電通・博報堂の
「年収格差」はいくら?

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って「年収が高い広告会社ランキング」を作成した。本社所在地はダイヤモンド社企業情報部調べ。

単体の従業員数が50人未満の企業は除外している。対象期間は2021年4月期~22年3月期。

 広告業界の中でランキング上位に入った企業の顔触れは、どうなっているのか。早速、ランキングを見ていこう。

 1位は言わずと知れた、広告代理店最大手の電通グループだ。平均年収は1295.0万円、平均年齢は45.7歳、従業員数は181人となっている。

 このランキングで分析対象とした21年12月期の業績は、売上高が前期比15.6%増の1兆856億円、営業利益が2418億円(前期は1406億円の赤字)、純利益が1084億円(前期は1596億円の赤字)。

 東京・汐留の本社ビルを売却して約892億円の売却益を得たこともあり、新型コロナウイルス禍の影響による赤字を脱却していた。

 ただ、22年12月期は売上高こそ前期比14.6%増の1兆2439億円に増加したものの、利益面は前期からの反動減に苦しみ、営業利益は同51.4%減の1176億円、純利益は同44.8%減の598億円に沈んでいた。

 その状況下で、今後もライバルの博報堂DYホールディングスを上回り、年収ランキングの「業界首位」を維持できるか要注目だ。

 2位はその博報堂DYホールディングスで、平均年収は1036.3万円、平均年齢は43.2歳、従業員数は260人となっている。同社は電通グループと双璧をなす広告代理店大手だが、今回のランキングでは、ライバルの電通とは約260万円の“年収格差”があることが分かった。

 なお、このランキングに入っていないことを疑問に思う読者がいるかもしれないが、業界第3位の広告代理店として知られるアサツー ディ・ケイ(ADK)は18年に上場廃止となったため、分析対象外とした。

3位はサイバーエージェントだが
電通・博報堂には遠く及ばず

 3位はサイバーエージェント。平均年収は771.1万円、平均年齢は34.1歳、従業員数は1702人だった。同社はインターネット広告事業に加え、「ウマ娘 プリティーダービー」に代表されるゲーム事業や、インターネットテレビ局「ABEMA」など多岐にわたる事業を手掛けている。

 サイバーエージェントは平均年収こそ電通・博報堂の後塵(こうじん)を拝したが、平均年齢はこの2社よりも10歳近く若い。22年には新入社員の初任給を42万円に引き上げており、若手の給与は比較的充実しているといえる。

 4位は、インターネット広告代理店事業を手掛けるオプトを傘下に持つデジタルホールディングス(708.3万円)。5位は、デジタル広告を活用したマーケティング事業などを手掛けるデジタルガレージ(692.7万円)だった。

 ランキング完全版では、6位以下の計51社のデータを掲載している。デジタル広告を手掛ける企業など、大手広告代理店“以外”の広告会社は、平均年収がいくらなのか。ぜひ、チェックしてみてほしい。

(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)

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