旅行の計画を立てる際、目的地と並んで重要視されるのが「何を食べるか」だ。その土地ならではの味や食文化は、旅の満足度を大きく左右する要素といえる。

日本各地には、地域の自然や歴史に根ざした食文化があり、郷土料理やご当地グルメが今も地域の魅力として受け継がれている。



 そこで今回は、全国の各都道府県における「食」のイメージを調査し、「食事がおいしい」都道府県をランキング形式で紹介する。



 今回紹介するランキングのベースとなるのは、全国1000の市区町村及び47都道府県の計1047地域を調査対象に、全国の消費者3万3449人の有効回答を得て集計した「地域ブランド調査2025」(※1)だ。各地域に対して、認知度や魅力度、イメージなど全90項目からなる調査を行い、今年で実施は20回目(都道府県の設問は17回目)となる。



「食事がおいしい」については、「地域ブランド調査」で行った、「それぞれの市区町村にはどんな魅力があると思いますか?」という問いに対して、18項目の中にある「食事がおいしい」を選んだ回答者の割合(%)を算出した。



(※1)調査を行ったのはブランド総合研究所。インターネット調査であり、調査期間は、2025年6月24日~7月9日。



 食に対する評価が高い都道府県はどこなのか。上位のランキングは次の通りだ。



食事がおいしい都道府県ランキング2025!2位福岡県、1位は...の画像はこちら >>


全国的に「知名度が高い食材」が多い北海道
福岡の「屋台」は街の雰囲気と一緒に記憶に残る



 2025年の「食事がおいしい都道府県ランキング」では、地域名と結びついた料理や食文化を持つ都道府県が上位を占めた。順位を追っていくと、料理の種類が多いというよりも、「その土地と聞いて何を思い浮かべるか」が評価に影響していることが見えてくる。



 ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「食の評価は、味だけで決まるものではない。

その地域を代表するような具体的な食のイメージが明確なであるほど、都道府県全体の評価にも反映されやすい」と話す。



 1位は前年に続き北海道(45.2%)だった。ジンギスカンや海鮮丼、スープカレーなど、全国的に知られる料理が多い。「カニ」や「じゃがいも」などの食材や、「白い恋人」などの商品も多く挙がっている。



 2位の福岡県(31.0%)も、料理の幅広さが支持を集めた。博多ラーメンやもつ鍋、水炊きのような定番に加え、天神や中州に広がる屋台文化が「福岡の食」を象徴している。食事そのものだけでなく、街の雰囲気と結びついた体験として記憶されやすいのが強みだ。



 3位の大阪府(30.3%)は、お好み焼きやたこ焼き、串カツのような粉もの文化が根強い。「食い倒れの街」というイメージはいまも健在で、食を目的に訪れる地域としての印象が評価を支えている。 



 「食事がおいしい都道府県」という評価は固定されたものではなく、地域の取り組みや話題性によって毎年変わる。次はどの地域が存在感を高めてくるのか、今後も注目していきたい。



(フリーライター 西嶋治美)

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