永野芽郁が主演、西島秀俊と杉野遥亮らが共演するTBS系火曜ドラマ『ユニコーンに乗って』が5日から放送スタートした。
同ドラマは、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』や『ナイト・ドクター』といったフジテレビ系月9ドラマなどを手がけた大北はるか氏の“完全オリジナル”脚本。
初回は、佐奈が有名女性起業家の羽田早智(広末涼子)の特別講義をきっかけに起業を決意した過去から始まり、3年前にドリームポニーを起業したものの行き詰まる日々を送る現在へ。そこで新しい風を入れるために求人募集をしたところ、最年少で数学オリンピックに優勝するなど優秀な天才エンジニアだが、コミュニケーション能力に難がある現役大学生・森本海斗(坂東龍汰)、そして48歳の元銀行員・小鳥がやってくる……というストーリーだった。
しかし、このドラマについて韓国ドラマっぽいという声が相次いで上がっている。
『スタートアップ』は、高卒で正社員になれず、契約社員として働きながら起業を夢見る主人公ダルミ(ペ・スジ)が“韓国版スティーブ・ジョブズ”を目指すという物語。幼少期に数学オリンピックで最年少優勝を果たした経験もある天才的なソフトウェアエンジニアのドサン(ナム・ジュヒョク)は、ベンチャーキャピタルで投資家として名を馳せるジピョン(キム・ソンホ)の図らいでダルミと知り合い、ふたりは一緒に起業することになるが……というふうに物語は動いていく。
「高卒の女性主人公が起業することや、同年代と年上の2種類の男性が絡んでいく構図、スタートアップでの奮闘といった設定がかなり近い。年上男性のほうが主人公のメンター的立ち位置になると見られるあたりも似ている。
『スタートアップ』は、両親の離婚によって主人公のダルミが実姉とまったく違う人生を歩んだり、若き日のジピョンがダルミの祖母に頼まれてダルミと文通をするも、その際に新聞で見たドサンの名前を騙ってしまい、のちのちややこしいことに……といった展開もあり、これらは今のところ『ユニコーンに乗って』にはない要素。設定はある程度似通っていても、ストーリーはまるで違うものになる可能性も高い。
だが、『スタートアップ』を下敷きにした、と言われれば言い逃れは難しいのではないだろうか。そして、こうした疑いの目を向けられるのには、わけがある。
たとえば直近では、今年4月期に放送された高橋一生主演の金曜ドラマ『インビジブル』。犯罪コンシェルジュ(『インビジブル』では「犯罪コーディネーター」)が免責と代わりに凶悪犯罪者の情報提供をすると突然やってきて、特定の捜査官を連絡係に指名。凶悪犯罪者にはそれぞれニックネームがあり……といった序盤の展開や設定が、シーズン9まで続いているアメリカの人気ドラマシリーズ『ブラックリスト』に酷似していると海外ドラマファンの間で波紋を呼んだ。
また火曜ドラマの“オリジナル”作品にもたびたび疑惑が浮上している。2020年の10月期に放送された森七菜主演の『この恋あたためますか』は、コンビニ会社の商品企画部をする人物が甘いものが得意な店員とスイーツの開発をしていくという展開、片方が実は次期社長ポジションのだったという設定など、舞木サチの短編漫画『この恋、あたためますか?』(KADOKAWA)と似通っているという指摘の声が上がり、タイトルもあまりに酷似していることから「リメイクなの?」といった疑問も出ていたようだ。
続く2021年1月期に放送された上白石萌音主演の『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』も、ハリウッド映画『プラダを着た悪魔』や韓国ドラマ『ロマンスは別冊付録』との類似性を指摘する声が少なくなかった。
だが、こうした“問題”がたびたび起こるのは、製作側が意図的に仕掛けているからという可能性もあるとの見方も……。
「明らかにモチーフにした作品が透けて見えるし、特に『この恋あたためますか』は作品タイトルまで酷似。それに『インビジブル』にしろ『ユニコーンに乗って』にしろ、設定に“元ネタ”があることは誰かしら気づかないのが不自然。となると、『似てる』と話題になることを狙ってやっている可能性もある。
『ユニコーンに乗って』の初回の世帯平均視聴率は8.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)で、これでこの火曜ドラマ枠は6期連続で初回ひとケタ発進となった。先述の『インビジブル』も、最終回の視聴率は6.6%、全話平均6.5%という厳しい結果に終わっている。海外ドラマを“モチーフ”とした作品作りが意図的だとすれば、あまり成功しているように思えないが、はたして……。