8月5日、いよいよ夏の甲子園が始まった。今年は第107回の大会となる。
8月5日、「夏の甲子園」開幕!
「一番たくさん勝ってる高校」はどこ?
今年も8月5日、夏の全国高校野球選手権大会、いわゆる「夏の甲子園」が始まる。昨年から暑さ対策として始まった朝夕の2部制はさらに拡大。甲子園も時代に応じて変化している。
さて、昨年までに夏の甲子園に出場したことのある学校は、戦前も含めて計908校ある。そのうち、1勝でもしたことがある学校は6割強にあたる573校。これらを勝ち星の多い順に並べてみた。
ベスト5にはどの学校が入ったのか、ランキングを下位から順に見ていこう。

5位は今後甲子園には出られなさそうなあの高校
4位は天理高は今夏も出場
5位はPL学園高(48勝13敗)。こちらは学校の創立が戦後の1955年で、甲子園初出場が1962年。1970年夏に早くも準優勝すると、以後平成中期までその名を全国にとどろかせた。とくに、1970年代後半から1980年代にかけての10年間は、無敵と思われる強さを発揮した。さらに甲子園で勝つだけではなく、次々とプロ入りして各球団の中心選手として活躍するなど、高校野球の盟主の座に君臨していた。
その破竹の勢いから、あらゆる記録を塗り替えるかと思われていたが、内部事情で専任監督が不在となり、2016年夏の府大会を最後に休部、翌17年には高野連を脱退している。野球部再開の噂は流れるものの、そもそも高校の生徒数が3学年男女合わせて50人を下回っており、再開のめどは立っていない。やがてベストテンからも消えそうだ。
続く4位は天理高(49勝27敗)。野球部自体は戦前から地方大会に参加していたが、甲子園に出場したのは1954年の春が最初、夏の大会は1959年が初めてだ。以来一貫して一定の力を保ち続け、近年も2017年夏と2021年春にベスト4に入っている。今夏も県大会決勝でライバル智弁学園高を降して30回目の出場を決めた。
では、夏の通算勝利数のベスト3を紹介しよう。
第3位「夏将軍」松山商は
20年以上甲子園に出場できていない
第3位は松山商(56勝21敗1分)。夏だけで優勝4回、準優勝3回、「夏将軍」という異名をとるほど夏に強かったが、2001年夏にベスト4に進んだのを最後に20年以上甲子園に出場できていない。今夏は24年ぶりに県大会決勝まで進出したが、延長10回タイブレークの末に済美高に敗れた。4位の天理高が7勝差まで詰めてきており、このまま未出場が続くと逆転されそうだ。
なお、松山商は戦後のごく一時期、松山東高に吸収されて同校の商業科になっていた。
第2位は龍谷大平安高(61勝31敗)。現在の校名になったのは2008年のことで、年配の方には平安高の方がなじみがある。戦前からの名門だが、初出場したのは1927年と昭和になってから。同地区(かつては京滋、現在は京都)に強力なライバルが少なかったことから出場回数も34回と、北海高(41回)、松商学園高(38回)に続いて全国第3位(いずれも今大会を含む)。平成以降も着実に勝ち星を重ねており、当分2位は維持する見込み。
第1位は中京大中京高!戦前から令和まで活躍、
昨年は初戦で、史上初「夏の通算試合100試合」を達成
夏の大会で全国最多の勝ち星を誇るのは、多くの通算記録部門でトップに立つ中京大中京高(79勝22敗)。夏の通算勝利79勝は2位に18勝もの大差がある。1大会では優勝しても最大6勝しかできないため、当分1位の座は安泰だ。
戦前から、中京商、中京高、中京大中京高と名前を変えながら、一貫して全国トップクラスの実力を保ち続けている。
しかし、1931年に初めて甲子園に出場すると、いきなり夏の大会で全国制覇、しかもそこから空前の3連覇を達成した。以来、平成初期に一時低迷したが、2009年夏にも全国制覇するなど、現在でもその勢いは衰えていない。昨年夏の初戦宮崎商では史上初の夏の通算試合100試合を達成したものの、今夏は県大会準決勝でライバル東邦高に敗れて甲子園を逃している。
なお、『夏の甲子園・勝利数ランキング2025【ベスト107完全版】』では、これまで甲子園に出場したことがある908の高校のうち、10勝以上した107校について、全てのランキングを掲載。智弁和歌山、広島商、早稲田実業、仙台育英高などトップ10の高校や11位以下の注目校についても詳しく紹介している。ぜひ「完全版」も併せてお読みいただきたい。0