では、そんな中で国内旅行の候補先として人気の都道府県&市区町村はどこなのか。ブランド総合研究所が行った「都道府県&市区町村の観光意欲度ランキング2019」を見ていこう。
このランキングは、47都道府県と国内1000の市区町村を対象にした、認知度や魅力度、イメージなど全84項目からなる「地域ブランド調査2019」によるもので、今年で実施は14回目。「今後、各自治体に観光や旅行に行きたいと思いますか?」という問いに対して、「ぜひ行ってみたい」を100点、「機会があれば行ってみたい」を50点、「どちらもいえない」「あまり行きたいとは思わない」を0点として、加重平均した数値を算出した(有効回答数:全国3万1369人)。
都道府県1位は11年連続の北海道!トップ5の顔触れは2009年から変わらず
2019年の都道府県の「観光意欲度ランキング」1位に選ばれたのは北海道で、なんと09年から11年連続のトップとなった。点数は11年以降、低下する傾向にあったが、16年(60.1点)を底に下げ止まり、今回は61.8点となった。
2位は京都府、3位沖縄県、4位東京都、5位奈良県が続き、上位5位までの顔ぶれは09年から全く同じ結果となった。
2位を維持したものの…京都府が点数大幅ダウンの理由は?
今回の観光意欲度ランキングで、大きな変化が見られたのが京都府の点数だ。順位こそ昨年に引き続き2位だったものの、昨年の57.1点から今年は52.6点へと、4.5ポイントも低下している。
調査の結果を詳しく見ていくと、「ぜひ行ってみたい」と回答した人の割合は昨年の33.8%から32.5%へとダウン。年代別に見るとより顕著で、20代で「ぜひ行ってみたい」と答えた人は昨年の42.0%から29.7%へ、70代以上についても34.7%から25.5%へと大きく減少している。
同じくブランド総合研究所が行った都道府県の「情報接触度」に関する調査を見ると、北海道や大阪府など多くで情報接触度が昨年よりも上昇したのに対し、京都府は全47都道府県の中で最も点数が低下している。
情報接触経路を具体的にみていくと、「旅やグルメに関するテレビ番組」を挙げる人の割合が昨年の39.9%から34.1%と5.8ポイントも低下。さらに「旅行・グルメに関する記事やガイドブック」も昨年の20.0%から17.5%にダウンしている。ならばインターネットでの情報接触が増えたのかというとそうでもなく、「旅行・観光情報サイト」は、昨年の23.4%から20.8%に下がった。
そうはいいつつも、上記の項目はすべていまだに2位を維持している一方で、情報接触経路の「友人や知人・家族から」という項目は昨年の2位(13.5%)から9位(7.8%)に大幅にダウンした。このことから、京都府はさまざまな媒体での観光情報の露出のみならず、口コミをもとにした観光戦略も大きく見直すべきタイミングに来ているようだ。
(ダイヤモンド編集部 林 恭子)