写真ACより

 チャンネル登録者数161万人を誇る男女コンビYouTuber・夜のひと笑いの“いたずら動画”にパクリ疑惑が浮上し、ネット上では批判が相次ぐと同時に、芸能人とYouTuberの“感覚の違い”が議論されている。

「夜のひと笑いは、パパラピーズやなえなのらが所属するマネジメント会社・GROVEに所属する元カップルYouTuberで、昨年11月に破局とコンビ活動継続を発表したことでも注目されました。

その活動はYouTube上に留まらず、昨年6月にリリースした楽曲『ミライチズ』は約3カ月でストリーミング再生1,000万回を突破。大型イベントにもたびたび出演しており、来月5日にも、タレント・みちょぱ、熊田曜子らが出演するファッションイベント『EXIA Presents 関西コレクション 2022S/S』(京セラドーム大阪)に出演予定です」(芸能ライター)

 そんな夜のひと笑いに“パクリ疑惑”が浮上したきっかけは、芸歴25年のお笑いコンビ・トータルテンボス、構成作家・パジャマとりや氏、お笑いコンビ・飯能BBQの滝口博史、ピン芸人・160cm矢崎によるYouTubeチャンネル「トータルテンボスのSUSHI★BOYS」による告発動画だ。

 同チャンネルでは、5年ほど前からトータルテンボスの藤田憲右ら芸人にいたずらを仕掛ける動画をアップしているが、藤田は2月6日に公開された動画内で、ある知り合いから「SUSHI★BOYSって、ドッキリに元ネタがある?」「パクってる?」「まったく同じことやってる人いるよ」と指摘されたと報告。これを機に藤田がYouTube動画を調べたところ、夜のひと笑いが行っていた複数のドッキリ企画と、自身が受けたいたずらが酷似していたという。

 夜のひと笑いが2020年10月15日に公開した動画「携帯無くしたと思ったらフランスパンの中に隠されてるドッキリ」に関しては、コメント欄に「すしボーイズさんの動画です!!めちゃくちゃ面白いです」と、元ネタへのリンクを貼って紹介していたものの、藤田いわく、これ以外のドッキリ動画にはこうした説明がなく、「自分たち(夜のひと笑い)の発想的な感じで映っちゃってる」ため、コメント欄に「才能がすごい」「いたずらの天才!」などと、夜のひと笑いのアイデアだと思い賞賛するネットユーザーのコメントが並んでしまっているという。

 とはいえ、SUSHI★BOYSは今回、トータルテンボス・大村朋宏が夜のひと笑いに対し「共存共栄しませんか? 『SUSHI★BOYSさんから拝借しました』の一言を言ってくれたら、いくらでも俺たちは(いたずらの)レシピ送るし」とメッセージを送るなど、オマージュされることに関しては寛容な反応を見せていた。


 ただ、夜のひと笑いが元ネタを伏せていることに対して、藤田が「倫理観とかないの?」「芸人の中だと、ネタをパクるって大罪なわけよ。タブー中のタブー」と疑問を呈す場面も。ほかにも「俺さあ、悲しいんだよ……」「すっげえ頑張ってんじゃん」「ひねり出したことを、いとも簡単に何もしないでひょいっと(マネされて)」「お前らかわいそうだよ」と嘆いており、藤田はネタを考えているほかのメンバーを気遣った。

 また、SUSHI★BOYSと比較して、夜のひと笑いのチャンネル登録者数や再生数のほうが圧倒的に上であることを挙げ、大村は「俺たちより見られてるというね。収益を上げているっていうね」と自虐。これには、藤田も「こんなか弱い俺たちから拝借するって、もうこれはいじめだぜ。

“泥棒いじめ”だよ、ホントに」と憤慨していた。

 一方で、トータルテンボスの2人は今回の動画をアップした意図について「せめてうちのチャンネルを見てる人たちには、わかってほしくて」と説明し、「あちらに攻撃みたいのはいらない」「穏便にいきましょう。大人の対応で」としていたが、夜のひと笑いの最新動画のコメント欄には、早速「人の作品を自分の手柄にするとか、最低ですね」「SUSHI★BOYSがかわいそう」「謝罪動画、まだ?」といった批判的な書き込みが続出している。

 なお、藤田が動画内で「パクられた」と訴えていたSUSHI★BOYSの動画は、藤田の風呂が上りに大村が青い絵の具がついたタオルを渡す「風呂上がりのアバター」(17年6月公開)をはじめ、「ウイダーインケチャップ」(17年7月)、「絵の具おしぼり」「絵の具歯磨き」「のりリップクリーム」(いずれも17年12月)、「靴ひもカレーうどん」(18年2月)など。実際、夜のひと笑いは、これらと酷似したドッキリを、女性メンバー・いちえが男性メンバー・こうに仕掛ける動画をアップしてきた。


「例えば、夜のひと笑いが20年11月に公開した動画『エナジードリンクの中ケチャップに入れ替えてみた飲ませてみた』は、冒頭でいちえが『神ドッキリを仕掛けていきたいと思います!』とした上で、SUSHI★BOYSの名前は出さずに視聴者にドッキリの内容を説明。

200万回再生を超える人気動画となっています。元ネタと思しきSUSHI★BOYSの動画と比較すると、ドッキリに至る流れなどにオリジナル要素が見られるものの、いたずら自体はほとんど一緒です」(同)

 ネット上では、夜のひと笑いに批判が寄せられる一方で、YouTuberが既存のネタを使って動画を作ることに関して、「仕方ない」「文化の違い」と一定の理解を示す声も目立ち、賛否両論のようだ。

「ネット上では、『そもそも誰かのネタを真似て成長してきた業界だし、そこに芸能界のルールを持ち込むのはどうなの?』『YouTuberは芸能界と違って干されることがないから、やったもん勝ち』『YouTuberって“みんなやってる”ことに抵抗がないから、人のアイデアに対する敬意なんか持ってないでしょ。単なる感覚の違い』といった声も。夜のひと笑いも、数多のYouTuberがやってきたネタ・メントスコーラをやる感覚で、SUSHI★BOYSのいたずらネタを真似たのかもしれません」(同)

 今や、芸能人に劣らないほどの影響力を持っている夜のひと笑いだが、今後、どのように対応するのか注目したい。