平均年齢30代で
平均年収3000万円台の企業とは?

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「従業員の平均年齢が30代で年収の高い企業ランキング」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。

単体の従業員数が20人未満の企業は除外している。対象期間は、2019年6月期~20年5月期。

 早速、ランキングを確認していこう。

 1位となったのはM&Aキャピタルパートナーズ。平均年収は3109.3万円で、ランキング唯一の3000万円台である。平均年齢は31.2歳で、平均年収800万円を超えた企業の中では、最も若い。

 業種は「サービス」で、中堅・中小企業をメインターゲットに、事業承継や譲渡を含むM&A(企業の合併・買収)の仲介サービスを手掛けている。

 従業員に対して業績評価型のインセンティブ制度などを充実させていることが高給の一因でもあるが、売上高の増減と連動して給料が変動しやすいという特徴がある。従業員にとっては一長一短といったところだろう。このランキングの調査期間に該当する第14期(2019年9月期)の売上高は、前年比57%増の125.9億円と好調だったため、従業員の年収にも強い追い風となっただろう。

 なお、今回のランキングには該当しないが、第15期(2020年9月期)の売上高はコロナ禍の影響もあって118.7億円に減収したため、従業員のインセンティブ賞与に響き、平均年収は2269.9万円だった。

 2位はイー・ギャランティで、平均年収は2413.1万円だった。

同社の業種は「その他金融」で、売掛債権の保証を手掛けている企業だ。

 ただ、18年4月~19年3月の年収をチェックすると、485.1万円と約5分の1にすぎない。これは、同社が導入している、従業員に自社の株式を給付する株式給付信託(日本版ESOP)が満期を迎えたため、ランキングの対象期間だけ「一部の社員の給与が高くなった」(IR担当者)ことによる影響が大きいという。(参照:https://diamond.jp/articles/-/244749

 3位は、キーエンスで1839.2万円。同社は大阪府にある検出・計測制御機器大手で、「年収が高い会社ランキング」常連である。ランキングトップ10のうち、9社の従業員数が1000人に満たない中、同社は2511人と多いのも特徴的だ。

 4位はヒューリックで、1761.0万円。旧富士銀行(現みずほ銀行)の銀行店舗ビル管理が発祥の大手不動産だ。

 5位は、日本M&Aセンターで1353.3万円、6位はストライクで、1343.9万円、7位はフロンティア・マネジメントで、1239.9万円。これら3社は、M&A仲介および経営コンサルティングなどを行っている。1位のM&Aキャピタルパートナーズもそうだが、この業界は若くても平均年収が高い企業が多い。

 8位は三井住友FGで、1157.6万円。

銀行で唯一、トップ10入りした。平均年齢は39.8歳と40代一歩手前だが、メガバンクで平均年齢が30代なのは、同社だけだ。

 9位は、シグマクシスで、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援するコンサルティング業などを行っている。平均年収は1152.8万円だった。

 10位は、ジャストシステムで、ソフトウェアの企画・開発事業などを行っている。タブレットで学ぶクラウド型通信教育「スマイルゼミ」も提供していて、テレビCMなどで聞いたことがある人も多いだろう。平均年収は1145.2万円だった。

 ランキング完全版では、11位以下の計500社を掲載しているほか、平均年収が800万円以上の69社を業種別に分析した。ぜひチェックしてほしい。

(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

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