自民党公式サイトより

 安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選(8日告示、14日投開票)に立候補する石破茂元幹事長の陣営が6日、任天堂の人気ゲームソフト『あつまれ どうぶつの森(あつ森)』を活用することを発表した。

『あつ森』は、米大統領選の民主党候補・バイデン前副大統領の陣営も選挙運動に活用していることで知られている。

 同ゲームは舞台となる無人島の名前を自分で決めることができ、陣営は「じみん島」を島名に設定。石破氏をモチーフにしたキャラクター「いしばちゃん」が登場し、ゲーム内で作成したポスターをツイッター上で配布し、そのポスターを貼ったユーザーのもとに、今後石破氏が訪問する予定、と発表していた。

 ところが、日米では規約が異なり、日本では任天堂の規約で政治利用がNGであることが判明。そのため、同日の昼すぎには映像が見られたが、午後になると総裁選特設サイトから「あつ森」へのリンク先が消去され、陣営はいったん利用を中止することを発表したのだ。

「石破氏にそんな発想があるわけがなく、陣営の広報戦略を担当する平将明衆院議員の発案。平氏といえば、ITに精通し、水月会(石破派)広報委員長として国会議員では初とされる石破茂のLINEスタンプ作成を企画するなど手腕を発揮してきた。

しかし、今回、功を焦ったのか規約を見逃すというまさかの凡ミスを犯してしまった」(永田町関係者)

 今回の総裁選、公示前の段階で出馬する3候補ののうち、菅義偉官房長官の圧勝は動かないと言われ、石破氏、岸田文雄政調会長は圧倒的に不利な状況だった。

「もし、『あつ森』が活用できればかなりの“秘策”になったはずだが、結局、話題を振りまいただけでだだスベリ。このままでは石破氏の敗色は濃厚です」(政治担当記者)

 揚げ句、丸山穂高衆議院議員からはツイッターで「こうした公の案件で規約すら確認無しなトコが、かれこれ何十年もずっとIT推進ガー、デジタルガーとか言うてほぼ変わらぬ政治を象徴してるなぁ~。戦況苦しい中で敢えての炎上狙いと考えても苦笑」と揶揄されてしまった。いきなり窮地に追い込まれた石破氏に起死回生の策は残されているのだろうか。