしまった迷子設定でパトレンたちに取り行って、

「待ってぇ~、お母さ~ん」

「つかさお姉ちゃん、ボク、一緒に折り紙したいなぁ~」

「(折り紙で何を折りたいか聞かれ)くまさ~ん!」

 魁利は普段から世渡り上手感があふれているが、子ども魁利のあざとかわいさもハンパない。

 ほかの2人がまだ、子ども化してしまったことに対して戸惑っている様子なのに対して、ソッコーで子ども化しているメリットをフル活用する魁利よ……。

 明神つかさ(奥山かずさ)は、まんまとカワイイもの好きが発動してメロッメロになってしまう。ウッキウキで魁利を膝の上に乗せて抱きしめ「カワイイ~!」と、ほおずり!

 ショ……ショタなんすね。

 しかしコレ、陽川咲也(横山涼)が子ども初美花に対して同じことをやっていたら、完全に事案! このご時世に放送は難しかっただろう。


 男女平等って難しい。

 それにしても、ものすごく大きなお友達であるボクらからすると「ルパレンがショタ・ロリ化、サイコー!」だった今回のエピソードだが、本来のメイン視聴者層であるリアル子どもたちは、どんな気持ちで見ていたのだろうか?

●つかさセンパイに幸あれ!

 ルパレン、パトレンがガッツリ絡む回はギャングラー怪人の影が薄い……の法則通り、「ルパレンたちを子どもにする」というミッションをクリアしたあとはサクッと倒されるだけだったエンビィ・チルダ。

 その代わり、今回ものすごーく存在感を示していたのがコグレさん(温水洋一)だ。変装スキル、すごいな。

 魁利への変装は以前も披露していたが、女性へにもなれるとは……。

 つかさにそっくりだという子どもルパレンたちの母親への変装が絶妙だった。



 カツラをかぶり、偽乳をグイッと入れて、あわてて女装をする、変装途中のコグレさんにも笑ったが、完成後の、つかさセンパイそっくりお母さんのニセモノ感もよかった。

 つかさ役の奥山かずさ自身が演じているんだから、顔がそっくりなのは当たり前だが、それでいて微妙にニセモノ感を漂わせる演技が素晴らしい。

 本作では、工藤遥のコメディエンヌ能力にばかり目が行ってしまいがちだが、今回はコメディエンヌ・奥山かずさの魅力が炸裂していた。

 普段、いろいろと抱えていそうなつかさセンパイも、いつか幸せになれるといいですねっ!

(文・イラスト=北村ヂン)