マルシェ株式会社が、「株主優待飲食券」などがもらえる株主優待を変更することを、2020年3月13日の16時に発表した。株主優待に実施回数が年2回⇒年1回になり、優待品の「株主優待ご飲食券」の額面も半減する。

 マルシェの株主優待は、これまで毎年3月末と9月末の年2回実施されており、内容は「100株以上の株主に、保有株数に応じて『株主優待飲食券』を年2回贈呈。1000株以上の株主には、選択制の株主優待品も年2回贈呈」というものだった。

 しかし、今後は株主優待の内容は変わらないものの、贈呈回数が“9月末のみ”の年1回に変更される。よって、もらえる「株主優待飲食券」などが半減することになる。

 なお、変更の理由は「昨今は業績の低迷が続いており、当社といたしましては、早急に業績を回復させ財務体質を強化する事が株主様の長期的な利益につながると考え」たため、とのことだ。

 この変更は2020年3月末の権利確定分から適用となるため、2020年3月末は株主優待を受け取ることができず、次回の株主優待は2020年9月末の株主を対象に実施される。


【※2020年4月1日追記】
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2019年9月末の株主に贈呈された「株主優待飲食券」の有効期限が延長に。従来は2020年6月末まで有効だったが、2020年12月末まで有効と変更された。また、「樂待庵」天満橋店では、「株主優待飲食券」を利用する場合に、飲食1回につき利用人数の2倍枚数分までしか利用できない、という制限があったが、2019年9月末の株主に贈呈された分については、制限なしで利用できる。

マルシェの株主優待制度の変更前と変更後(変更前) 基準日 保有株式数 株主優待内容 3月末・9月末 100株以上 株主優待飲食券(1000円分を3枚)×年2回 500株以上 株主優待飲食券(1000円分を15枚)×年2回 1000株以上 ◆株主優待飲食券(1000円分を25枚)×年2回
◆選択制の株主優待品×年2回(変更後) 基準日 保有株式数 株主優待内容 9月末 100株以上 株主優待飲食券(1000円分を3枚) 500株以上 株主優待飲食券(1000円分を15枚) 1000株以上 ◆株主優待飲食券(1000円分を25枚)
◆選択制の株主優待品 備考 ※株主優待飲食券は飲食1回につき1人1枚利用可。ほかのサービス券との併用不可。マルシェの株主優待利回りは?

 マルシェの2020年3月13日の株価(終値)は555円なので、株主優待利回りを計算すると、以下のようになる(※株主優待品は価格不明のため、優待飲食券のみ考慮して算出)。

【変更前】
(100株保有の場合)
投資金額:100株×555円=5万5500円
優待品:優待飲食券6000円分
優待利回り=6000円÷5万5500円×100=10.81%

(500株保有の場合)
投資金額:500株×555円=27万7500円
優待品:優待飲食券3万円分
優待利回り=3万円÷27万7500円×100=10.81%

(1000株保有の場合)
投資金額:1000株×555円=55万5000円
優待品:優待飲食券5万円分
優待利回り=5万円÷55万5000円×100=9.00%

【変更後】
(100株保有の場合)
投資金額:100株×555円=5万5500円
優待品:優待飲食券3000円分
優待利回り=3000円÷5万5500円×100=5.40%

(500株保有の場合)
投資金額:500株×555円=27万7500円
優待品:優待飲食券1万5000円分
優待利回り=1万5000円÷27万7500円×100=5.40%

(1000株保有の場合)
投資金額:1000株×555円=55万5000円
優待品:優待飲食券2万5000円分
優待利回り=2万5000円÷55万5000円×100=4.50%

 マルシェの株主優待は、自社が展開する居酒屋チェーン「酔虎伝」や「八剣伝」などで利用できる優待飲食券などで、従来は年2回の実施だったが、今後は年1回の実施となってしまった。変更前の株主優待利回りは100株保有時で10.81%もあったが、変更後は半減して5.40%に。それでも十分高いとはいえ、今期の業績は大幅に悪化する予想なので、株主優待を目的に保有を検討するのは要注意だ。
【※2020年4月1日追記】
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、2019年9月末の株主に贈呈された「株主優待飲食券」の有効期限が延長に。従来は2020年6月末まで有効だったが、2020年12月末まで有効と変更された。また、「樂待庵」天満橋店では、「株主優待飲食券」を利用する場合に、飲食1回につき利用人数の2倍枚数分までしか利用できない、という制限があったが、2019年9月末の株主に贈呈された分については、制限なしで利用できる。

 マルシェは「酔虎伝」や「八剣伝」などの居酒屋チェーンを展開する大阪府阿倍野区の企業。2020年2月14日に、2020年3月期(通期)の連結業績予想を下方修正し、年間配当金の予想を10円⇒5円(期末配当を無配)に修正。連結業績予想は、すべて前期比で売上高は増減なし、営業利益は201.4%減、経常利益は136.3%減、当期純利益は653.3%減。一部店舗の閉店に伴って特別損失を計上したほか、消費税の増税や自然災害などの影響により、直営店舗の売上高が計画を下回る見込みとなったことなどが減益要因に。

■マルシェ業種コード市場権利確定月小売業7524東証1部9月末株価(終値)必要株数最低投資金額配当利回り555円100株5万5500円0.90%※株価などのデータは2020年3月13日時点。最新のデータは上のボタンをクリックして確認してください。

※「必要株数」は株主優待の獲得に必要な株数、「最低投資金額」は株主優待の獲得に最低限必要な資金を指します。