今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「中国・四国地方で年収が高い企業ランキング」を作成した。なお、このランキングでは、中国・四国地方(鳥取、島根、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知の9県)に本社を置く上場企業を対象とした。
本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。単体の従業員数が20人未満の企業は除外している。対象期間は、2019年6月期~20年5月期。

 早速、ランキングを確認していこう。

1位はローツェ
電力会社に強い雇用力

 1位となったのは、ローツェ。平均年収は939.8万円だった。ローツェは、広島県福山市に本社を持つ半導体関連装置などを製造するメーカーだ。業績は好調で、特に目を引くのが利益率の高さだ。20年2月期の連結決算では売上高371億円に対し、営業利益は77億4300万円。営業利益率は約20%となっている。

 2位は岡山県岡山市に本社を置くベネッセホールディングスで、939.5万円。ベネッセホールディングスの傘下には、通信教育「進研ゼミ」を運営するベネッセコーポレーションなどがあり、教育や介護、保育事業などを手掛ける。

平均年収が900万円を超えたのは、ローツェとベネッセホールディングスの2社のみだった。

 続いて、844.3万円で3位となったのは、トモニホールディングス。傘下に徳島大正銀行と香川銀行を置く持ち株会社だ。徳島大正銀行は20年1月に、旧徳島銀行と大阪府に本店を置いていた旧大正銀行が合併して誕生した。

 4位には四国電力(774.5万円)、5位には中国電力(760.8万円)がランクインした。大手電力会社の存在感は、まだまだ地方では大きいといえる。「北海道・東北地方で年収が高い企業ランキング」においても、東北電力が1位、北海道電力が3位にランクインしている。

 注目すべきは従業員数だ。四国電力が4409人、中国電力が8256人(どちらも単体)と、その数からも地域の雇用を支えていることが分かる。なお、8位の中電工(708.6万円)は中国電力系の電気工事会社だ。中電工も単体従業員数が3379人と、地域における大きな雇用力を発揮している。

 今回、年収が650万円を超えた企業は22社だった。

 ランキング完全版では、11位以下の計50社を掲載しているほか、平均年収が650万円を超えた22社の業種や本社所在地の県による傾向を分析している。ぜひチェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

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