イチケンが、2020年3月期の期末配当で「1株あたり10円」の「創立90周年記念配当」を実施すると、2020年2月28日の16時30分に発表した。普通配当は前期の配当と同額の「80円」のため、記念配当が実施される分、前期比で10円の「増配」となる見込みだ。

 イチケンは2020年3月期の予想配当を、普通配当「80円」、記念配当「10円」、合計の年間配当額を「1株あたり90円」と発表した。なお、イチケンは中間配当を実施しておらず、配当は期末配当(3月)のみの実施。

 2019年3月期の配当は「1株あたり80円」だったので、前期比で「10円」の増配となる。今回の増配発表により、イチケンの配当利回り(予想)は5.21%⇒5.86%にアップしている。
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 イチケンは建設企業のため、業績が大型案件の動向や景気に左右されやすい。しかし、「配当の安定的な実施」にも重点を置いた配当政策をとっており、2011年3月期以降は「非減配」が続いている。

イチケンの2020年3月期の業績は減収減益予想だが、増配が予想通り実施されれば「非減配」も継続されることになる。

イチケンの過去12期の配当の推移は?■イチケン(1847)の過去12期の配当の推移期年間配当額 期年間配当額2009/335円2015/335円2010/325円2016/340円2011/325円2017/345円2012/325円2018/380円2013/325円2019/380円2014/325円2020/390円
(予想)

 イチケンの2020年2月28日時点の株価(終値)は1535円なので、記念配当を加味した場合の配当利回り(予想)は以下のようになる。

【※イチケンの配当利回り】
株価:1535円
年間配当額:普通配当80円+記念配当10円=90円
配当利回り=90円÷1535円×100=5.86%

 イチケンの配当利回りは5.86%(記念配当を加味しない場合は5.21%)。2020年1月の東証1部の平均利回りは2.00%(配当実施企業のみ)なので、イチケンの配当利回りは「かなり高め」と言えるだろう。なお、イチケンは株主優待を実施していない。
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 イチケンは商業施設の建築及び内改装工事を中核とする総合建設企業。

スーパーマーケットや物販店舗といった商業施設以外にも、住居施設や公共施設など幅広いジャンルの施設建築を手掛ける。2020年3月期(通期)の連結業績予想は、売上高6.2%減、営業利益11.2%減、経常利益12.9%減、当期利益11.3%減と軟調(すべて前期比)。

■イチケン業種コード市場年間配当額建設業1847東証1部90円株価(終値)単元株数最低投資金額配当利回り1535円100株15万3500円5.86%※株価などのデータは2020年2月28日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。