東京のジャニーズJr.たちに比べて、テレビの露出がどうしても少なくなる関西ジャニーズJr.。だが、出演番組も所属人数も少ないからこそ、『まいど!ジャーニィ~』(BSフジ、日曜9時半~)では、まだ小学生の幼い子からアラサーの室龍太まで、まるでファミリーのような絡みを見られる楽しみがある。



 年長者の層が厚くないこと、さらに室や向井康二など本人たちの「面白兄さん・優しい兄さん」という資質、その双方により、東京Jr.たちに比べて、関西のちびっこたちは実に伸び伸びしているように見える。まだ幼児のように見える一方で、おじいちゃんのような貫禄もある伊藤篤志・翔真兄弟といった強烈なちびっこJr.を、お兄さん方が膝に乗せたり、かまったりするのは丸ごと可愛い図だ。

 また、ジャニーズ事務所に入ったばかりの頃には、おっとりしたしゃべりと動きと小ささが赤ちゃんのようだった大西風雅が、徐々に思春期を迎え、ローテンションで不愛想な様子をのぞかせる一方で、同世代とヤンチャにハシャいでいる素顔や、室などお兄さんたちに対する毒舌がさく裂したり、甘えたりするツンデレ具合が見られるのも一興だ。

 ところで、いま関西で、というよりもジャニーズ事務所全体として絶賛猛プッシュ中なのが、西畑大吾大西流星道枝駿佑長尾謙杜高橋恭平大橋和也藤原丈一郎の7人からなる「なにわ男子」である。デビュー前のJr.ユニットだというのに、2月3日には『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に出演。さらに、エンターテインメントのバックステージを描くフジテレビ系『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』(フジテレビ系)で2月8日放送分から3カ月の密着が特集されることも発表されている。


 この7人、全員が見た目も華やかで、人気もあって「売れそう」感がある一方で、「本当にジャニーさんが作ったのか」という疑問がどうにも拭えなかった。もちろん「ジャニーさんが作った」ことになっているのだが、ジャニーさんは最終決定のハンコを押した程度の関わりなんじゃないかと思えてならない。

 なぜなら「全員が可愛い」からだ。なにわ男子は、個性はもちろんバラバラでスター候補生ばかりの雰囲気だが、ぱっと見の印象が、綺麗な化粧箱に入った甘い洋菓子セットのようである。でも、もともとジャニーさんセンスといえば、甘い洋菓子の隣に、なぜか平然と箸休め的にガリを置いて、「お寿司の横じゃなくてお菓子の横になぜ?」「ガリの汁がお菓子に沁みちゃうじゃん!」的なハラハラ感を与えてることが多いように思うのだ。おまけに、「男子」というワードが、どうにもジャニーさんっぽくない。


 それに対して、「美 少年」や「HiHi Jets」「5忍者」「7MEN侍」は、ジャニーさんセンスでしかない。と思ったら、1月22日に発売された「Myojo」(集英社)3月号と、2月3日放送分の『まいど!ジャーニィ~』において、新しい関西ジャニーズJr.のユニット「Lilかんさい(リトルかんさい)」がお披露目された。メンバーは、西村拓哉、大西風雅、島崎斗亜、當間琉巧、岡崎彪太郎の5人で、もともとファンの間で「ちび5」と呼ばれていた14~15歳の少年たちだ。

 正統派で華のある島崎と、色白美肌でイケメン俳優のような雰囲気も持つ活発で明るい西村、ツンデレ思春期真っただ中の大西、しっかり者で頭の回転が速く個性的ルックスの當間、男っぽい顔立ちながらおっとり不思議感もある岡崎と、バランスが実に面白い。名前もソフトなジャニーさんっぽい。

 しかも、『まいジャニ』のパフォーマンスを見て驚いたのだが、歌が安定していて、すでにハモリもできて、仕上がっているのだ。
東京Jr.の「5忍者」といい、この「Lilかんさい」といい、なぜか今、中高生世代のパフォーマンスの完成度が高まっている。これも「2020」に向けての仕込みなのだろうか。
(南山ヒロミ