では、そんな就活生も注目の「社会貢献活動をしている企業」として、世間から高く評価されているのはどの企業なのか。
ブランド総合研究所の実施した『企業版SDGs調査2020』では、あらゆるステークホルダー約1万人が調査対象である日本を代表する企業210社のSDGsへの取り組み全体を評価するとともに、各社のESG活動(「環境に配慮している」「地域に貢献している」など)20項目についてもそれぞれ評価している。
今回はその企業のESG活動への評価の中から「社会貢献活動をしている」という項目で高評価を受けた企業をランキング形式で紹介していこう。
※アンケートはインターネットにて実施。投資経験者、ビジネスマン、SDGs認知者、専業主婦、若年層などのステークホルダー1万500人から回答を得た。調査時期は2020年3月。対象企業210社の中から回答者にはそれぞれ10社を提示し、各社において「社会貢献活動」などのイメージ項目から、該当するものを選んでもらった。今回のランキング表は、その各社ごとの割合を高い順にランキングにしたものになる。また今回、一部の企業については企業名ではなく、より消費者に親しみのある企業を代表する「ブランド名」で調査を行っている(例:ファーストリテイリングは「ユニクロ」で調査した)。
社会貢献活動に熱心なイメージが強い企業1位はトヨタ自動車、2位はクボタに
「社会貢献活動をしている企業ランキング」1位には、トヨタ自動車が選ばれた。同社に「社会貢献活動をしている」というイメージを持つ人は、全体の13.9%に上っている。
2位はクボタ(13.4%)、3位はサントリー(12.6%)、4位はイオン(12.6%)、5位は日本マクドナルド(12.6%)となった。
クボタが2位に食い込んだ理由
今回の調査では、メーカーからサービス業、流通などさまざまな業界の企業がランクインする結果となった。中心はBtoCビジネスを展開する一般消費者に身近な企業だが、これらの企業に交じって異彩を放っているのが2位のクボタだ。
同調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、クボタの社会貢献活動について以下のように語る。
「クボタは農業機械や建設機械、水処理システムなどの産業用ディーゼルエンジンを扱うメーカーであり、普段の生活でなじみみがある人は多くないだろう。しかし、クボタの農機は東南アジアを中心に高い支持を集めており、性能や耐久性、アフターサービスの迅速さでこれらの国々における農業の発展を支えている」
それを踏まえた上で同研究所の森祐美子さんは、クボタが上位にランクインした結果について以下のように分析する。
「クボタは近年、長澤まさみさんを起用し、世界の『食』や『水』を支えてきたことを伝える印象的なテレビCMを流してきた。具体的に何をしている会社かCMを見ただけではわからなくても、社会貢献活動をしてきたイメージの定着にはこれが大きく寄与したのではないか」
事業を通じて社会貢献をするというのは、これから就職する若者には魅力的に映ることだろう。就活生がこれから企業研究などをするにあたっては、普段目にすることの多い一般消費財を扱う企業だけでなく、クボタのように陰で私たちの生活や困難な状況にある世界の人々を救う企業にも目を向けてほしい。
(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)