平均年収は300万円に届かず
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が低い会社ランキング【平均年齢30代・従業員100人未満】」を作成した。対象は、平均年齢が30代で、単体従業員数100人未満の上場企業。
早速、ランキングを確認していこう。
1位は、HANATOUR JAPANで、平均年収は291.0万円、平均年齢は31.7歳だった。同社は、韓国の大手旅行会社ハナツアーの日本法人で、訪日観光客(インバウンド)向けに旅行事業などを行っている。
コロナ禍の影響を受け、20年12月期の売上高は前期比85.6%減の9.5億円で、営業損益は21.9億円の赤字、当期純損益も28.6億円の最終赤字となった。19年12月期の平均年収は293.1万円で、20年12月期は2.1万円減にとどめている。ただし、希望退職者の募集に伴い従業員数は激減しており、19年12月期は159人だったが、20年12月期は90人になっている。
22年度から旅行需要の回復を見据え、営業を強化しているが、果たしてコロナ禍は終息に向かうのか。観光業界の期待と懸念がうずまいている。
2位は和雑貨販売や着物レンタル3位は老舗食料品メーカーで324.5万円
2位は和心で、平均年収は315.3万円、平均年齢は30.6歳だった。コロナ禍の影響をもろに受けていて、売上高が激減し続けるという苦況にあえいでいる。
というのも、同社は主に観光客をターゲットにした事業を行っているからだ。2003年創業で、「日本のカルチャーを世界へ」を経営理念に掲げ、かんざしや和傘、箸など和雑貨の企画・販売のほか、全国の主要観光地で着物のレンタルサービスを展開してきた。しかし、コロナ禍でインバウンド需要が消滅。19年12月期に91店あった店舗数は43店に減り、従業員も89人から45人に半減している。なお、21年12月期の売上高も著しく減少し、赤字が続き、債務超過に陥っている。
3位は新潟市に本社を置く、1916年創業の老舗食料品メーカーのセイヒョーだ。平均年収は324.5万円、平均年齢は39.9歳だった。主に氷菓子やアイスクリーム、和菓子の製造・販売を行っている。アイスキャンディーの「もも太郎」やカップ入りかき氷の「いちごフロート」が新潟県内では有名で、4月中旬から「楽天市場」にも出店するなどし、全国的な知名度向上を図っている。
4位は、宮城県石巻市に本社を置く、木材の製材や住宅資材の販売などを手掛けている山大だった。平均年収は326.0万円、平均年齢は38.0歳だった。
5位は三重県四日市市に本社を置くアップルインターナショナルで、平均年収は328.4万円、平均年齢は32.8歳だった。
ランキングの完全版では、6位以下の全300社を掲載している。年収400万円未満の26社の傾向も業種別に分析しているので、ぜひチェックしてみてほしい。
(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)