【ざっくり解説】はるかぜに告ぐって何者?相方と同期にそれぞれの印象を聞いてみた【はるかぜに告ぐ】 – YouTube

 フジテレビのお正月特番『新春!爆笑ヒットパレード2024』で、印象的な場面があった。「ベビージェネレーター」という男女の顔からその2人の赤ちゃんの顔を予測するアプリを使ったクイズで、ゲストのあのちゃんとジェネレートされた赤ん坊の顔を表示し、相手の男性が誰なのかを当てるというクイズのコーナー。

 回答者のハナコ・菊田竜大と秋山寛貴が令和ロマンの高比良くるまの名前を挙げたところ、くるまは「やめてくださいよ、なんかもうこのコーナーちょっと炎上しそうだから。気持ち悪い」とピシャリ。スタジオは静まり返り、戸惑う菊田と秋山の顔がアップになった。

 昨年末の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)でチャンピオンとなり、今年のブレイクが確実視される令和ロマンだが、年明け早々、存在感を示すことになった。若手コント師の筆頭というイメージだったハナコの存在を一瞬で古いものにしてしまったインパクトは、明らかに新時代の到来を象徴するものだった。

 毎年、新たなスターが生まれては消えていくお笑い界だが、今年、2024年にブレイクしそうな芸人を考えてみたい。

もちろん、令和ロマンは別格として置いておく。

 まず筆頭は、昨年の『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)で、芸歴1年目ながら堂々とした振る舞いで爪あとを残した、はるかぜに告ぐ。

 さらば青春の光・森田哲矢が「土屋アンナと深キョンみたいだった」という華やかなルックスはもちろん、『M-1』では養成所在籍中の22年に3回戦進出、昨年は2回戦どまりだったものの『THE W』でファイナルに残り、すでによしもと漫才劇場でも翔メンバーに名を連ねるなど、本業の漫才でも評価はうなぎのぼり。ツッコミ・とんずの飄々とした佇まいと、上品ながら毒を含んだ一色といろのキャラクターのコントラストもよく、大物相手にも物怖じしそうもないのもいい。

 同じ『THE W』でトップバッターを務めたまいあんつも期待の1人だ。現在のお笑い界には珍しい若手の女性ギャガーであり、フワちゃんやAマッソ・加納と親交が深いことから、フックアップにも期待できる。

渡辺直美ゆりやんレトリィバァがひとつずつステージを上げていく中で、バラエティの空いた席に飛び込んできそうだ。

 男性では、漫才コンビのケビンスとパンプキンポテトフライを挙げておきたい。

 ケビンスは結成4年目となるが、ともに何度も解散を繰り返した来た山口コンボイと仁木恭平のコンビ。コンボイは自らを「ネタが書けるツッコミ」だと思っていたというが、「元気なバカ」のボケを探していた仁木がコンボイを見出してコンビ結成。『M-1』では初年度から準々決勝に進出し、22年は準決勝に進出。敗者復活戦でも爪あとを残している。

 華のあるコンボイのキャラクターはバラエティでも即戦力に見えるし、仁木のコントロール次第では今年、『M-1』の決勝まで見えてきそうだ。コンボイはすでに『マルコポロリ!』(関西テレビ)で東野幸治にイジり倒されており、賞レースを待たずにブレイクする可能性もある。

 パンプキンポテトフライはバナナマンスピードワゴンが所属するホリプロコムの10年目。『M-1』では最高成績が準々決勝だが、昨年のワイルドカードでは目を覆いたくなるほど強烈な下ネタで度肝を抜いてみせた。

 また、谷拓哉は「ネオクズキャラ」としても局地的な注目を集めており、特にチョコレートプラネットのYouTube企画「マネーのクズ」では、その色気と話術で長田庄平シソンヌ・じろうを魅了している。こちらも『マルコポロリ!』にクズくくりで出演しており、その際もスタジオを谷一色に染めて見せた。

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 芸人にとってネクストブレイク枠というのは、期待値であると同時に呪いでもある。かつてのニューヨークやAマッソなど、「ネクストブレイク」のまま次々に後輩のブレイクを見送るという時代を過ごしたコンビもある。

 果たしてこの中から、新たなスターが生まれることはあるのだろうか。

(文=新越谷ノリヲ)