NHK

 NHKが14日に春の編成を発表した。旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)に所属するタレントのレギュラー番組8本が打ち切りになり、継続する番組でも出演者が変更される予定だと明かされた。

旧ジャニーズがNHKから姿を消すことになり、ファンから「いくらなんでもやりすぎ」と不満の声が続出するなど波紋が広がっている。

 NHKの発表によると、BSのジュニアをメインにした『ザ少年倶楽部』からリニューアルされた『ニュージェネ!』や『ザ少年倶楽部プレミアム』の後継番組『プレミセ!』は再スタートを切って間もないながら、春の改編で打ち切りが決まった。

 Eテレでは、SixTONESがMCを務めていた『バリューの真実』、WEST.の桐山照史が出演していた『言葉にできない、そんな夜。』、同じWEST.の中間淳太がMCを担当していた『世界サンライズツアー』、King & Prince永瀬廉が出演していた『とまどい社会人のビズワード講座』の4本が終了。さらに、NHKラジオ第1でA.B.C-Zの『STUDY!ぼくたちとみんなのラジオ』、Hey! Say! JUMPの伊野尾慧八乙女光らが出演していた『らじらー!サタデー』が打ち切りとなり、テレビ・ラジオ合わせて計8番組が終了する。

 これにとどまらず、Snow Manの佐久間大介が出演する『みんなの手話』(Eテレ)、TOKIO城島茂が出演する『民謡魂 ふるさとの唄』(総合)、KinKi Kids堂本光一がナレーションを担当する『The Covers』(NHKBSなど)などは「出演者を変更して継続する予定」と発表。

結果、今春より旧ジャニーズのタレントはNHKから消える見込みだ。

 「完全追放」はさすがにやりすぎ感もあるが、NHKの稲葉延雄会長は同日の定例会見で「性加害問題の補償や再発防止の取り組みなどがしっかり確認できるまで、旧ジャニーズ所属タレントの新規起用を見送る方針に変わりはない」と改めて発言。SMILE-UP.は被害者への補償などを進めているものの、稲葉会長は「我々の期待している動きに比べると少し遅いという感じがいたします」と切り捨てた。

 SMILE-UP.の公式サイトによると、補償受付窓口へ被害を申告した957人のうち、2月15日時点で補償内容の合意者数は246人、補償金の支払者数は201人となっている。「一定の進展がある」とみることもできるが、NHKとしては再発防止の取り組みなども含めて「まだ不十分で番組への起用再開はできない」という評価のようだ。

 これに対して、ネット上のファンからは「本人たちは何も悪くないのに、なんで番組を終了させる必要があるの?」「公共放送が罪のないタレントたちの活躍の場を奪うのはイジメとしか思えない」などとブーイングが巻き起こっている。

その一方で「あんな事件があったのに所属タレントを使い続けてる民放が異常なだけ」「公共放送の立場からすれば仕方ないのでは」といった意見もあり、賛否両論となっているようだ。

 民放各局においては、ドラマ、バラエティ、歌番組などで「旧ジャニーズが消える」という雰囲気はまったくない。一時はほぼ全滅状態となっていたCMへの起用も少しずつ再開されている状況だ。そう考えると、NHKの「仕打ち」はテレビ業界の中で特別に厳しいように感じられなくもない。

 NHKは昨年末の『紅白歌合戦』からも旧ジャニーズ勢を完全排除し、Snow Manらが同時間帯にライブ配信を実施して多くの視聴者を集めたことで、両者の間に大きな亀裂が入ったのではと指摘する声があった。今回の改編によってさらに確執が深まりかねず、逆に旧ジャニーズ側が「NHKと決別する」という道を選ぶ可能性もありそうだ。