エレコムは、2021年3月期の配当を前期比で「増配」とする予想を、2020年6月5日の15時30分に発表した。これにより、エレコムの配当利回り(予想)は1.33%となり、「連続増配期間」は"10期"から"11期"に更新される見通しとなった。

 エレコムが発表した2021年3月期の配当予想によると、2021年3月期の予想配当は中間配当(9月)が「33円」、期末配当(3月)が「33円」、合計の年間配当額は「1株あたり66円」となっている。

 エレコムの2020年3月期の配当は「1株あたり61円」だったので、前期比で「5円」の増配となる。今回の増配発表によって、エレコムの配当利回り(予想)は1.33%となった。
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 エレコムはこれまで2021年3月期の業績予想と配当予想を「未定」としていたが、「政府により緊急事態宣言が解除されたことや、2020年4月~5月の売上高の実績から、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響はエレコムグループにおいて限定的」と判断したことにより、業績予想と配当予想を公表したとのこと。

 なお、エレコムの2021年3月期の業績予想は、「テレワーク需要の拡大および政府による『1人1台端末』の早期実現を目的とした『GIGAスクール構想』が今年度補正予算案に計上され、その需要拡大が見込まれること」により、「増収増益」の予想となっている。

エレコムの過去12期の配当の推移は?■エレコム(6750)の過去12期の配当の推移期年間配当額 期年間配当額2010/37.5円2016/340円2011/310円2017/345円2012/315円2018/350円2013/317.5円2019/356円2014/320円2020/361円2015/330円2021/366円
(予想)

 エレコムは2011年3月期から連続増配を継続している。そのため、2021年3月期の配当予想「1株あたり66円」が予想通りに実施されれば、”11期連続増配”を達成することになる。
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 また、エレコムの配当額の伸び具合にも注目しておきたい。連続増配が始まる直前の2010年3月期から2021年3月期までの11年間で、エレコムの年間配当額は「1株あたり7.5円」から「1株あたり66円」まで、8.8倍に増加している。
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 配当が増えているということは業績が好調な証拠でもある。実際に、エレコムの株価は東証1部に上場した2013年3月の終値687円から本日(2020年6月5日)の終値4940円まで、7.1倍に上昇している。なお、エレコムの株価は「コロナ・ショック」で一時的に下落したものの、2020年5月29日には上場来高値である5180円を記録している。

■エレコム(6750)の株価チャート/月足・2013年3月~本日(2020年6月5日)

エレコムの配当利回り、配当+株主優待利回りは?

 エレコムの2020年6月5日時点の株価(終値)は4940円なので、配当利回り(予想)は以下のようになる。

【※エレコムの配当利回り】
株価:4940円
年間配当額:中間33円+期末33円=66円
配当利回り=66円÷4940円×100=1.33%

 エレコムの配当利回りは1.33%。2020年5月の東証1部の平均利回りは2.14%(配当実施企業のみ)なので、エレコムの配当利回りは「やや低め」と言える。

 また、エレコムは保有株式数に応じて「QUOカード」や「自社製品」が貰える株主優待を実施している。

■エレコム(6750)の株主優待の内容 基準日 保有株式数 株主優待内容 3月末・9月末 100株以上 ◆QUOカード:1000円分×年2回=2000円分
◆自社製品:2000円相当 1000株以上 ◆QUOカード:1000円分×年2回=2000円分
◆自社製品:5000円相当

 エレコムの2020年6月5日時点の株価(終値)は4940円、配当利回りは1.33%なので「配当+株主優待利回り」を計算すると、以下のようになる。

【※エレコムの配当+株主優待利回り(100株保有時)】
投資金額:100株×4940円=49万4000円
優待品(QUOカード):2000円分
優待品(自社製品):2000円相当
株主優待利回り=(2000円+2000円)÷49万4000円×100=0.81%
配当+株主優待利回り=1.33%+0.81%=2.14%

【※エレコムの配当+株主優待利回り(1000株保有時)】
投資金額:1000株×4940円=494万円
優待品(QUOカード):2000円分
優待品(自社製品):5000円相当
株主優待利回り=(2000円+5000円)÷494万円×100=0.14%
配当+株主優待利回り=1.33%+0.14%=1.47%

 エレコムの「配当+株主優待利回り」は100株保有時で2.14%。決して高い利回りとは言えないが、2018年12月~2020年5月の1年半で株価が約2倍に上昇していることも利回りが低下している要因の一つ。2021年3月期で”11期連続増配”を達成する見込みでもあるので、今回の増配を機に長期保有を検討する価値は十分にありそうだ。
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 エレコムは、ネットワーク関連製品やパソコン周辺機器などを開発・製造・販売している大手メーカー。スマートフォン・タブレット関連の製品も扱う。2021年3月期(通期)の連結業績予想は、売上高4.1%増、営業利益4.8%増、経常利益4.4%増、親会社株主に帰属する当期純利益1.8%増と堅調(すべて前期比)。
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■エレコム業種コード市場年間配当額(予想)電気機器6750東証1部66円株価(終値)単元株数最低投資金額配当利回り(予想)4940円100株49万4000円1.33%※株価などのデータは2020年6月5日時点。
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