下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

いしだ壱成の“ツインソウル”“多重人格”“入院”……女性週刊...の画像はこちら >>
「週刊女性」6月21日号(主婦と生活社)

 コロナ禍で延期されていた市川海老蔵13代目市川團十郎白猿の襲名披露が、ついに行われることになった。

めでたい。海老蔵の襲名ではない。勸玄くんが8代目市川新之助になることのほうだ。幼い身に悲しいこと、大変なことがいろいろ降りかかった勸玄くん。見ていてハラハラドキドキ。立派に成長してほしいと願うばかりだ。

第604回(6/1~6/1発売号より)
1位「いしだ壱成 『上京時の所持金は7000円 河相我聞くんにもお金を借りました』」(「週刊女性」6月21日号)
参照「いしだ壱成 『奇行撮! “医療大麻”吸引』と『ずぶ濡れ通勤』(「女性自身」6月21日号)
参照「いしだ壱成 『芸能界に戻りたいから…入院することにしました!』」(「女性セブン」6月16日号)
2位「宇多田ヒカル 『週3回も精神分析』解けぬ母の呪縛9年」(「女性自身」6月21日号)
同「宇多田ヒカル 『母の死』告白で秘した『病床の父』」(「女性セブン」6月16日号)
3位「ビッグダディ 息子が巨額借金で失踪『大家族で返済中です』」(「女性セブン」6月16日号)

 やはり心配だ。いしだ壱成。先週「週刊女性」が壱成の近況とその告白を報じたが、今週も引き続き壱成の告白特集を掲載していて、さらに心配になった。いや、「週女」だけではない。今週は「女性自身」「女性セブン」と女性週刊誌全誌が壱成ネタを扱うという珍事が起こっているのだが、それらを総合すると、さらに心配になる。

 まずは、このネタに関し独走状態(笑)にある「週女」から。

記事のキーワードは“ツインソウル”である。なんのこっちゃと思うだろう。筆者もそう思う。しかし壱成が多用するこの“ツインソウル”という言葉は、“魂の片割れ、心が共感した関係”“魂の恋人”なのだという。そして壱成の近況はツインソウルを軸に展開していく。

 石川県での離婚後、男性支援者2人を得て群馬のホテル合宿暮らしを始めたが、金銭トラブルで逃げるように上京。

ここまでが「週女」が先週報じた内容だ。そして今週はというと――。

1. 上京した時、所持金が7,000円だった壱成が思い出したのがSNSで知り合った中部地方に住む“ツインソウル”Aさん。以前から資金援助を受けていたこともあり連絡を取ると、すぐに自宅に呼ばれ居候をする。が、プラトニックな関係で、4月上旬に壱成が再上京したのを機に同居を解消する。

2. 以前から壱成のライブ配信にコメントをくれていた主婦Bさん。

5月14日に都内のイベントで初対面を果たすが、ひと目で“ツインソウル”と確信した壱成は、その場でマネジャーを依頼。Bさんはその後仕事にも同伴、さらに霊視もできて、夫婦で壱成を援助している。

3. SNSがきっかけで知り合った会社経営の女性社長Cさん。時々おいしいものを食べさせてもらったり、仕事を紹介してもらう“ツインソウル”らしい。

4. SNSで知り合った看護師のDさん。ホテルでの待ち合わせを提案され、会った途端“ツインソウル”だとわかったらしい。

そのままベッドを共にして恋人に。

5. SNSで5月27日に新マネジャー“ゆうちゃん”を発表。しかしテレビ業界人の彼女は“ツインソウル”でないらしい。

 以上が壱成自身の口から出た彼の近況だ。短期間にSNSを通し次々と現れる“ツインソウル”。先日、海老蔵がSNSでナンパを繰り返し、多重交際をすっぱ抜かれたが、壱成のほうはSNSで“ツインソウル”、もとい“スポンサー”“支援者”探しということなのか。

 しかし精神が不安定だという壱成の周りに集まるこれらの人々が善意の支援者なのか、はたまた何かの意図があるのか、“ツインソウル”というあまりにスピリチュアルな響きとともに心配になる。

 そして壱成の口から飛び出した驚き発言は、これだけではなかった。

「現在、解離性障害に加えて多重人格と診断されていて、自分の中に11人の人格があるんですよ」

 躁うつ病を告白していた壱成だが、多重人格というのは衝撃的な言葉だ。だが、このことを前提に、「女性自身」の以下の記述を読んでほしい。

「困るのは仕事の約束をしても、本人が忘れて、約束自体を覚えていないことも。本人いわく『もう一人の自分が約束した』そうです。父・純一さんもかなり心配していると聞きました」(いしだの知人コメント)

 知人が心配するのはもっともだろう。そして「女性セブン」では、まわりにこれ以上迷惑をかけないため、また芸能界復帰のため2週間から2カ月ほどの入院を決意したことを壱成自身が語っている。

 前途はまだまだ多難なようだが、トラブルではなく復帰して活躍する壱成の記事を、女性週刊誌全誌で読んでみたいものだ。

 そして「女性自身」「女性セブン」の2誌が取り上げているのが宇多田ヒカルの近況ネタだ。ネタ元は宇多田が8ページにわたりインタビューを受けたファッション雑誌「VOGUE JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)から。誌上での宇多田の発言を受け、「自身」と「セブン」がいろいろ“解説”を繰り広げているのだが、その対比が興味深い。

 まずは「自身」。宇多田が9年近く、週3という頻度で精神分析を受け続けているとの発言をクローズアップした。記事によると精神分析とは心理カウンセリングとは違い、無意識の領域を扱うもので、頭に浮かんだことを話し、分析家が解釈、生きづらさを感じている人に最も効果があるのだとか。なるほど、知らなかった。

 さらに精神分析に取り組むようになったのは自殺した母・藤圭子の影響が強く、その関係を「“いかに清算していくか”ということが、治療の焦点」だと説明、治療によって「そこから解放された」と精神分析家による解説を掲載している。

 一方の「セブン」は捻りが、そして視点が一味違った。インタビューでは母親や私生活にかなり踏み込んだ発言をしているが、しかし父親であり音楽プロデューサーであり、天才・宇多田ヒカルを二人三脚で育て上げた宇多田照實氏についてほとんど語っていない、ということに焦点を当てたのだ。

 そして実は現在、照實氏は自宅である都内の高級マンションには住んでおらず、“病床に伏しているなど、体調がすぐれない”のではという近況、そのことを宇多田も心配し、精神的動揺も少なくないこと、さらに個人事務所に初めて家族以外の役員を就任させる“準備”もしているなど、2人の状況の変化を報じている。

 同じインタビュー記事から発生した2つの女性週刊誌記事。比較すると「セブン」のほうが目の付け所が“芸能記者のプロ”っぽいと思った。

 かつては大きな世間の注目を浴びていたビッグダディこと林下清志一家。ドキュメンタリー番組が終了しても、時折家族を含めたお騒がせ情報がもたらされていたが、今度もびっくり。三男が1,700万円もの借金をして失踪、で、家族でその返済をしているのだとか。が、本来、子どもの借金を親や家族が返済する義務はない。連帯保証人にでもなっていたのか?